※このコラムは配信中のNetflixリアリティシリーズ「あいの里 シーズン2」エピソード1〜8までのネタバレを含んでいます。
■世界一キラキラしない恋リア、あいの里!
数多の衝撃を恋リア界に投げ込み、唯一無二の立ち位置を確立した衝撃作品、「あいの里」が帰ってきました!「あいの里」は恋を求める男女が人里離れた古民家で共同生活を行い、意中の人ができたら鐘を鳴らして告白。成立すればカップルで、フラれれば一人で退去、というルールの恋愛リアリティーショー。
待望のシーズン2も、相変わらず参加メンバーはとにかく濃い!年代は30代から60代まで幅広く、独身、バツあり。子どもひとつ話題にとっても、すぐにでも産みたい者あれば、すでに子どもがいる者あり。はたまた、子どもを産めなくなってしまったので、お互いのためにも子どもを希望しないパートナーが欲しい、など、一通りの人生経験がある年齢なだけあって求めるものは多種多様。
出てくるワードもいびき、全身脱毛、老眼、不妊治療、介護、持病、卵子凍結、五十肩と、
こんなにもキラキラしない恋愛リアリティーショーが他にあるでしょうか?人格もこの長い人生で出来上がりまくってるので、
個性と癖のぶつかり合いがすごい……。それぞれが着飾ることなく現実と素をさらけ出してくれるので、新たな視点を投じてくれる、非常に学びが深い大人のバラエティです。
■介護不要!を武器に戦う、35人斬り昭和のプレイボーイ
他の恋リアにはない、唯一無二の自己アピールが見られるのも、あいの里の面白さ。
吸いも甘いも経験した人生経験豊富メンバーだからこそ、出てくる行動がリアルであり新鮮なのです!
元商社マンのマンハッタン(59)は、総合商社に就職したのち、終身雇用が当たり前の時代に30代で退社。マンハッタンに移住し、自分のやりたいことに挑戦し続けているというバイタリティ溢れる男性。
若い頃には赤いシャツにB’zの稲葉さんがライブでしか履かないような丈のホットパンツを合わせ、赤い車を乗りこなすなど、もう人生を謳歌しイケ散らかした人生を歩んできました。
そんな彼もここでは、
「自分の親は施設に入る予定!自分も持病はなく薬も飲んでおらず健康である」をアピールにしながら、
おじさんならではの謎のうめき声と共に、常時庭をゾンビのように徘徊している絵面が恋リアではなくホラー映画すぎて。「当面の介護の心配がない!」を売りにする恋リア、やっぱりあいの里は唯一無二。女性へのアプローチもバブル期を彷彿とさせるマンハッタン。感謝をウィンクで伝えたり、手にキスをしたりするなど、
昭和のトレンディ俳優風なのが、彼の生きてきた時代のモテ男ムーブを表していて、また面白い。おそらく若い時にもめちゃモテてたんだろうという経験人数35人のプレイボーイの片鱗を感じさせます。
■熱血男の切り札。北海道と東京の物価の違いに撃沈
北海道で音楽教室を営むギタりん(52)は真っ直ぐすぎるほどに真っ直ぐな男性。彼のアプローチ方法は平成の名作、「僕は死にましぇーん!」の101回目のプロポーズの武田鉄矢を彷彿とさせる、とにかくあたって砕けろ精神を地で行く熱血スタイル。
受け手がどう思うかを考えて戦略立てるというよりも、今自分ができることを相手にぶつけてアプローチする直球体当たりのパワープレイ。そんな彼は切り札として、「漢は甲斐性」「貯金しかしてこなかった人生」と、
財産と堅実さをアピールするために2,000万円の預金通帳を持参してやってきました。
そんな彼が気になるのは舞台俳優・ちぃ(40)。井上真央を彷彿とさせるかわいらしいルックスの彼女は婚活ガチ勢。あいの里に参加するために加入していた結婚相談所を休会して参加。「あいの里を出る時にはすぐ結婚できるくらい気持ちが確信できるまで見極めたい」という意気込みで参加。
そんな彼女の
「豊洲に住みたい」の一言で、マンション70平米相場8,000万、新築タワマンとなれば億越えの豊洲の不動産相場を前に、ギタりんの預金通帳2,000万円は撃沈。ゲームの流れを変えるジョーカーとなるはずだった切り札が、無惨にも崩れ落ちました。
東京と北海道の物価の差に愕然とするも、めげずに自作の歌など気持ちでちぃにアピールしていきます。
■高齢出産の問題と、タイムリミットを抱えるちぃ
しかし皮肉にもちぃの気持ちは、サロン経営美容師・あきぽん(44)に。この恋もまっさらな独身初婚同士なら色々話が早いのでしょう。しかしここはあいの里。置かれている状況も求める条件もさまざま。
初婚のちぃは彼女は婚活女性が誰しも意識するリミットに悩みを抱えていました。
