“リトル・フランス”神楽坂にオープンしたビストロ「ロワゾー・ドゥ・フランス」。巨匠の哲学が息づく新店を編集部がレポート

“リトル・フランス”神楽坂にオープンしたビストロ「ロワゾー・ドゥ・フランス」。巨匠の哲学が息づく新店を編集部がレポート

11月14日(木) 0:00

◆“リトル・フランス”神楽坂にオープンしたビストロ「ロワゾー・ドゥ・フランス」。巨匠の哲学が息づく新店を編集部がレポート

フランス料理界の巨匠・ベルナール・ロワゾー氏の意思を注ぐビストロ「ロワゾー・ドゥ・フランス」が、2024年6月に神楽坂にオープン。ロワゾー氏の生み出した伝統的ながらもシンプルで、軽やかな料理を肩肘張らないサービスと語学学院の庭園に面した心地よい空間とともに楽しめます。
カジュアルなので、自分へのご褒美やデート、友人と過ごすひとときにおすすめ。ロワゾー氏の真髄が感じられるメニューを、編集部がレポート。



日本のフランスと呼ばれる東京・神楽坂。この街が“リトル・フランス”と呼ばれるようになったのは、1952年にフランス政府が運営する語学学校「東京日仏学院(現在のアンスティチュ・フランセ東京)」の設立がきっかけです。その後、フランス人が多く住むようになり、彼らが利用するお店も増えました。そんな日本とフランスをつなぐ「アンスティチュ・フランセ東京」の緑あふれる庭園に面した1階に、ビストロ「ロワゾー・ドゥ・フランス」が誕生したのが2024年6月。

ビストロは、 家庭的な雰囲気で家族や友人と気軽に行ける小さなレストランのこと。こちらは“ビストロシック”というスタイルで、カジュアルながらエレガントなのが魅力的です。

店内は、ビストロながら落ち着いた雰囲気なので、デートや友人との食事にリラックスして利用できそう。また、おもてなしも適度で気負うことなく過ごせるのが魅力。さらに、軽食&ドリンクの販売とイートインができるスナッキングスペースも併設し、気軽にフランスの食文化を発信しています。



上/ベルナール・ロワゾー氏下/左から長女のベランジェールさんと次女のブランシュシェフ

「ロワゾー・ドゥ・フランス」を語る上で、知っておきたいのが故ベルナール・ロワゾー氏の存在です。ロワゾー氏はフランス・ブルゴーニュ地方の名店「ラ・コート・ドール(現在のルレ・ベルナール・ロワゾー)」のシェフで、フランス料理界の巨匠と呼ばれる人物。それまで当たり前のようにフランス料理で多用されていたバターやクリームを控え、食材のうまみを活かした料理“キュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)”を生み出しました。

そんなロワゾー氏のイズムやフィロソフィーを落とし込んだ伝統的な料理を、ビストロシックのスタイルで表現したのが、この「ロワゾー・ドゥ・フランス」。実現させたのは、現在ロワゾーグループを任されている、長女のベランジェールさんとブランシュシェフ。そして、ロワゾー氏の愛弟子である、山口浩シェフ、市川健二シェフです。

「フランスのテロワールの大使館のような存在になれれば」とはブランシュシェフ。山口シェフは「カジュアルだけど慇懃無礼ではない。家族や友人など、自分の大切な人をおもてなしするように接し、お客さまに力を抜いて楽しんでいただければ」と話してくれました。


◆編集部がフランスの名店「ル・ルレ・ベルナール・ロワゾー」の支店「ロワゾー・ドゥ・フランス」を体験

この日にいただいたのは、全4皿の「レジョナルメニュー」。ブルゴーニュ地方の伝統的な料理、「ウッフ・ムーレット」からスタートします。
“ウッフ”とは卵のことで、ポーチドエッグを使った温前菜。割ると黄身がとろりと広がるポーチドエッグを、うまみがあって香ばしい玉ねぎのムーズと、酸味と苦味のバランスが絶妙な赤ワインソースでいただきます。

合わせるのは、爽快感のあるシャンパーニュ。軽やかな酸味がソースとリンクし、マリアージュも完璧!



