SKY-HIがプロデュースする7人組グループ、BE:FIRSTのライブドキュメンタリー映画『BE:the ONE -MEANT TO BE‐』が、11月15日(金)より公開される。国内外でヒットを記録した前作『BE:the ONE』(23)に引き続き、K-POPアーティストのライブドキュメンタリー映画を数多く製作してきたオ・ユンドン監督がメガホンを取った本作では、2024年3月2日に開催したグループ初の東京ドーム公演「BE:FIRST LIVE in DOME 2024“Mainstream – Masterplan”」のライブパフォーマンスを軸に、その記念すべき日にいたるまでの彼らの道のりや、バックステージでの素顔が映しだされている。MOVIE WALKER PRESSでは、メンバーのSOTAとMANATOのツーショットインタビューを実施。本作の感想を踏まえてドーム公演を振り返ると共に、12月21日(土)から始まる「BE:FIRST DOME TOUR 2024-2025“2:BE”」への意気込みも聞いた。
【写真を見る】「ライブに参加しているような臨場感を楽しんでもらえる」と映画の魅力を語るMANATO
■「現段階でできるBE:FIRSTのパフォーマンスを十分に詰め込んだ日」(MANATO)
――BE:FIRSTにとって初のドーム公演を収録した本作。あらためて振り返ってみると、ドームの公演日はどんな日でしたか。
SOTA「いまはちょうどツアーをやっていない期間なので、最近よく思い返します。幸せだったなとか、もう1回やりたいなって。すごく感動したし、“ドームに立つ”という目標をずっと視野に入れて毎日を過ごしてきたから、やっぱり特別な感情がありました。ライブに大小はないけど、たくさん思ってきた分、一つの大きいゴールだったなと思います」
MANATO「BE:FIRSTができた当初、何年後にはこういうグループになって、どういうふうに世界的に認知されて…という未来計画を日高さん(SKY-HI)と話す機会が多かったんです。そのなかでドーム公演というのは、わかりやすい目標の一つでした。まずはここを通過できないと、応援してくれた人への恩返しにならない。でもそこで終わりじゃなく、ドーム公演は、自分たちの意思を世界に表明する意味もありました。現段階でできるBE:FIRSTのパフォーマンスを十分に詰め込んだ日だったと思います」
――ドーム公演の実現を確信し始めたのはいつごろでしたか?
SOTA「ドームに立つまでには、BE:FIRSTにしかできない音楽を確立させておきたい気持ちがありました。決して、借り物の感じでやるライブにはしたくなかった。そういう意味で、『そろそろドームに立っても、かっこいいライブができるんじゃないかな』という自信が湧き始めたのは、アリーナツアーのころですかね。『Mainstream』や、ヒップホップの重要性を探った『Boom Boom Back』、そうした楽曲制作を通して、BE:FIRSTというグループが自分たちらしくドームに立っている姿が想像できるようになりました」
MANATO「明確に叶えたい夢だったから、意識はずっとしていましたけどね。僕たちは1年単位で、会場の規模を大きくしていったんです。当たり前だけど、会場が大きくなればなるほど、どうしてもお客さんとの距離は離れていく。だから小さな会場から始めて、パフォーマンスでの距離感の掴み方や、自分たちの地力を固めていきました。そういうすべてが、ドームのためだったと言っても過言じゃないと思います」
――少し余談ですが、緊張や余韻でライブの夢を見ることってありますか?
SOTA「俺は夢を見ないタイプなんですけど、JUNONがめっちゃおもしろいこと言ってて。ライブが近づいてくると、本番で振りを忘れたり、『俺、聞いてないよ』っていう振り付けが増えていたりする夢を見るらしくて(笑)」
MANATO「俺も夢見ないなぁ…」
SOTA「SHUNTOも同じようなこと、言ってた(笑)。『Scream』の最後のダンスブレイクの続編がある夢を見るらしい。最後、歌の尺に戻るぞ!というところでしゃがんだら、みんなが知らない振りを踊り始めてめっちゃ焦るっていう夢をライブ前日に見て、死ぬかと思ったって(笑)。俺はまったく共感できなかった(笑)」
■「楽しみと不安の割合も、映像を見ると鮮明に思い出せる」(SOTA)
――貴重なお話、ありがとうございます(笑)。初のドーム公演が、映画として記録に残ることについてはどう思われましたか?