ある程度の年齢を経た女性が必ず意識する、高齢出産問題です。
それだけに留まらず、卵巣嚢腫を患った関係で将来の妊娠に備えて
卵子を凍結しており、その保存期限が43歳まで。
自分の子どもを産むことを夢見てきた彼女が、あと2年の間に交際、結婚、不妊治療まで工程を進めていなければならないことを思うと、
彼女の焦る気持ちや、「あいの里を出る時には結婚できるくらい〜」という強い気持ちにも共感ができすぎます。しかもその大切な適齢期の一部を、浮気グセのあるクソ男に10年も費やしてしまったという過去も。クズ男と分かりながら離れることのできない“恋する女子の弱さ”も、自分の経験と思い出にブッ刺さる人も多いのでは……。
■恋は盲目。違和感のかけらをトキメキで蓋をするちぃ
しかし、
彼女が気になるあきぽんはバツ2で、すでに子どもが3人。そのため、あいの里には結婚よりもパートナーを探しにきており、子どもを望む気持ちも初婚のちぃとは落差がありすぎます。
ましてや現実的な話をすれば、すでに3人分の養育費を払っているのでしょうから、これ以上……となると金銭面でも負担が増えることでしょう。
ちぃの希望を踏まえれば、すでにこの条件を見ただけで、あきぽん絶対に選ぶべき相手ではありません。それでも、
ときめきのままに身を任せ、「相手を落とす」のではなく、「自分の結婚条件」をとにかくぶつけるちぃ。そのムーブメントは完全に婚活。一方で、能動的に人に絡みに行ったり、前に出ることをせず、ちぃからのアプローチには美容師で培った接客技術により当たり障りのない会話をするため、他のクセつよメンバーに比べて秘めた個性が大きく表面化しないあきぽん。
「子どもは3人いるけど会ってない」「経験人数を濁す」といった、少し違和感を覚える点も、恋に落ちているちぃはポジティブ変換して捉えているよう。詰まるところ、ナンパしまくっていて経験人数は分からないという話も、
「経験人数をパスしたのは嘘をつきたくないから。誠実!」と、嘘をつかなかった点のみにフォーカスし、ナンパの話は深掘りしない。婚活の軸として「子どもが絶対に欲しい」という希望があるならなおさら、
あきぽんが実の子どもに会っていない点や養育費の問題は突っ込んでおいた方が安心では?と、「条件<<<恋のときめき」に飲まれる婚活女子の様が、これまたリアル。結局ときめきには勝てないのです。
■長年望み続けた条件を超えた恋
ちぃは積極的にあきぽんを誘い、包み隠さず自分の正直な気持ちをたくさんぶつけ「やるべきことは全て終わった」とシーズン2初の鐘を鳴らしに行きます。
「子どもができなかったら人生の軌道チェンジをして、それを楽しく考えていけると思う。あきぽんとの未来を考えたらワクワクしかない。愛しています」と、
自分の夢であり、ここにきた目的とも言える「子どもを持つこと」を超える出会いを見つけたちぃ。そして、それに対するあきぽんの答えは
「(夢である出産に対して)2人でできることはやって、相談して一緒にいれたら」と、出産に協力的な形でのイエス。ちぃ、あきぽんそれぞれが、
自分の希望を差し置いて、お互いの望みに寄り添う形で応え合うという感動のカップリング……。「結婚できれば誰だっていいというわけではないけど、年齢とともに抱える焦り」という婚活女子に刺さりすぎる状況で、
条件を超えるトキメキを見つけたちぃ。どうかお幸せに!
■あやかんの攻撃はいつまで続くのか
その他にも、
活躍が「にこるんの母」という出オチ状態になっているパチゆみや、なぜシラフかつ唐突すぎるタイミングでその異名を伝える理由があったのか意図が一切分からない、
性欲おばけ・マキオ。さまざまなコンプレックスを抱え、人との距離感の計り方や感情のコントロールがちょっと不器用なあやかんVS恋愛慣れしまくってる陽キャ漫画家・たみフルの、隊長をめぐる恋など、次回も目が離せません。
「職質されたことある?変な人だなって通報されたりとかなかった?」と、ネギ事件以降、あやかんからギタりんに対する攻撃の手が止みませんが、果たしてこの怒りは何話まで引きずるのかも見どころです。
みんなの体調が崩れる前に、あのひもじすぎる食事が改善されますように……。
(やまとなでし子)
Netflixリアリティシリーズ「あいの里 シーズン2」世界独占配信中作品ページ:https://www.netflix.com/jp/title/81521365
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