原宿の商業施設「ハラカド」のエスカレーターに乗り、3階で降りて左に曲がる。そこは一見、写真展のようだが、中央には酒や缶詰、おでんパックなどが並んだ台が。この何とも不思議な空間は、四国の魅力を発信するECサイト「しこくあーけーど」の誕生を記念したPOP UPショップだという。
地方の魅力的な品を発信、というと物産展をイメージするが、本展を主催するジョージクリエイティブカンパニーの山田真毅氏は、違うアプローチを試みた。壁面には、湘南と宮崎を行き来する自然派フォトグラファー・U-SKE氏を起用し、四国各地の「色」をテーマにした作品を展示。「ギャラリー空間だからできるPOP UPショップを目指した」と山田氏は話す。
写真は、ガイドブックに載っているような観光名所を写したものではない。自然の美しさに敏感なU-SKE氏ならではの感覚で切り取られた風景がずらりと並ぶ。近寄ってみるといくつかは表面がざらつき、立体感が見る者に迫る。
これは徳島に伝わる「阿波和紙」にプリントしているためだという。そのほかには、キャンバスやアクリルにプリントした作品も。「被写体に合わせた素材を選び、あえて一緒に並べることで質感の面白さを楽しんでほしかった」と山田氏は狙いを話す。
中央の台には、よく見るといくつかの言葉が書かれている。「漁師のファーストフード」「チキンがお好きでしょ」──。横に並ぶのは「しこくあーけーど」で扱う商品の数々だ。
そのほとんどは、目にしたことのないものばかり。「有名なECサイトでは取り扱っていない商品にこだわった」と話すのは、同サイトを運営するセトラスホールディングスの広報室・生西咲菜氏だ。
どれも足を使って集めたこだわりの品。「それぞれの背景に物語があり、生産者の思い入れがある。まだ地方には、知られていないこんないいものがあるんだよ、と伝えたかった」と思いを話した。
物産展とはまるで違う、なんとも異質なPOP UPショップ。開催期間は12月1日(日)までとなっているので、ぜひ足を運んでみてはいかが。
【関連リンク】
「しこくあーけーど」サイト