SOTA「僕は当日の朝、入ってすぐに自分の携帯で会場の動画を撮ったり、メンバーと写真を撮りあったりして、1日限りの初ドームを形に残そうってすごく意識していたんです。その日をこうして作品として残してもらえて、何年後にも見返せることがうれしいと思いました」
MANATO「いままで応援してくれた方たちはもちろん、そうじゃない方も、僕たちがどういう想いを懸けて、どういうプロセスを踏んでドームにたどり着いたかを、すごくわかってもらえるものになると思いました。それに、前回の映画もそうだったけど、すごくパフォーマンスを重視している内容なんですよね。音質もめちゃくちゃいいので、ライブに参加しているような臨場感を楽しんでもらえる。僕たちのことを気になってくれている方にとっては、ライブのチケットを買うよりも気軽で、すごくいい入り口なのかなと思います」
SOTA「MANATOが言ったようにプロセスも描いてくれているから、当時感じていたフレッシュな気持ちも映像に残っているんです。『この場面、何日前から緊張してたな』とか、『このゲネリハで、すでに難しさ感じてたな』とか。あの時は嫌な感情でもあったけど、それを思い出せるのは、映画にしてもらえたからこそだし。だって幕張メッセでリハしている時には、ライブがどうなるかまったく想像できなかったから」
MANATO「全員揃ってなかったしね。『ここのステージが動くから』って言われてもまったく想像できなくて、歩いて移動してたから(笑)」
SOTA「うん。楽しみと不安、その割合も、映像を見ると鮮明に思い出せる。それがすごくありがたいです。それに2時間ちょっとのライブって、俺らも一瞬だったし、ファンもそうだったと思うんですよ。繊細な思い出を形に残せることもうれしいし、ファンも、周りの人に言葉では伝えきれなかったもどかしさを、映画を通して鮮明に伝えられるのってうれしいんじゃないかと思うんです。僕たちの大切な1日が広がっていくことが、本当にすごくうれしいです」
――実際にやるのと映像を見るのと、感覚が違ったシーンはありましたか?
MANATO「見て驚いたのは、(メンバーが登場する際に演出で使っていた)あのカートってあんなにスピード出てたんだなって」
SOTA「(笑)」
MANATO「15km以上出ないようにメーターが付いているんですけど、絶対それ以上出てるよな?みたいなスピードだった」
SOTA「あれ、見てるほうが速く感じるよね?」
MANATO「そう!多分、お客さんは(首を右から左に素早く振って)こうなってる。あんなに速いんだって、意外でしたね」
SOTA「僕は反省点みたいになっちゃうんですけど…。アリーナ規模のライブでは、肉眼でもギリ見えるだろうというアクションをすることもあったんです。でもドーム規模になっちゃうと、お客さんは主にLED画面を見ているんだなということを、反応からすごく感じました。ダンスが伝わり切ってないなって。だから、もっと画面を意識して調節できた場面があったなって思いましたね」
MANATO「反省点やな。俺もめっちゃあった」
SOTA「『ここは声にフォーカスするから、カメラも引きになって抜かれてないだろう』っていうところも、ドーム仕様だと抜かれてて。『うわっ、ここ抜かれてたんだ!』みたいなのがいっぱいありました(笑)」
■「『世界行きたい』『もっといろんな人に見てもらいたい』という気持ちが強まりました」(MANATO)
――今作のキャッチコピーである「あの日約束した夢を、叶えに来た―」。この言葉は、どう解釈されましたか?
MANATO「俺、前回のインタビューでめっちゃいいこと言った気がする…(笑)。今回は、言ってくれているそのままの意味だと思います。ドームという夢を、叶えに来た」
SOTA「約束したしね。約束を最初にさせてもらったのは僕なんです。『何年以内にドームの景色を見せます』って、何十公演も約束して。毎回、『また俺、言ってるよ…できなかったらどうしよう』っていう不安が頭をよぎりながら、ホールツアーを回ってました。だから本当、ドームが決まった時はめちゃくちゃ安心しました」
――初のドーム公演を成功させたことで、オーディション当時から目指してきた“世界”は、より明確になりましたか?
