ポール・メスカルとデンゼル・ワシントンが語る超大作『グラディエーターII』

ポール・メスカルとデンゼル・ワシントンが語る超大作『グラディエーターII』

11月13日(水) 12:00

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映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』がいよいよ15日(金)から公開になる。本作は、本作はローマ帝国がヨーロッパの覇権をとっていた時代を舞台に、剣闘士(グラディエーター)たちが真の自由と勝利を求めて戦う様を壮大なスケールで描いた作品だ。

本作は2000年公開のオスカー受賞作『グラディエーター』のその後が舞台だ。ローマ帝国の侵攻によって愛する者と故郷を失ったルシアスは、奴隷の身になるが、謎の男マクリヌスに出会い、剣闘士に転身。復讐を果たそうと戦いを続ける中で、自身の運命と向き合うことになる。

前作はラッセル・クロウが主演を務め、高い評価を得た。そして本作では舞台の世界で研鑽を積み、『aftersun/アフターサン』でオスカー候補になったアイルランド出身の新鋭ポール・メスカルが主演に抜擢された。

「俳優の仕事をする際には、どんな作品であれ、常にプレッシャーを感じています。演技することや、作品や役をつくることが本当に好きですから、なおのことプレッシャーを感じるのです。

俳優であれ、画家であれ、アーティストはみなそれぞれに“スタイル”があります。もしかしたら、観客はアーティストに何らかの変身、特に物理的な変身みたいなものを期待するのかもしれません。でも、僕はどんな題材であっても、どのような撮影規模であっても、自分のスタイルにコミットしたいと思っています。ですから、この映画が大作だとか、どんな撮影規模だとか、そういうことは演技する時には一切考えません。自分が脚本を読んだ時に、感情面で、クリエイティブの面でどうやって向き合ったか、そのことだけを考えています」

彼は入念にトレーニングと準備を重ね、撮影に臨んだ。劇中のルシアスは戦いに巻き込まれ、すべてを失い、剣闘士として命懸けの戦いを続け、やがて自身の過去と向き合って葛藤する。彼の置かれる立場がダイナミックに動いていくドラマが本作の大きな見どころだ。

「ルシアスは最初に登場した時には帝国を憎むコミュニストのように思えるかもしれません。しかし、彼のローマ帝国に対する怒りは、愛する人を殺されたという極めて個人的なものです。その後、彼は自分が家族に捨てられたと思っていることが判明し、それでも彼は故郷に戻ります。運命と向き合う物語や、自らの血を継承しなければならない責任感の物語が描かれているのです」

そんなルシアスを奴隷として買い、剣闘士としてローマに導くのが、ワシントンが演じるマクリヌスだ。彼は商人として振る舞っているが、皇帝のことを憎んでおり、皇帝の座を奪うのではなく、皇帝を陰から操りたいと思っている。ワシントンは「そうなんです。彼が皇帝を“操る”ことに面白みを感じました」と振り返る。

「マルコムXの言葉を引用させてもらうと“権力を保持するためには手段を選ばない”ということです。ローマ帝国と現代のアメリカはだいぶかけ離れた国ですが、すごく似通っている部分があります。それは日本でも中国でも、韓国でも同じなんです。どの国でも権力を保持するためには手段を選ばないのです。それは時代を経ても変わらない真理だと思います。そして、マクリヌスは権力の“黒幕”になりたいと切望している。自分が権力の舞台に立ってしまったら、命を狙われる危険性があるからです」

本作では闘技場での苛烈な戦いが描かれる一方で、主人公をめぐる運命のドラマ、帝国での緊迫感のある陰謀劇が同時に描かれる。本作を描くには、古典と歴史の知識があり、大規模な撮影現場を率いるスキルがあり、俳優から信頼を集める才能が必要になる。本作ではそのすべての才能を持つ巨匠リドリー・スコットが監督を務めた。名優ワシントンは彼を”グランドマスター”と呼ぶ。

「どの映画監督も古典や歴史の知識を持っていてほしいですし、少なくとも僕が出演する映画の監督はそうであってほしいと思います。リドリーは映像の世界で60年以上のキャリアを持つ人で、AIもCGもない時代から映画監督として活躍していて、いまも活躍しています。彼の作品に出演すると、我々は巨匠と一緒に仕事をしているんだなということがわかるし、この人に任せて安心なんだという全幅の信頼があるんです。

リドリーの撮影手法で興味深いのは、彼はロングレンズを使うので、アップを撮影している時でもカメラが俳優の目の前にあることはないんです。僕が最初に出たテレビ映画では僕の目の前、ギリギリまでカメラが来て『さぁ演技して!演技して!自然に!』って言われて(笑)僕の顔がどんどん歪んでいくんですよ(笑)

でも彼は俳優が演技に集中できる環境で撮影してくれる。だからこそリドリーはポール・メスカルのような演劇の世界でちゃんとトレーニングを積んできた俳優を起用するんだと思うんです。リドリーはいろんな技術の変遷を60年にわたって観てきているわけですから、豊富な経験の中から編み出された手法で映画が撮られているわけです。彼はグランドマスターだと思います」

巨匠の下で俳優たちが持てる力を存分に発揮した本作。そのスケールは壮大、ドラマは豊かで緊張する場面の連続だ。集中して作品に入り込める映画館で“体感”したい1作だ。

『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
11月15日(金) 公開
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES.

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