英語が得意な親が、子どもに英語を教えるときに陥りがちな罠。子どもが英語嫌いになったときの挽回方法とは?

英語が得意な親が、子どもに英語を教えるときに陥りがちな罠。子どもが英語嫌いになったときの挽回方法とは?

英語が得意な親が、子どもに英語を教えるときに陥りがちな罠。子どもが英語嫌いになったときの挽回方法とは?

11月7日(木) 15:33

英語を学んでほしくても子どもが興味を持たなかったり、嫌になってしまったりすることも。そのとき、親にできることは?『モンテッソーリ式 英語が好きな子の育て方』(日本実業出版社)の著者で「輝きベビーアカデミー」代表理事の伊藤美佳さんと娘・聖夏さんに、子どもが英語を好きになるためにおうちでできることを聞くインタビュー最終回。
親が英語が得意でも「無理やり英語で会話」は控えて
――英語に自信があるママ・パパが気をつけたいことはありますか?

伊藤美佳先生(以下、伊藤)英語をしゃべれるお母さんやお父さんの場合、無理に英会話というか、会話を全部英語にしようとすることがあります。すると、お子さんがすごく嫌がる時期が出てくることがあるんですね。お子さんが「日本語で話して」と言ってくる時期が。

そういうときは、ゆるめること。全部を英語にするのはやめて、毎日のこのルーティンのところだけは英語にする。絵本だけは英語とか、お風呂のときは英語だけ使うとか、 シチュエーションによって英語を使う場面をわけていく んです。すると、お子さんはこのときはもう英語だけなんだ、と理解してくれるのでスムーズに英語を続けられるでしょう。

――使う場面を絞ったほうがいいのですね。

娘・聖夏さん(以下、聖夏)絵本や歌などはその限りではないと思いますが、やはり会話になると、日本語でちゃんと理解しあいたい、と思うこともありますよね。親御さんが英語でどんどんたたみかけてしまう場合は、お子さんの希望に沿ってあげることも必要です。

頭の中で言語の整理がつかないときに、「今は英語でしゃべるのはやめて」と言う子がいることは私も実感しています。思考を整理する時期にくるとそうなるお子さんは多いと思います。そこで「英語嫌いになっちゃった」と思わなくても大丈夫です。「今はそういう時期ね。わかった。」と受け止めて、ゆるめてあげる。時間が経てば、また興味を持つときがくると思うので。 英語を嫌がる時期がくるかもしれない、ということだけ念頭に置いていただければ。

伊藤あとは、 完璧を求めない ことです。ここまでやらせたいという希望が強いと、子どもが拒否反応を示してしまうので。 基本は親子で一緒に楽しむこと。 それを忘れないといいのかな、と。
子どもが英語に興味を持たないときは、まず好きなことを楽しんで

――子ども自身がなかなか英語に興味を持たないときは、どうすればいいでしょうか?

伊藤 お子さんにとって興味があるものを、ぜひ探してみてください。 例えば車が好きな子だったら、英語の車の歌を歌うだけでもいいんです。

聖夏車の英語の名前を教えてみるのもいいですね。

――日本語でまず「消防車」「救急車」などと覚えてから、英語を伝える形でしょうか。

伊藤カードなどに日本語と英語を併記してしまってOKです。一緒に書いてあると、すぐ覚えてしまうので。私が代表・教育担当を務める輝きベビー保育園では、園児の名前を英語・漢字と並べて表記していますよ。

――一緒に覚えてくれたら一石二鳥ですね。

伊藤今興味・関心があるものってすごく吸収しやすいんですね。 お子さんが今何にはまっているのか見極めて、それに英語をひもづけることが一番のポイント です。もし好きなアニメがあったら、その英語版のDVDを見るのもいいし。そうやって、興味があるものにちなんだ教材をそろえるのがいいと思います。

聖夏楽しむことが一番なので、Simon says(下記図参照)のような英語を使うゲームもおすすめです。ゲームが楽しい、それがたまたま英語だった、という感じで。お子さんが興味を持つために、どれならはまるんだろう、というものを探してみてください。
おすすめの遊び:Simon says(サイモン セッズ)

『モンテッソーリ式 英語が好きな子の育て方』(日本実業出版社)より

伊藤最初はうまくいっているように見えても、絵本や手遊びは飽きてしまうことがあるかもしれません。子どもの成長とともに興味・関心は移っていくので、それにあわせて私たちも新しいネタを仕入れるというか、グレードアップしないといけないと思います。いつも同じ歌や遊びで子どもが「もういい」となってしまったら、やり過ぎで子どものペースにあっていないのかもしれませんね。
英語を嫌がったら「ゆるめる」ことも大事

――子どもが英語を嫌がるときは、どうすればいいでしょうか?