続いては魚料理。この日は真鯛のソテーが提供されました。
皮目はパリパリ、身はしっとり&ふっくらと焼き上げてあり、そのままでもおいしい逸品。
しかし注目したいのが、色鮮やかなグリーンのソースです!カブをベースにほうれん草を加えたものにニンニクのピューレも添えられており、真鯛に合わせることでうまみとコクを格段にアップしてくれます。
こちらは、ロワゾー氏のシグネチャーディッシュ「蛙のもも肉のニンニクのピュレとパセリソース添え」にインスピレーションを受け、日本人の舌に合うよう再構築したものなのだとか。



「特におすすめの料理です」とブランシュシェフが紹介してくれたのが、メインの「ブッフ・ブルギニヨン」です。
いわゆる「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」のことですが、ロワゾースタイルの料理にアレンジ。通常、濃度をつけるために使用される小麦粉を使わずに、牛ほほ肉と野菜を一緒に焼き、煮込むことでソースを作ります。
そのため、味わいは濃厚ながらあっさりと食べられるのが魅力的。もちろんお肉はやわらかく、口の中でほろほろと崩れるほど。重たく残らないので、なめらかなマッシュポテトで余すことなくいただきましょう。

また、メインディッシュはプリフィクスになっており、ブルターニュ産のブルー・オマールをローストし、クリーム系のテルミドールソースで仕上げた「オマール・ブルー」もチョイス可能。希少なブルー・オマールは身が締まっているため、プリプリ食感と強い甘みとうまみが楽しめる、必食の1皿です。



大満足のコースの最後には、デザートワゴンから「ミルフィーユ」をチョイス。
ほんのり塩気を感じるサクッとしたパイ生地にバニラ風味のクリームの甘さがよく絡みます。
コースの食事をすると「デザートの時にはお腹がいっぱいで、最後まで楽しめなかった…」なんてこともありますが、こちらはパイ生地もクリームも軽い口当たりだから大丈夫。

スタートからラストまで、フランス料理の定番でありながらもイメージを覆す逸品ばかり。ロワゾー氏のキュイジーヌ・ア・ロー(水の料理)の真髄を肩肘張らずに楽しめるのではこのレストランならではの特徴なので、フレンチ好きはぜひ訪れてみましょう。


◆テイクアウトできる、サンドイッチなどのスナッキングメニューもお見逃しなく

フランスでは、サンドイッチなどの惣菜パンを含む軽食をスナッキングと呼び、ランチの定番。「ロワゾー・ドゥ・フランス」でもスナッキングと、それをいただくスペースを用意しています。

この日のスナッキングは2種のサンドイッチで、ひとつはハムとチーズのバゲットサンド。食べ応えのあるお肉と香り高いチーズがマッチし、満足感が満たされます。
また、嬉しいのがバターがたっぷりなこと。テイクアウトして家でいただくなら、トースターで温めてバターを溶かすと一味違ったおいしさが楽しめます。

もうひとつは、フレッシュでみずみずしいサーモンのサンドイッチ。新鮮なサーモンのまったりしたおいしさと、添えられたディルの甘みのある爽やかな香りが引き立ちます。サーモンがやわらかいので、ふわふわのパンとの相性が良いのもポイント!

屋外で過ごしやすい秋や春は、中庭でいただくのがおすすめ。都会の真ん中とは思えない緑に囲まれた爽やかな空間だから、のびのびとしたランチタイムを過ごせること間違いなし。


◆ブティックスペースのこだわりの品々は、自宅用にはもちろんギフトにも

お店の入り口にはブティックスペースも。こちらにはフランスのロワゾーグループのレストランやホテルで使用されているアイテムや調味料をラインナップ。厨房でも使用されているお鍋やワインオープナーなどのかなでも、ブランシュシェフのおすすめは“ティータオル”です。
「フランスの歴史の深いメーカーのもので、料理をしているときに使えるアイテム。家庭でも使え、ベルナール・ロワゾーのものなどデザインが豊富なんですよ」。

レストランでの食事はもちろん、スナッキングやブティックなど盛りだくさんのこちら。フランスのテロワールを体感しに出かけてみよう。


◆「ロワゾー・ド・フランス」の総料理長 ブランシュ・ロワゾーシェフ

実はブランシュシェフは、過去に渡日し日本料理を修行した経験があるそう。「日本料理とフランス料理は共通点がたくさんあるんです。特にロワゾーの料理は、バターやクリームを排除した料理で、懐石と共通する部分があります。また、ローカルな食材を大切にしているといことも同じですね。こちらでは、フランス各地を表現しつつ、テロワールが感じられる料理を提供しています。それに合わせてワインもフランス各地のものをご用意。ぜひ、座ったままフランスを旅する体験を楽しんでくださいね」(ブランシュシェフ)。

■プロフィール
フランス料理の伝説的シェフ、ベルナール・ロワゾーの次女として誕生し、幼少期を父の厨房で過ごす。 名門ホテル学校「ポール・ボキューズ校」を卒業した後は、父ベルナール・ロワゾーの料理文化、技術、哲学を世界中に伝え続けている。 また、日本の料亭で1年間修業を積み、フランスに帰国後、2023年に姉のベランジェールとともにオープンした「ロワゾー・デュ・タン(ブザンソン)」の料理長としてさらに経験を積んだ。 現在は「ロワゾー・ド・フランス」の総料理長を務める。





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