11月13日(水) 15:05
観光客が集中する一部の地域で、過度の混雑やマナー違反により、地域住民の生活に影響が出たり、旅行者の満足度を低下させてしまうオーバーツーリズム(観光公害)問題。こうした影響はゴルフ場にも及んでいた。
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新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、円安や政府によるビザの緩和もあって、昨年くらいから外国人旅行者が急増している。定番の観光スポットだけでなく、日本人が日常的に利用するスーパーマーケットや居酒屋、そしてゴルフ場でも彼らの姿が見られるようになった。
「台湾、中国、韓国の方々だけでなく、今は欧米からも(お客さんが)お見えになっています。先日はスウェーデンの方がいらしていました」
そう語るのは、富士山を見ながらプレーできる富士レイクサイドカントリー倶楽部の日向智秀支配人。
オーバーツーリズム(観光公害)の象徴的存在である「コンビニの屋根にそびえる富士」の撮影名所として話題になった山梨県富士河口湖町のコンビニエンスストア「ローソン河口湖駅前店」(一時は道の反対側に黒いネットを設置していたが、台風接近時に撤去)から車で10分の距離にあるのが富士レイクサイドCC。コースでは雄大な富士山を堪能しながら、プレーできることでも知られている。
その評判は国内にとどまらず、世界のゴルファーたちにも轟いている。海外からの旅行客がプレーを希望した場合、従来は旅行会社などを通して予約するのが一般的だったが、今や自力で予約する猛者も。「最近はインターネットの予約サイトに登録してプレーされる方まで出てきました。こちらが確認のために電話したところ、登録された電話番号が国内の滞在先のホテルだったりします」(日向支配人)。
円安効果もあり、昼食ではうなぎなどの高額メニューを迷わず注文。ゴルフ用品を購入していく旅行客も多いという。
一方で外国人客による問題も起きている。コンビニ前と同じようにゴルフのプレーそっちのけで富士山の撮影に熱中。コース内に大渋滞を引き起こすケースもあるという。たまらずキャディさんが注意したところ、逆ギレされる事態などは、その象徴的なものだ。
大浴場に脱衣場が付設されていることを知らず、ロッカールームで全裸になっていて、他の客が驚く一幕も起きている。富士山目当てで海外からの富裕層が押し寄せている富士レイクサイドCCのようなゴルフ場では、言語の壁に起因する文化の摩擦が日常的に起きているようだ。
今後、富士山の見える観光地ではゴルフ場に限らず、多様な言語の説明書きや語学に堪能な人材を接客の現場に投入することが、さらに求められることになりそうだ。そこでは「ポケトーク」などの同時翻訳機が活躍するチャンスも増えてくるかもしれない。(日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗)
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