11月12日(火) 10:00
<ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン事前情報◇11日◇ペリカンGC(米フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
米国女子ツアーは、今週14日に開幕する「ザ・アニカ・ドリブンbyゲインブリッジatペリカン」と、次週の最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」(11月21~24日)の残り2試合。やはり、この時期になると賞レースを見据え選手たちの“駆け引き”も激しくなっている。
まず『プレーヤー・オブ・ザ・イヤー』は、すでにネリー・コルダ(米国)で確定。今季6勝を挙げたコルダだが、その一方でケガにも悩まされ出場試合数はここまで14大会に留まっている。年間最少スコアの“ベアトロフィー”については、規定ラウンド数の60(五輪を含めて70)に届かず、現在2位につけているものの受賞資格はない。
そのベアトロフィーでトップを走るのはジーノ・ティティクル(タイ)で『69.54』。しかしそのティティクルも、今週欠場するため、同じく規定ラウンド数に届かず資格を失った。これは年間を通じて最少のスコアでプレーした選手に与えられる、最も“名誉”ある賞ともいえる。ティティクルは今週プレーしていれば資格を得られたのが、それを放棄する形になった。
実はこのティティクル、『AONリスクリワード・チャレンジ』でもトップを走っている。同賞は年間を通じてチャレンジングで戦略的、かつリスクを伴うホールでいかに好スコアを積み上げたかを競う賞だ。毎試合1ホールが設定され、同ホールでのスコアが反映されるのだが、ティティクルが現在-0.900で、2位のユ・ヘラン(韓国、-0.833)、3位のイン・ルオニン(中国、-0.813)をリードしている。
同賞は今週終了時点で確定。ティティクルは出場しないため、スコアを落とす心配はなく、後続の2人が逆転するには、規定ホールで『イーグルとアルバトロス』を獲る必要がある。ちなみに同賞受賞者には100万ドル(約1億5000万円)を授与。ティティクルが、ビッグマネーを手にする可能性が極めて高い。
一方、ベアトロフィーはティティクル、コルダが消えたため、先週の「ロッテ選手権」を終えて70.04の3位に浮上したユ・ヘラン(韓国)が有資格のなかでトップに立っている。それを4位で追いかけるのが、70.05の古江彩佳だ。古江も今週の試合は欠場、同賞は最終戦終了まで続くため、日本勢初受賞への戦いは続いていく。
また他の日本勢では、『ルーキー・オブ・ザ・イヤー』のトップに西郷真央が立っている。934ポイントで、2位のイム・ジンヒ(韓国)の788ポイントを146ポイントリード。今週、西郷が今週予選通過を果たし、かつイムの結果次第で“新人賞”に輝く可能性もある。西郷がもしこのタイトルを手にすると、日本勢では1990年の小林浩美以来2人目の快挙となる。(文・武川玲子=米国在住)