伊藤過度にやり過ぎると、子どもはすぐに拒否反応を示すものです。そのときにはゆるめること。 「やりすぎちゃったな」と気づいて、子どものニーズにあわせてゆるめることは大事 です。強制的にやらせると英語嫌いになってしまうので。そもそも英語はコミュニケーションの手段でしかないんです。「コミュニケーションの手段として欠かせないもの」と感じてもらうために、おうちではゆるめて、外で英語を話す人と触れあう機会を作る。そうやってその人たちともっと話したかった、遊びたかったというモチベーションを上げるきっかけを作ったらいいと思います。

聖夏英語を習いに行くのがつらい、という場合はピアノやサッカーといった別の習い事で、英語を話す先生を探してみるといいかもしれません。そうすれば、好きなことについて友達みたいな感覚で話せるんじゃないかな。
英語はあくまで「道具」。学ぶ目的を伝えてみて
伊藤「何で英語が必要なの」「どうして英語で話さないといけないの」と思うお子さんもいるかもしれませんね。今、日本に住んでいると、日本の中だけで世界が完結してしまいますよね。

日本にすごく興味がある海外の人は多いです。一方で、日本の人は世界に対して関心が薄いと感じます。子どものころから世界に関心を持つことが大切です。いろんな国の旅行パンフレットを見たり、ニュースで見た国がどこにあるのか調べたり、その国の挨拶の言葉を調べたり。そうやって 小さいころから世界に関心を持つ経験を積むことも大切にしてほしい ですね。

聖夏英語を学ぶことを目的に英語をやっても、あまり楽しくないと思うんです。世界とつながることが楽しいよね、という視点で英語を学ぶ。 英語は道具として考えたほうが、お子さんも楽しい かもしれないですね。おうちで英語をやったことで「コミュニケーションができた!じゃあ、次はなんて言おうかな?」「英語の単語を調べよう」と興味も広がっていくと思います。

伊藤単純にお子さんに英語を学ばせるだけでなく、 なぜ英語を学ぶのか、という理由もぜひ伝えてください 。道で会ったら英語で挨拶をすることからでもいいので、世界のいろいろな国の人に興味を持つような働きかけも実践していただければ。世界の共通言語が英語だから、いろいろな国の人と話ができるといろいろなことが知れて楽しいんだよ、と最初に伝えてあげたらいいかな、と思いますね。

その後で、今は何を楽しく取り組めるのかな、というところを見ながら楽しんでいただけたら。 発音や単語、文法を完璧にすることを目指す必要はなくて。今楽しく取り組めることに焦点を当てていただきたい です。これは親の意識にかかっているので、ぜひお母さん・お父さんも一緒に挑戦していってくださいね。

聖夏楽しんで聞ける曲を見つけて、お母さん・お父さんも自分で楽しむことから始めてみてください。英語を話せるようになる目的として、「コミュニケーションを楽しめる」というところもそうなのですが、本当に会話できる人が増えるので、私はそこからお仕事につながったりもしました。大人になってよかったと思ったのは、何か調べるときに、日本語だと情報が限られることが、英語も加わるとぐっと幅が広がること。お子さんが成長すれば、きっとそれも体感できると思うので。今は楽しいかな、くらいに思ってくれればいいと思います。

――英語に興味を持ち続けられるように、世界に関心を持つことも伝えていきたいですね。
(取材・文:佐藤華奈子/編集:マイナビ子育て編集部)









輝きベビーアカデミ ー代表理事

伊藤美佳 先生

0歳から天才を育てる乳幼児親子教室「輝きベビーアカデミー」代表理事。幼稚園教諭1級免許、日本モンテッソーリ協会教員免許、保育士国家資格、小学校英語教員免許取得。NPO法人ハートフルコミュニケーションハートフル認定コーチ。サンタフェNLP/発達心理学協会・ICNLPプラクティショナー。

日本メンタルヘルス協会認定基礎心理カウンセラー。幼稚園・保育園、スクールで28年間、2万人以上の子どもたちと関わってきた幼児教育のエキスパート。

自身の子どもがモンテッソーリ教育の幼稚園ですばらしい成長を遂げたことに感銘を受け、モンテッソーリ教師の資格を取得。現在は、モンテッソーリ教育を取り入れた自身のスクールで幼児教育に携わるほか、全国の保育園・幼稚園・スクールで教員向けの指導もしている。著書に『モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』(かんき出版)、『引っぱりだす! こぼす! 落とす! そのイタズラは子どもが伸びるサインです』『モンテッソーリ流 たった5分で「言わなくてもできる子」に変わる本』(以上、青春出版社)などがある。









英語deDANCE 主宰

伊藤聖夏 さん

「輝きベビーアカデミー」内のオンライン教室「英語deDANCE」主宰。伊藤美佳の次女として生まれモンテッソーリ教育、輝きベビーメソッドで育つ。高校卒業後は、アメリカの大学でミュージカルを学びたいと思い、留学。卒業後は女優としてニューヨークの舞台にも出演。これまでの経験を活かし、子ども達が純粋に思いきり表現を楽しむ場所を作りたいと考え、教室を立ち上げる。 子どもの可能性は無限大。「英語deDANCE」はお子さんの可能性を最大活かせる場所であり続けたい、そう願っています 。Let’ s have a great time dancing together!

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