11月12日(火) 11:41
栃木県那須在住の作曲家石田多朗が総合音楽アレンジャーを務めた 『SHOGUN 将軍』 サウンドトラックが、世界で最も権威ある音楽賞グラミー賞で「最優秀映像作品スコア・サウンドトラック」にノミネートされた。
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グラミー賞は、音楽界最高峰の祭典で優れた作品を手がけた音楽業界のクリエイターを称え表彰する。アカデミー賞(映画)やエミー賞(テレビ)、トニー賞(舞台)と並ぶ世界中の音楽業界関係者、音楽ファンが注目する権威ある音楽賞だ。
このたび、2025年2月開催の「第67回グラミー賞授賞式」のノミネーションが発表。エミー賞最多ノミネート、史上最多受賞の快挙が記憶に新しいディズニープラス制作ドラマ 『SHOGUN 将軍』 の劇中音楽が「最優秀映像作品スコア・サウンドトラック」にノミネートさた。
本作のサウンドトラックは、アカデミー賞受賞歴を有するアッティカス・ロスをはじめとするレオポルド・ロス、ニック・チューバの世界的音楽家三人が担当。「日本の伝統音楽を劇中曲に生かしたい」という熱い要望を受け、雅楽作曲家、音楽プロデューサーでもある石田多朗が総合音楽アレンジャーを務めた。
ドラマと共にサウンドトラックは高い評価を獲得。エミー賞でもテーマ曲賞、作曲賞2部門に選出されました。雅楽、日本伝統楽器が効果的に使われた映像音楽、楽曲がノミネートされる自体が史上初の快挙と、国内外で大反響があったばかりだ。
昨年亡くなった坂本龍一の最初で最後の長編コンサート映画『Opus』の音源作品が「最優秀ニューエイジ/アンビエント/チャント・アルバム」にノミネートされたが、実はまだ無名だった石田が初めて作曲した雅楽「骨歌(こつか)」を聴き、「いいじゃん、雅楽を続けなよ」と、最初に温かい声を掛けてくれた人が坂本龍一だったのだ。
石田は「あれから10年。憧れのグラミー賞に同じタイミングでノミネートされるなんて運命を感じずにはいられません」と感動を口にしている。
映像とサウンドトラックが合体した完成版を拝見した時、雅楽が様々な場面に散りばめられていて、台詞では描かれない要素を醸し出すなど、作品の重層感に寄与できたのではないかと感動しました。世界の先端を走るアッティカスたちが、雅楽や邦楽器のレコーディングを聴く度に、「マジカル!」「すごい!」と返してくれたこともすごく嬉しく、自信につながりました。
『SHOGUN 将軍』 のサウンドトラックを通じ、雅楽をはじめとする日本の伝統音楽のクオリティ、ポテンシャルの高さは“世界に誇れる”と証明されたと思います。
現在、日本国内での伝統音楽への関心は必ずしも高いとは言えず、後継者不足や資金不足など多くの課題に直面しています。今回の反響を機に、その素晴らしさが再認識され、伝統音楽の未来に向けた前向きな取り組みが進むことを期待しています。
私自身も、西洋音楽と雅楽の融合に挑む、世界初の雅楽プロジェクトを進行中です。制作中の楽曲は、映画やゲーム、アニメなどのサントラとしての可能性を探ることを目指しています。映像やゲームを通じて若い世代の方々に自然な形で雅楽、日本の伝統音楽に親しんでもらい、日本文化の継承につなげられたら嬉しいです。
最後に、日本の伝統音楽の一流の奏者、関係者の皆さん、広大な情報の海から僕と雅楽を見つけてくれたアッティカス・ロスたちに心から感謝申し上げます。
『SHOGUN 将軍』 シーズン1は Disney+(ディズニープラス) で独占配信中。(海外ドラマNAVI)
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