子どもの自己肯定感を育むためにまず親がすべきこととは……?
テレビでおなじみ、犯罪心理学者の出口保行先生が、親の「危ない声かけ」「よりよい子育て」を漫画で解説。
1万人の非行少年・犯罪者と面接・心理分析してきた犯罪心理学者の出口先生の著書『マンガ 犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』(SBクリエイティブ)では、
親がよかれと思ってかける言葉の危険性
を事例とともに漫画でわかりやすく解説しています。
前回に続き、第4章「何度言ったらわかるの」が自己肯定感を破壊するより、出口先生の解説をお届けします。
「何度言ったらわかるの」が自己肯定感を破壊する(2)
心に届く褒め方のベースにあるのは観察
少年院の先生は、非行少年のことをまず肯定することから始めます。もちろん、非行そのものを肯定することはできません。その子自身を肯定するのです。あまりに低い自己肯定感を高めてあげることが更生への一歩になります。
肯定するというのは、褒めちぎることではありません。
その子自身を認めるという受容的な態度で接するということ、それから些細なことでいいので褒める、認める言葉をかけることです。少年院の先生は本当にそれが上手です。
たとえば何か作業をやらせたときに「昨日よりうまくできているね」「ここを工夫したね」など、小さなことでも変化や成長を見つけて声をかけます。非行少年たちは褒められ慣れていないので、最初はいい反応は見せません。どんな顔をしていいかわからず、どう答えていいかもわからないのです。
でも、確実に心に届いています。大げさに褒められると逆に「自分をコントロールしようとしているのでは」と不信感を持つような子も、さりげないポイントをついた褒め方をされるとイヤな顔はしません。認めてもらえた感じがするのでしょう。
ポイントをついた褒め方ができるのは、よく観察しているからです。本人は何も言いませんが、「今日は自分からこう動いてみた」「ここをちょっとチャレンジしてみた」というポイントがあるので、それを見つけてすかさず声をかけるのです。「すごいじゃん!」と褒めちぎる必要はありません。「ここをチャレンジしてみたんだね」と言うだけで、認めてもらえたと感じます。
本人なりの努力や成長を認めることで、自己肯定感は高まるものです。
続きは書籍でお楽しみください。
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