11月13日(水) 6:00
天皇陛下と雅子さまは、11月9日から10日の日程で大分県を訪問された。「第43回全国豊かな海づくり大会」に出席されたほか、稚魚を育てる県の種苗生産施設を視察されながら、多くの大分県民と交流された。
海づくり大会へのご臨席を無事に終えられ、全国植樹祭、国民スポーツ大会、国民文化祭という「四大行幸啓」を、今年も両陛下は力を合わせて乗り切られた。
「とくに秋は、佐賀県での国スポと岐阜県での国文祭が1週おきというスケジュールとなっており、雅子さまのご心身への負担も大きいものでしたが、大分県での海づくり大会も無事に終えることができ、宮内庁の職員たちも一様に安堵しております。
雅子さまも、訪問先に集まった数多くの奉迎者とのご交流もなさり、“国民に活力をもらった”と自信をいっそう深められているようにお見受けしています」(宮内庁関係者)
そして海の向こうアメリカでは、11月6日、トランプ前大統領が激烈な選挙戦を制し、再選を果たした。来年1月に、トランプ氏が4年ぶりに大統領職に就き、米国のかじ取りを行うことになる。
いま政府内では、両陛下の“6年越しの返礼”としての招待への期待感が高まっているという。外務省関係者は、
「トランプ氏はメラニア夫人とともに、2019年5月に国賓として来日し、天皇皇后両陛下と会見したり、宮中晩餐に招かれたりしています。外交儀礼上では、国賓として招かれた国の元首は、招いてくれた国の元首を返礼で国賓として招くことになっています。トランプ氏は令和初の国賓として招かれたわけですが、まだ米国から両陛下への招待はありません。
いま、石破茂総理とトランプ氏がどのように関係値を高めていくべきか、政権幹部も模索している状況です。招かれた当時、トランプ夫妻は陛下と雅子さまのお心のこもった接遇に感激し、両陛下のお人柄が強く印象づけられたと聞きます。
日米の“絆”をより強いものにするためにも、米国からの両陛下への招待に対しては、政府内でも期待感が高まっているのです。現在の世界情勢を鑑みても、経済や安全保障といった分野で、日米の連携に動揺はあってはなりません。両陛下のご訪米については、“早ければ来夏にも”という声も聞こえてきます」
トランプ氏が国賓として来日したとき、大相撲観戦などが日程に組まれていたが、両陛下が訪米されれば、メジャーリーグ観戦の可能性も高いという。「インサイドライン」編集長の歳川隆雄さんはこう話す。
「前回の来日で、雅子さまはメラニア夫人ととても親しい関係を築かれたと聞いています。
トランプ氏の再選は共和党への政権交代という側面もあり、大統領就任式が予定されている1月20日以降、8千人もの連邦政府職員が入れ替わるといわれています。米政府内の体制が落ち着いたころ以降に、両陛下が招かれることになるでしょう。
トランプ氏は野球やプロレス観戦も好むと言われています。両陛下が訪米されれば、MLBの試合を観戦しながらもてなされることもありえると思います」
■過去に上皇ご夫妻も“MLB天覧試合”を
天皇皇后両陛下が観戦するスポーツの試合は、「天覧試合」と呼ばれる。実際に、1994年6月に国賓として米国を訪れた上皇ご夫妻が、メジャーリーグの試合を観戦された前例もあるのだ。
「2週間以上かけて西へ向かうように、南部の都市アトランタ、東海岸のニューヨークやワシントンD.C.、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルルなど各都市を巡られた上皇ご夫妻は、中西部ミズーリ州セントルイスで、カージナルス対パイレーツ戦をご覧になっています。
7回表の攻撃が終わったところで、ブッシュ・スタジアムの大型電光掲示板に、『両陛下を心から歓迎します』とメッセージが表示され、約3万人の観衆が総立ちで、上皇ご夫妻に向けて拍手と歓声を上げていました」(皇室担当記者)
天皇陛下と雅子さまの訪米が実現すれば、前人未到の大記録を次々と打ち立てるドジャースの大谷翔平選手との対面も日程の中に設定される可能性が高いと、前出の宮内庁関係者は語る。
「雅子さまは米国で長く生活されていたこともあり、ゆかりの場所への再訪がセットされるでしょうが、何よりも両陛下によるドジャース戦の観戦が、日米親善を象徴づける最高の舞台となると思います。トランプ氏の招待であれば、そうした演出も当然あるでしょう。
大谷選手は、ドジャースの25度目のリーグ優勝、ワールドシリーズ制覇に貢献するばかりでなく、54本塁打と59盗塁というメジャー史上初の大記録を打ち立てました。両陛下も幼少期から野球を好まれていますし、大谷選手と対面されることになれば、大活躍を称えながら、日米両国民を沸かせ、勇気を与えてくれたことへの感謝をお伝えになると思います」
LAでの天覧試合が実現したとき、復活が待望される“二刀流”の大谷に、雅子さまはどのような激励の気持ちを込めたお言葉を伝えられるのだろうか。