MANATO「ドーム公演をやったからというよりかは、さっきの話と重複しますけど、『Boom Boom Back』や『Mainstream』ぐらいから、意欲を持つことの大切さと、それを表に発信していくことの大切さを知って、目標が明確になってきたと思います。BE:FIRSTの名前を聞いた時、多分いろんな曲を思い浮かべると思うんですけど、最初から僕たちが言ってたジャンルレス、“カテゴライズされない”って、いろんな人がいろんな曲を好きになれるところだと思っているんです。それは言語の壁を超えること、偏見なく音楽を聴けることとも近いニュアンスにあると思っていて、そういう意味では、ドームに立ってから確かに、『世界行きたい』とか、『もっといろんな人に見てもらいたい』みたいな気持ちが強まりました。やっぱり、ドームを終えたら次はなんだ?って考えた時、僕たちもそうだし、お客さんが想像するのもグローバルの舞台だと思う。見ている人たちにそれをイメージさせることができたという意味で、ドームは一つ大きいことだったんじゃないかと思います」
SOTA「最初は『世界に行く』ってまったく鮮明じゃなかったし、すごくぼやっとしてました。でも、日本の音楽シーンを盛り上げて、世界から音楽を聴きに来るような国にする、日本の音楽の熱を上げることがBE:FIRSTの最大の使命だと思っているので、それを証明していくためにも、“ドームに立てるアーティストであること”は、説得力の面で最低条件ではありました。なので、やっとここから。説得力も僕たちの技術ももっと高めて、よりいい音楽を日本全体に広めていきたい。盛り上がっている日本の音楽シーンの火付け役が俺らである、そういう未来が来たらすごくうれしいです」
■次の映画があるとしたら「より制作にフォーカスしたドキュメンタリー映画になるんじゃないかな」(SOTA)
――劇中で「第一章」という言葉が何度も聞かれました。「第二章」はどこを目指し、どんなことがキーワードになってくると考えますか?
MANATO「これからの僕たちがどうなっていきたいかは、セカンドアルバムに込めたメッセージとも似ていて、自由とか自分らしくみたいなことを大事にしていきたいんです。ライブをするたびに思うんですけど、メンバーが関わっている楽曲は自分たちもより細かい解釈ができるし、セットリストを考える時にも構想が浮かびやすいんですよね。楽曲に責任感が伴うことが、いいプレッシャーになっています。だからこの先、新しいことを始めるというよりは、自分たちの音楽の錬度をどんどん高めていくことが大事だと思います。でも音楽は遊びの延長と言われるくらいなので、追い込まない。自分たちの音楽に納得できて、楽しめることが大事だと思いますね」
――『BE:the ONE』の次の映画があるとしたら、どんな出来事が主軸となるでしょうか。
SOTA「より制作にフォーカスしたドキュメンタリー映画になるんじゃないかな。シンプルに見てほしいし、メンバーも制作に関わっている姿を集めたら、そういうものになるんじゃないかと。マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』じゃないけど、細かいこだわりを伝えられる映画を作れるような、より音楽にフォーカスした日々を送れたらいいなと思います。なぜ『Mainstream』で一つ音を増やしたかとか、展開をどうしたとかって、話す機会もないし、話すだけじゃ伝わらないんですよね。もしもその場でカメラを回してくれていたら、7人と社長が興奮してる、正解が出た時のイエーイ!っていう感じが伝わるだろうし。『Blissful』も、MANATOが裏に隠れてメロディを録って社長に送ってやりとりして、とか制作での細かな苦労はいっぱいあります。『毎日フックを考えていたんです』を話するより、映像に残して、それを見てもらえたら、楽曲の厚みが増す気がします」
■「どれだけ垢抜けても、やっぱりSOTAのこの笑顔は変わらない」(MANATO)
――お2人のことも教えてください。長い付き合いになってきましたが、お互いの変わらないところは?
SOTA「マジでなにも変わってない…。MANATOは、このままです。いい意味で、頭おかしい(笑)」
MANATO「うちはみんなそれぞれ、ジャンルが違うおかしさのトップに君臨してる」
SOTA「ほかに変わらないところは、無駄遣いしないけど、ほしいものにはちゃんとお金をかけるところ。『そこは使うんだ』みたいな」
MANATO「うん。アーティストのTシャツとかアクセサリーは、どんなに高くても自分が納得できるものなら買う。あとは家にいる時間を安心できるものにしたいから、家の中のものにはお金をかけるかな」
――SOTAさんの変わらないところは?
