11月16日(土) 10:30
<ダンロップフェニックス2日目◇15日◇フェニックスカントリークラブ (宮崎県)◇7042ヤード・パー71>
昨季、プロ1年目ながら賞金ランキング2位で終えた蝉川泰果。8位タイで迎えた2日目に1イーグル・4バーディでボギーなしの「65」をマークし、トータル10アンダー・2位タイに浮上した。3日目は、松山英樹と最終組でラウンドする。
一日を振り返ると「ボギーなく回れたこともですが、久しぶりにイーグルを獲れたことがよかった」と、8月の「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」ぶりのイーグルを素直によろこんだ。昨年の『イーグル率』は、それまでの記録を更新する『4.087』(総ラウンド数94で23個)で1位を獲得している。しかし今季は17試合(ラウンド数60)に出場し、イーグルはわずか6個。「イーグルパットを決められた瞬間、少しいい流れが来ているのではないかなと思いました」と安堵する。
要因として「今週から全部替えた」というシャフトを挙げる。月曜日にテストし全とっかえの“荒療治”を施した。それまでの悩みは「左に行くような球がすごく多くて」。もともと「フェードヒッター」だったが、逆球が出始めていた。「すべて左に行かないようなセッティングにした」と、自身のイメージ通りの弾道に戻ったことが好スコアにつながった。
「学生のときよりも10キロ以上増えてきて、フレックス(シャフトの硬さ)を落としたりもしたんですけど、やっぱりパワーがついてるのにフレックスを落とすと、自分で(タイミングなどを)合わせてしまう。逆にそのシャフト自体もハードにしていってもいいのかなと」。自身のフィジカルに合わせてドライバーはフジクラの24ベンタスブラック『6X』からベンタスブラックの『6TX』に変更。さらに「初めて先端カットしました」と“鬼カタ”にしたことを明かす。
契約先のピンの担当者はこのセッティングの狙いを、「アイアンのシャフトでは、しなり戻りを抑えるシャフトに変更したことで、ウッド系のシャフトが緩く感じてしまっていました。それもあり同じ感覚の硬さを感じられるシャフトにするために変更してます」と説明。そしてドライバーシャフトの先端部分をカットした理由は「アイアンに近いフィーリングを出すためと、左ミスを警戒していたためです」と明かす。全体的に「ハード」なセッティングにしたことになる。
「ここまでずっと調子が上がってこなかった」と、ここまで予選落ちが3回、トップ10入り4回と納得いく成績が残せていない。シャフトを替えて挑んだ今週、この2日間で「自分が調子を取り戻してきているのかなと、ものすごく手応えはある。しっかり勝負できるような自分らしいプレーができるよう、しっかり準備したいなと思っています」と調整に励んだ。
「もちろん優勝したいとも思いますが、自分が納得できるようなプレーをどんどんできるようにしたい」。国内男子ツアーは今週含めて残り3試合。エリートメンバーしか出場できない最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」はディフェンディングチャンピオンで挑む大会でもある。連覇がかかる大事な大会に向けて、“完全復活”へ尻上がりの残り2日間にしていきたい。(文・高木彩音)