11月13日(水) 12:00
日本を代表するキャラクターで、2024年で誕生50周年を迎えたハローキティ。誕生日である11月1日に、50年間にわたるハローキティの変遷をたどる『Hello Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる-』が、東京国立博物館表慶館で開幕。2025年2月24日(月・休)まで開催されている。
会場入口1974年、ある1つのグッズの絵柄から生まれたハローキティが、なぜ世界へ羽ばたくキャラクターへと成長したのか。その理由は、漫画やアニメを由来とするキャラクターはファンが作品世界に没入するものだが、ハローキティには作品背景がないため、キャラクター自らファンの日常に入り込める強みがあるからだという。ファンの暮らしや好み、時代の変化によって、大胆にスタイルを変えてきたハローキティ。同展では、その半世紀にわたるユニークな変化を、これまで発売されたグッズやファッション展示、東京国立博物館ならではのアーティストとのコラボレーション作品とともに振り返る。
エントランスホール(★)ハローキティのトレードマークであるリボンをあしらったバナーで飾られたエントランスホールを抜けると、プロローグの部屋に移る。この部屋のテーマは、「Hello! You -ハローキティは、あなたの世界にやってくる-」だ。
プロローグ「Hello! You -ハローキティは、あなたの世界にやってくる-」展示風景最初の部屋でファンを出迎えてくれるのは、ハローキティ誕生1年後にあたる1975年に発売されたぬいぐるみ。ゆっくりと回転する台座に鎮座している。
デビュー当時のぬいぐるみそして、目の前に広がるのは、バッグや小物といったファンの日常に寄り添ってきたハローキティのグッズたち。赤い壁には赤いグッズが、ピンクの壁にはさくら色のグッズが揃う。グッズの横には、ふきだしで誕生秘話などが記されている。
プロローグ「Hello! You -ハローキティは、あなたの世界にやってくる-」展示風景 プロローグ「Hello! You -ハローキティは、あなたの世界にやってくる-」展示風景現在まで続く人気柄のひとつにチェック柄がある。最初にチェック柄が登場したのは、1980年代半ば。アイドルバンド・チェッカーズが日本を席巻していた頃で、時代に敏感なハローキティはすぐにそのチェックを取り入れる。またたく間に、通園・通学バッグや上履き入れといったさまざまなチェック柄のグッズが登場した。なお、ピンクのタータンチェックは、英国王室御用達のロキャロン社が作ったオリジナルの『Hello Kitty』タータンだ。ちなみに、イギリスとのコラボも盛んな理由は、ハローキティのプロフィールである「ロンドン郊外生まれ」が関係しているという。
左:1975年に第1号商品として発売されたプチパ―ス右:木製レターラック。スマホ全盛の現代は考えられないことだが、手紙のやりとりが盛んだった時代には多くの家庭でレターラックが使われていた次の部屋が、いよいよ第1章。テーマは、「Hello! Memories -グッズ出身のキャラクターゆえに近づいたファンとの距離」だ。海外ではピンクに匹敵するほどパープル人気が根強く、35周年に作られたラベンダーシリーズとともに紫色のグッズを集結させた。またアメリカでは水色のエンジェルキティが人気で、青の壁にはエンジェルキティの他に、和柄のキティ、富士山からキティが顔を出すグッズなども一緒に紹介されている。
第1章「Hello! Memories -グッズ出身のキャラクターゆえに近づいたファンとの距離」展示風景 第1章「Hello! Memories -グッズ出身のキャラクターゆえに近づいたファンとの距離」展示風景 右上はカセットテープが収納できるビニール製ケース ハローキティ型のかわいいドライヤーのほか、テレビ、カメラ、固定電話などの電化製品も発売された(★)年齢を重ねるとキャラクターグッズに縁遠くなる人が多い中、ハローキティのファンは「キティちゃんがどこまでもわたしについてくる」とよく言う。それもそのはず、ハローキティはファッショントレンドに合わせたグッズを常に発表し続けてきたからだ。第2章、「Hello! Style -ファンの『ほしい!』に寄り添い続ける-」では、「原宿デコラファッション」、UNDERCOVERのデザインをはじめとする「ストリートファッション」の他、当時売り出しされた斬新なハローキティグッズとともに、「海外セレブファッション」や「コギャルファッション」、「モノトーンファッション」の5つのスタイルを紹介する。
原宿デコラファッション(手前)や「ストリートファッション」など(右奥)など、ファッションのトレンドに呼応したキティグッズを紹介 第2章「Hello! Style -ファンの『ほしい!』に寄り添い続ける-」展示風景より 第2章「Hello! Style -ファンの『ほしい!』に寄り添い続ける-」展示風景より第3章「Hello! Evolution-変化することを恐れない、デザインのユニークさ-」では、CMやMVなどでおなじみの映像ディレクター・牧野惇氏による『Hello Kitty展』限定の映像作品などを展示。続く第4章では、「Hello! Collaboration-変身できるから、誰にでも寄り添える-」と題し、さまざまなコラボレーションアイテムが紹介されている。
人気の「ご当地キティ」の根付けは100点以上展示されている ナイキのほか、マクドナルド、JR西日本などとのコラボレーションも紹介 東京国立博物館所蔵の名品の数々とキティとのコラボ(★)さらに第5章「Hello! Friends -キティは、いつでもあなたのそばに-」では、「わたしとキティ」を題材として、30人のアーティストが作品制作に挑んだ。ハローキティのエッセンスを思い思いの方法で取り入れた作品に注目してみてほしい。
第5章「Hello! Friends -キティは、いつでもあなたのそばに-」展示風景より(★)展示は、第6章「Hello! Tomorrow -未来に受け継がれるハローキティのユニークさ-」で幕を閉じる。第6章の出口にはCartierのウォッチの展示もあるので、こちらもお楽しみに。また、エピローグ「Hello! Tomorrow」と題した大規模なフォトスポットも用意されている。
ハローキティの文具のなかに没入できるフォトスポット(★)同展は、2025年3月7日(金)~5月11日(日)に沖縄県立博物館・美術館、9月25日(木)〜12月7日(日)に京都市京セラ美術館へ巡回する。
取材・文・撮影(★以外):横山由希路
【開催情報】
『Hello Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる-』
2024年11月1日(金)~2025年2月24日(月・休)まで東京国立博物館表慶館にて開催
公式HP:
https://hellokittyexhibition.com/
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2451381