MANATO「どれだけ垢抜けても、やっぱりこの笑顔は変わらない」
SOTA「垢抜けてないってことじゃん(笑)」
MANATO「あと、僕ら7人はそれぞれ性格も違って、個性が強いわけなんですけど、絶対にまとまらなきゃいけない時、ここ外せないなって時に、しっかり手綱を引き締めてくれている感じは変わらないです」
SOTA「それ、でっかく書いてください!(笑)」
――ライブにおいて、お互いの頼りになるところは?
MANATO「あげてくれるところ。MCの1発目とか。さっき言った変わらないところとも繋がるんだけど、『ここは絶対に決めたほうがいい』『ここ重要だぞ』ってところを、100点以上で決めてくれる」
SOTA「めっちゃ褒めるやん。“100点以上”って言葉、普段使う?」
MANATO「まぁ、1000点中だけど(笑)。プレッシャーもありそうだけどね。絶対にあると思う」
SOTA「プレッシャー、あるよ。ライブが始まる前は(ごねて)『も~やだ~』みたいな。ただ始まっちゃえば、なぜか大丈夫なんですけどね」
MANATO「俺の頼りになるとこは?難しいよね、いっぱいあるから」
SOTA「まじめに言うと、俺とかRYOKIはすごくはみ出るんですよ、ライブで。でもMANATOは本当に原曲に忠実。だけどライブ感も大事にする。そのバランスをMANATOが常に保ってくれているおかげで、BE:FIRSTを総合的に見た時の完成度が担保されているし、中心で整えてくれている存在だと思います」
MANATO「(拍手して)最高です。自分がライブで意識しているところの一つがマジでこれで、言い当ててくれた。僕らは生歌だからこそ、その時のテンションとバイブスで、いい意味でも悪い意味でもどこまでもいけちゃうんですよ。でも、7人全員がはみ出ちゃうと本当にバラバラになっちゃう。もちろん、崩れていい楽曲もパートもあるんです。でも、レコーディングしたなかでもベストなものをリリースしているわけだから、質という意味ではライブも原曲に近づけたい。僕はそういう想いがあるんですよね」
■「(次のドームツアーは)ガラッとひと皮もふた皮もむけた、新しい音楽的なBE:FIRSTが見られるライブになる」(SOTA)
――12月のドームツアーでは、どんな成長を期待していてほしいですか。
SOTA「前回のドームは、オーディションからの“Road to Dome”というか、ストーリーへの感情移入がすごかったと思うんです。どうすれば感動してくれるか、歩いてきた道のりを思い返してくれるかを考えてセトリも組んだし、実際、人生で1回きりのライブになったし。でもその道には一度終止符を打ったので、次のドームからはマジで音楽勝負。制作、ライブ演出、セトリの一つ一つ、いい意味でもうストーリーには頼れないので、ガラッとひと皮もふた皮もむけた、新しい音楽的なBE:FIRSTが見られるライブになると感じています」
――最後に、皆さんが企画・撮影してBE:FIRSTの映画を作るなら、どこに行ってどんなことをしますか?
MANATO「僕がずっと言ってるのは、やっぱりみんな、メンバーの実家に1回行くべきだと」
SOTA「俺の家はよく来るよね」
MANATO「LEOくんの実家にも1回、お邪魔させていただきました。実家ツアームービーを撮りたいです」
SOTA「いやあ…誰も観ないなあ。フライヤー、全部親でしょ?(笑)」
MANATO「めっちゃいいじゃん!うちの実家だったら海がめっちゃ近いから絶対に行って、親の手料理も食べてもらって…それ以外はなんもないな」
SOTA「武者修行は?海外行って制作したり、ダンスレッスン受けたり。旅行を兼ねての動画が撮れたらめちゃくちゃおもしろい気がする」
MANATO「じゃあ、それの最後に実家行く?」
SOTA「めっちゃ実家行きたがるやん(笑)」
MANATO「海外で修行して、日本帰ってきて、最後は俺のおばあちゃんち」
SOTA「えー。お前んちしか行かないじゃん」
MANATO「だって、実家に行って俺の親を知るわけじゃん。そうしたら、俺の親のルーツが気になるじゃん?」
SOTA「そんなん言い出したら、親の母校の恩師とかどんどん出てくる(笑)」
MANATO「最後はもう、知らない農園のおじさんとかまで数珠繋ぎ」
SOTA「それはめっちゃおもろいわ(笑)」
取材・文/新亜希子
※日高光啓の「高」ははしごだかが正式表記
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