11月13日(水) 17:45
2009年設立以来、日本の子どもの貧困課題の解決に取り組むキッズドアは、「冬休み緊急食料支援」のクラウドファンディングを、11⽉12⽇(火)〜12⽉27⽇(金)の期間に実施中だ。
子どもたちの「食」と「心」、そして「未来」を支えるために、クラウドファンディングで寄付を募り、全国の子どもたちへの食料支援・学習支援を実施する。
親1人・子1人の場合1カ月の食費「1人1万円程度」が7割[caption id="attachment_1244235" align="aligncenter" width="304"] 2024年度 夏の食料支援時[/caption]
今年夏にキッズドアが行った調査(※)より、物価高騰の中で困窮家庭の子どもたちが様々な形で厳しい生活状況にあることがわかっている。
2人家族(親1人・子1人)の場合、約7割の家庭で1カ月の食費にかけられる金額が2万円台以下だった。1人当たり1万円程度で生活しているということになる。
また「子どもが風邪などの病気にかかりやすくなった」「子どもの体重が増えていない」「子どもの身長が伸びていない」といった成長や健康状態への悪影響が、所得が低い世帯ほど高い割合で表れている。
アンケート調査(※)によると「一番下の小学生は学校内の内科検診で、体重の減少でひっかかりました。満足な量を食べさせてあげられていないので申し訳ないと思っています」といった声が寄せられた。
長期休暇でより顕著になる体験機会の差
今年の夏に行った調査では、夏休み中に予定の無い家庭が半数以上を占めた。家族で出かける余裕がないことはもちろん、お金がかかるかもしれないからと、友だちと遊ぶことも我慢している子どもたちがたくさんいるという。アンケート調査(※)では「長期休みが明けると、家族で旅行に行った友達とかの話を聞いてきて羨ましそうにしているので格差を感じる」といった声があがった。
小学生・中学生で学習塾を利用することが一般的になっているが(グラフ:緑・灰色)、困窮家庭の子どもたちは利用できていない(グラフ:青色)。
例えば受験を控えている学年の場合、冬休みなどの講習だけ利用する子どもたちもいるが、困窮家庭の場合は経済的な問題でそれもかなわない。参考書など教材の購入や模擬試験の受験についても同様だ。
受験を控える時期など、進路を左右する大切なタイミングでもこうした格差はより分かりやすく表れてくる。世帯所得により学校の成績や進学先が制限されてしまうということは、生まれた環境が子どもたちの将来に直接的に影響してしまっているということになるだろう。
今回のクラウドファンディングで集まった支援は、困窮家庭の子どもたちが冬休み・年末年始を安心して過ごし、その先の未来に繋がる学習や体験機会に結び付けられるように活用する。
冬休みで給食が無くなり不足する食料を補うため、自宅に直接配送する支援を行う。配送料等手数料まで全て含め、1世帯当たり10,000円×約1,250世帯と想定し、この支援を行うために1,250万円が必要になる。
10月に児童手当が拡充されたが、それでもまだ困窮度の高い状態にある「進学を控える学年の子どもを持つ世帯(現:入学前・小6・中3・高3)」に優先して届けていく。
経済的な困窮下で栄養の摂れない乳児への支援も
またキッズドアのアンケート調査時に、現在の経済的な困窮下で「粉ミルクを薄めて乳児に与えている」という事例が数件確認された。その健康リスクの大きさを伝えるとともに、食料支援と並行して粉ミルクを自宅へ配送する支援を行う。
またキッズドアでは、困窮家庭で学びの機会を奪われている⼩学⽣〜⾼校⽣世代の子どもたちを対象とする完全無料の学習会を、東京都近郊および宮城県内で運営している。⾷事の⽀援も⾏う居場所型学習会も含め、2,000名ほどの生徒を対象に約70教室を展開中だ。
冬休みを含む下半期の運営費のうち、約700万円を各拠点の運営に充てることで、学習支援や生活支援、また体験活動の提供等を行っていく。
子どもたちに寄り添う支援を届けるキッズドアによる「冬休み緊急食料支援」のクラウドファンディングを、この機会にチェックしてみては。
キッズドア:https://kidsdoor.net
プロジェクト名:<冬休み緊急食料支援>不足する食料と学習機会を子どもたちへ届けます
※ 出典:2024 夏 子育て家庭アンケート
(江崎貴子)