【競馬予想】GIマイルCS、ブレイディヴェーグはマイル路線の絶対女王になれるか

photo by web Sportiva

【競馬予想】GIマイルCS、ブレイディヴェーグはマイル路線の絶対女王になれるか

11月15日(金) 7:10

提供:
確たる主役、スター不在と言われ、「近年のGIでは毎回、似たようなメンバーが勝ったり負けたりを繰り返している」と揶揄されている芝のマイル路線。しかし今秋、そうした状況にようやくピリオドが打たれるかもしれない。

今週行なわれる秋のマイル王決定戦、GIマイルCS(11月17日/京都・芝1600m)に待望久しいスター候補が出走する。

この秋、GII府中牝馬S(10月14日/東京・芝1800m)で鮮やかな大外一気を決めたブレイディヴェーグ(牝4歳)だ。

マイルCSに駒を進めてきたブレイディヴェーグphoto by Eiichi Yamane/AFLO

マイルCSに駒を進めてきたブレイディヴェーグphoto by Eiichi Yamane/AFLO



ブレイディヴェーグにとって、同レースは昨年のGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制して以来、およそ11カ月ぶりの競馬。その間にも2度ほど出走プランはあったが、いずれもレース直前にアクシデントに見舞われて回避となった。

そういった過程もあって、デビュー以来5戦連続して1番人気だった支持も、この一戦に向けては2番人気と評価を下げた。ファンの多くはこの馬の能力を高く評価しつつも、順調さを欠いての長期休養明けでは、「それでも勝てる」と言いきれるほどの確信が持てなかったのだろう。同馬を管理する宮田敬介調教師にしても、レース前には「本当によくなるのは、次か、その次」と見ていたのだから、なおさらだ。

ところが、そんな周囲の不安や懸念を吹き飛ばすかのように、ブレイディヴェーグは復帰戦で見事に弾けた。

4角10番手で迎えた最後の直線、余裕を持って大外に進路をとると、メンバー最速タイの上がり32秒8の末脚を駆使して前を行くライバルたちを次々にかわしていった。この軽快な走りと極上のキレ味には、鞍上の名手クリストフ・ルメール騎手も「気持ちよかったです」と舌を巻いた。

もともと素質の高さを評価されていたブレイディヴェーグだが、2度の骨折など度重なるアクシデントに見舞われて、その競走生活はデビュー以降、苦難の連続だった。陣営の思うような形でレースを使うことができず、3歳春のクラシック出走も叶わなかった。

それでも故障を克服すると、古馬相手のエリザベス女王杯で戴冠。キャリア5戦目で古馬相手のGIを勝つのは、イクイノックスと並ぶJRA最少記録だという。

その後も順風満帆とはいかなかったが、ほぼ1年ぶりの一戦で完全復活。このあと、どういった路線に進むのか、大いに注目された。

そうして陣営が選択したのは、マイル路線だった。

ただし、ブレイディヴェーグはここまでの6戦で芝のマイル戦は一度も走ったことがない。すべて1800m以上のレースだ。待望久しいスター候補ではあるが、この距離短縮、すなわちマイル戦に対応できるかどうかが唯一の懸念となる。

それに対して、「心配はないでしょう。むしろ、向くかもしれません」と言うのは、関西の競馬専門紙記者だ。

「陣営も府中牝馬SのあとはマイルCSと、当初から決めていたようです。それだけ、マイルの距離には自信を持っている、ということでしょう」

同記者が「マイルは向く」とする根拠は、同馬の非凡なスピードとキレ味。スピードについては、昨年のGI秋華賞トライアル、驚異のレコード決着となったGIIローズS(阪神・芝1800m)で、勝ち馬からコンマ2秒差の1分43秒2という速い時計をマークしていることで実証されている。

キレ味についても、過去6戦のうち、2200m戦のエリザベス女王杯を除く5戦で、メンバー最速(タイも含む)の上がりタイムをマーク。しかも、そのすべてが32秒台か33秒台で、マイル向きのキレ味は十分すぎるほど備わっていると言える。

ブレイディヴェーグがこれまで、マイルのレースを使ってことなかった点について、先の専門紙記者はこう説明する。

「3歳の春は骨折でクラシック戦線に乗れず、GI桜花賞(阪神・芝1600m)に出られませんでした。秋も当初は秋華賞(京都・芝2000m)を目指していましたが、中間でアクシデントがあって、矛先をエリザベス女王杯へと変えることになりました。何はともあれ、桜花賞出走が叶わなくなってから、大きな目標とするレースにマイル戦がなかった。それゆえ、マイルの距離を使う必要がなかった、ということです」

距離不安に限らず、マイルCSの舞台となる京都コースは今、馬場状態がよくない。馬場の悪いところを走らされる状況になれば、キレ味がそがれる心配がある。

さらに「主役不在」とはいえ、昨年の覇者でGI安田記念(6月2日/東京・芝1600m)2着のナミュール(牝5歳)にはクリスチャン・デムーロ騎手が配され、海外からもマイルGI3勝のチャリン(牡4歳)がライアン・ムーア騎手騎乗で参戦。ソウルラッシュ(牡6歳)やセリフォス(牡5歳)といった安定勢力に、上がり馬ジュンブロッサム(牡5歳)など、手強いライバルたちも控える。

だが、そうした困難を克服し、強力メンバーを蹴散らして頂点に立ってこそ、"スター"というもの。ブレイディヴェーグには、その資質がある。

【関連記事】
鍵山優真、坂本花織、りくりゅう...2024NHK杯フォトギャラリー
国立競技場が世界一のスタジアムである理由 神宮外苑地区の樹木伐採はその価値を貶める
サッカー日本代表に重大懸念 三笘薫がウイングバックに入れば「サイドバック」は消えゆく運命に
【競馬血統予想】GIエリザベス女王杯と相性がいいディープインパクトの血 重賞初勝利を目指す2頭が注目
【競馬予想】GIエリザベス女王杯は特大万馬券も夢ではない――高額配当の使者はこの2頭
Sportiva

新着ニュース

合わせて読みたい記事

編集部のおすすめ記事

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