【写真】出演する舞台作品「カミシモ」と、演劇ドラフトGPについて意気込みを語る染谷俊之
俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第34回は11・12月に出演する2つの舞台作品について聞きました。
■『カミシモ』シリーズ最新舞台でネタを披露
──舞台『あいつが上手で下手が僕で ─人生芸夢篇─』(11月15日<金>~21日<木>・日本青年館ホール)の上演がいよいよ迫ってきました。テレビドラマと舞台が連動する人気シリーズですが、今回はどういった内容でしょうか?
前回、僕が出演した舞台(シーズン2/2022年11月上演)は無人島で芸人たちが無茶な企画に挑戦するという、設定を楽しんでもらう内容だったんですが、今回はしっかりストーリー性があります。僕と(相方役の和田)琢磨くんのコンビ・ラストワルツを含め、3組のコンビが軸となり、それぞれに話の進展があります。今年9月に放送されたテレビドラマは「パチファン(38ファンタジスタ)」というお笑いコンテストの準決勝までを描いたストーリーで、今回はその続きになります。
──テレビドラマでラストワルツは準決勝進出を決めました。今回出演する他の2組も準決勝に進出するコンビですか?
エクソダス(荒牧慶彦&和田雅成)はそうですが、ロングリード(橋本祥平&田中涼星)は敗退しています。ただ、お笑いの賞レースって敗者復活戦がありますよね。それでロングリードがどうなるのかも含め、準決勝に挑むまでにいろいろなことが起こります。
──ラストワルツは準決勝に向けて、どんなモチベーションでしょうか?
僕らは、出場資格の制限で今回がラストチャンスになります。なので「優勝するしかない!」と意気込んでいます。実際の賞レースもそうだと思うんですが、準決勝に進出すると知名度が一気に上がります。決勝に行ければさらに有名になれるので、モチベーションはすごく高いです。
──実際に漫才のネタも披露するんですか?
やります。漫才は前回の舞台で初めて挑戦したんですが、その経験が大きいですね。今回はゼロからではないので、より精度を上げたいです。前回はすごく緊張したんですが、僕自身楽しかったですし、観客のみなさんに笑ってもらえて快感になりました。そのときの感覚を今も覚えているので、今回もしっかり笑わせたいです。あとは(自身が演じる)高砂真夜はテンション高めのツッコミなので、声を枯らさないよう気を付けます(笑)。
──改めて舞台の見どころをお願いします。
芸人役は僕にとってすごく新鮮で演じ甲斐があります。僕ら以外にもいろいろなコンビが出てきて、それぞれの関係性を描いたストーリーが面白く、漫才も楽しんでもらえる素敵なエンターテインメントになっています。ラストには歌って踊るシーンがあるので、それも含めて楽しんでもらえたらうれしいです。
■『ドラフト会議』で染谷がツボって指名した俳優は?
──ここからは舞台『演劇ドラフトグランプリ THE FINAL』(12月10日<火>・日本武道館)について。10月1日に『ドラフト会議』が行われ、チーム分けが決まりました。
僕は今回も座長ということで、メンバーを選ばせてもらいました。僕のチームは田中涼星くん、古谷大和くん、佐藤信長くん、富田 翔さんで、演出家は毛利亘宏さんです。
──『ドラフト会議』で特に印象に残っていることは?
当日、地方に行っていて、会議に出席できないメンバーが3人いたんです。そのうちの1人が佐藤くんでした。彼ら3人は同じ場所で配信を見ていて、指名されたら電話が掛かってきて、中継がつながるという流れだったんですが、別の人が指名されたときになぜか佐藤くんが電話に出たんです。配信を見ているわけだから、自分が指名されていないことを知っているはずなのに。そんな天然なところが面白くて、次の指名順のときに早速指名しました(笑)。佐藤くんとはこれまで共演したことがないんですが、そのときの様子で人柄の良さや謙虚さなどが垣間見られて一瞬で好きになりました。
──田中さんと古谷さんは過去にたびたび共演経験がありますが、富田さんもありましたか?
富田さんは僕より先輩で、かなり前(2014年)ですが、舞台『私のホストちゃん ~血闘!福岡中州編~』で共演したことがあります。当時はよく遊んでいて、一緒に年越しをしたことも。最近はしばらく会う機会がなかったんですが、ドラフトメンバーの中に名前があったので、久しぶりに共演したくなって指名しました。
──演出家の毛利亘宏さんとの関係性は?
『少年社中』という劇団を主宰されている方で、僕も何度か出演させてもらったことがあります。直近だと、2022年の夏に上演した『クアンタム ─TIMESLIP 黄金丸─』です。ちょうどコロナ禍で、(後半の)大阪公演が休演になってしまったんです。なのでそのときのリベンジというか、久しぶりにまたご一緒したいなと思いました。これまでの作品では、細かく演技指導されたことは一度もなく、役者を信頼して任せてくれるタイプの演出家さんですね。
■今年が最後となる『演劇ドラフトGP』への想いを語る
──『ドラフト会議』でそれぞれのチームが演じるテーマもクジ引きで決まりました。染谷さんのチームは「ピクニック」。引いたときの感想は?
テーマが具体的だとやれることが限られてしまうと思うんです。例えば「運命」や「奇跡」みたいに抽象的なテーマだったら、時代設定やストーリー背景などジャンルも選べるし、いろいろなことができます。でも「ピクニック」は具体的過ぎて、やれることが絞られてしまうので難しい。だから「ピクニック」に決まったとき、正直ゲッ!と思いました。
──そんなテーマをどんな作品に仕上げていきますか?
今、みんなで意見を出し合っているところでまだ決定していませんが、ある程度の方向性は見えてきました。演出家の毛利さんともリモートで相談していて「これができたら面白いよね」というアイデアがいくつか出てきました。内容は当日までもちろんシークレット。コメディになるのか、それともシリアスな話になるのか、ぜひ楽しみにしていてください。
──出演者4人の役のイメージもできてきましたか?
そこはまだですね。でも僕自身、座長が必ずしも主演でなくてもいいと考えています。前々回(2022年)は「地図」をテーマにした作品だったんですが、唐橋 充さんに主役を務めてもらいました。主人公が伊能忠敬で唐橋さんがイメージにピッタリだったからです。今回も役に合った人が主役を務めればいいと思っています。
──チーム名の劇団「演劇やろうぜ」はどのように決めたんですか?
1人2個ずつ案を出して、その中から多数決を取りました。僕が出した案なんですが『ドラフト会議』のときに富田さんが「演劇やろうぜ!」って言ったのが心に残っていて、「それ、いいじゃん!」と。チームごとにロゴを作るんですが、富田さんは書をやっているということなので、デザインもお願いしました。筆で書いてもらったんですが、すごく素敵なデザインです。
──最後に『演劇ドラフトグランプリ THE FINAL』への意気込みをお願いします。
今回は『THE FINAL』ということで最後の大会になります。なので(前々回以来となる)王者に返り咲きたいなと思いつつ、日本武道館という素晴らしい舞台で約20分間の演劇をやらせてもらうこと自体がすごく栄誉なことなので、縁あって一緒になったメンバーと素敵な作品を作って、みなさんにお届けできたらと思っています。オンライン配信もあるので、多くの方に観ていただけたらうれしいです!
※注1:インタビューは2024年9月中旬に行いました
取材・文=河合哲治郎
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