夫婦生活を円満にする“魔法の一言”とは…結婚相談所「マリーミー」代表が伝授「衝突しがちな“険悪な夫婦”には傾向が」

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夫婦生活を円満にする“魔法の一言”とは…結婚相談所「マリーミー」代表が伝授「衝突しがちな“険悪な夫婦”には傾向が」

11月14日(木) 15:52

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こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をはじめ、各種メディアで見たことがある――なんて方もいらっしゃるでしょうか。

マリーミーは設立15年となり、現在では年間約2,000件もの結婚や恋愛、夫婦関係にまつわる相談を受けています。これだけの相談を聞いていると、多くの問題はいくつかの類型に分けられ、それぞれに存在する鉄板の解決策が見えてくるものです。人間関係は十人十色のようで、対応には同工異曲の趣があります。

本連載では、「結婚後のリアル」な悩みにお答えしていきます。ただ、既婚者の方だけでなく、お相手選びに迷いのある婚活中の方にも参考となるよう、手加減なしの“辛口”モードです。心してお付き合いくださいね。

悩みや人生の壁を乗り越えてゆける夫婦・カップルと、あえなく離婚や破局に至ってしまう夫婦・カップル。もし、前者と後者とで普遍的かつ決定的な違いがあるとすれば、知りたくはありませんか?

初回となる本記事では、「円満夫婦の魔法の一言」がテーマ。実は、ある一言が2人の間の会話に定着しているかどうかが、明暗を大きく分かつのです。

ただ、「結婚相談所のアドバイザーが、結婚生活のなにを知っているの?」と思われてしまうでしょうか。結婚相談所では再婚を目指す人も決して少なくはなく、そうした会員様には当時についての徹底的なヒアリングを行うようにしています。

前回の失敗を踏まえてこそ、よい再婚が可能になると考えるからこそ、それぞれの失敗談をお聞きし、あまたの分析を重ねてきたのです。そうして得られた知見をもとに、お話してまいります。

魔法の言葉「どうしよっか?」

家事分担に生活習慣、子供や義実家のこと……。ともに人生を歩もうとするかぎり、さまざまな問題が発生するのは、離婚を選ばざるを得なくなる夫婦だけのことではありません。

個別の課題によって具体的な解決方法は当然異なるものの、どんな事態でも万能かつ必須の一言が存在します。

なにも大仰な言葉ではありません。「どうしよっか?」。たったこれだけの言葉です。

このなんでもない一言をどれだけ夫婦間で交わせているかが、関係性維持の大きな鍵を握っているのです。

簡単な言葉すぎて拍子抜けされてしまったかもしれませんが、どれだけこの言葉を発し、また適切に活用できているか――。ぜひ、今一度胸に手を当てて自問してみてください。

「夫婦間の問題」の本質は…

というのも、夫婦間で生じる多くの問題は、抽象化すると「意向の決裂」もしくは「意向の透明化」によって引き起こされるのです。

たとえば子供の教育方針について、どちらかは「お受験」重視で、もう一方は「自由闊達」志向。あるいは「毎日同じような食事で平気」なタイプと、「日々の食事にバリエーションがほしい」タイプ。関係性の変化によって、スキンシップや性交渉に抵抗感を覚えるようになった人に、変わらず身体面での愛情表現が欲しい相手……。

解決方法や落とし所のつけやすさに違いはあっても、どの場合も両者の意向のズレによる問題です。

こうしたときに、なにより先に「どうしよっか?」と投げかけ、「なんでも2人で決めたね」と思えるような対話を日々行っていくこと。そうした夫婦こそが、支え合って暮らしていけます。

シンプルな言葉ですから、「言ったところですり合わせられないから悩んでいるのに」と思われるかもしれません。

しかし、あらゆるお悩みを聞いていると、「我を通す」ことと、「自己主張する」ことの区別がついていないがために、衝突しているパターンが多いのです。「我を通す」のは単なるわがままですが、「自己主張」によって意見を述べないのも、相手への甘えです。

「我を通す」と「自己主張」の区別

比較的落とし所をつけやすいであろう、「食事のバリエーション」問題から違いを考えていきましょう。

ある夫婦のうち、日々似たような食事内容でも満足するAさんが、食事の用意を担当していて、その配偶者であるBさんが献立内容に不満を抱えているとします。

もしBさんが「我を通す」タイプであれば、「献立をもっと工夫してよ」「外食で済ませるからもう料理作らなくていいよ」などと言いそうです。Aさんから「献立を考えるのは大変なんだよ」「節約のためだから我慢して」など、理由はそれぞれでも、反発されるのが目に浮かびませんか?

「自己主張がない」タイプであれば、一人で外食を増やしたり、用意された食事を残してこっそりカップ麺を食べたりするかもしれません。一見すると、争いにならないように気を遣っているようですが、相手への不満を隠して溜め込んで、不和の火種を温存したり、相手が察してくれるのを待つだけの、身勝手なやり方です。

他方で、適切に自己主張ができる「どうしよっか?」使いの人なら、「実はたまには違うものも食べたいなと思っているんだけど、作ってくれるのはAだし、どうしよっか?家事担当を変える?外食する日を増やす?」といった表現になりそうです。

「どうしよっか?」でリードができる

このように、相手と自分の意向が異なるとき、頭から自分の意向を押し通そうとするのも、黙ってしまうのもいただけません。

衝突の多い夫婦は、一方あるいは両者がこのどちらかに該当しているために、話が平行線となっている可能性が高いでしょう。

「どうしよっか?」は例題のように、前後に相手への配慮が挟まれるワードでもあるので、使いこなせている人は意外と多くないのです。

そう表現すると、投げかける側の負担が大きいようにも感じられるかもしれませんが、発するほうにもメリットがあります。

「どうしよっか?」は相手をリードできる言葉なのです。したがって、「不満が大きい」「結局いつも相手の希望ばかりが通っている」と思う方ほど、積極的に発するようにしてみてください。

先述の例文でも、「どうしよっか?」以後、自分の理想的な解決策を優先的に展開することで、押し付けがましくなることはないながらも、段違いに意見が通りやすくなることでしょう。

化けの皮が剥がれる可能性は十分にある

夫婦間のお悩みや、離婚事由としてもっとも多く聞くのは、残念ながら「モラハラ・DV」被害です。

こればかりは被害者側が努力すべきことではなく、また努力で解決できるものとは言えません。モラハラやDVは、内弁慶で上下関係の意識を内面化した、意気地のない人が、強く当たれると思った相手に犯す非道な行為です。

そのため上下関係が固定されていない交際時に見抜くのは、残念ながら至難です。けれど、結婚前に少しでも違和感があれば、さよならを決めるに越したことはありません。

ただし、「どうしよっか?」を相互に言い合える関係かどうかは、ぜひ確かめておいてください。必ずしも万能ではありませんが、“内弁慶な意気地なし”の化けの皮が剥がれる可能性は十分にありますから。

主体性を持った大人同士の関係性を構築する手始めとして、「どうしよっか?」を使いこなしていけるようになっていきましょう。

<TEXT/植草美幸>

【植草美幸】
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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