矢崎仁司監督の5年ぶりの新作で、主演に橋本愛を迎えた映画「早乙女カナコの場合は」が、2025年3月に公開される。
・
【フォトギャラリー】「早乙女カナコの場合は」場面写真作家・柚木麻子が2012年に上梓した小説「早稲女、女、男」(祥伝社文庫刊)を原作とし、男勝りで過剰な自意識ゆえに素直に甘えることができず、本当は誰よりも純粋で不器用な主人公・早乙女カナコと演劇サークルの先輩・長津田の10年に渡る恋愛模様を中心に、彼女たちと周囲の人々が右往左往しながらも各々が自分を見つめ直していく姿を描いた恋愛奮闘記。
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた早乙女カナコ。入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも4年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。長津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそう。サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。編集者になる夢を追うカナコは、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていく。大学入学から10年。それぞれが抱える葛藤、迷い、そして二人の恋の行方は――。
早乙女カナコを橋本が演じ、カナコと付かず離れずの関係を続けているうだつが上がらない脚本家志望の学生・長津田役には、若手実力派俳優・中川大志。橋本との共演は本作が初となる。
このほど公開された場面写真は、映画「愛なのに」「まなみ100%」「市子」などのスチル、雑誌、広告、カタログ、アーティスト写真など幅広く活動する写真家の柴崎まどかが撮り下ろしたもの。恋愛中のカナコと長津田の姿が切り取られており、作品への期待が高まる。
▼コメント全文
●橋本愛/早乙女カナコ役
大学に通えなかった自分にとって、この作品はあらかじめ失われた青春を取り戻すかのような……というほど甘酸っぱい話でもないのですが、全く知らない世界を手探りで途方もなく歩く感覚、でした。
男とか、女とか、そのグラデーションとか、自意識、愚かさ、狡猾さとか、そんなものがわっと湧き上がってきて、葛藤して、ぐちゃぐちゃになって。でもそれこそがオリジナルで、そして何でもない自分自身なのだと、そんなふうに思ったんです。全然大人になんてなってなかった!
●中川大志/長津田啓士
長津田というキャラクターを知れば知るほど人間の奥深さが出てきて、とてもチャーミングです。この役は僕にとってまた新たな挑戦でもありました。映画の中で流れていく時間、変化していく季節が、苦しくも心地よかったです。
●矢崎仁司/監督
物語より、光景の積み重ねこそが、観る人の心に触れると信じて映画を作り続けてきました。素晴らしいスタッフとの出会いで光景が映し撮れたと思います。ぼんやりした不安の世界をサバイブする彼、彼女たちに会いに来てください。きっと元気になれる。見えない鎖を解き放つ作品になると嬉しいです。
●柚木麻子/原作
あまりにも美しい愛についての映画で自分の原作かどうか、疑ってしまった。
【作品情報】
・
早乙女カナコの場合は【関連記事】
・
北村匠海、満席の客入りにニッコリ矢崎仁司監督は感極まる・
女の子が女の子を好きになる矢崎仁司監督による“伝説のデビュー作”予告編披露・
矢崎仁司×山中瑶子共通点は“反抗心”互いの処女作語る(C)2015 柚木麻子/祥伝社 (C)2024「早乙女カナコの場合は」製作委員会