今回のお仕事ハックは「大学生のアルバイトにどこまで任せる?」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
大学生のアルバイトにどこまで任せる?
私の職場では大学生をアルバイトで雇っています。基本的に発送業務やスタジオの予約など事務作業をお願いしているのですが、ある日「これって僕以外でもできますよね?僕はもっと制作に関わる仕事がしたいです」と相談されました。
アルバイトの子にクライアントに直接関わる仕事を任せるわけにもいきませんし、今任せている仕事もミスが多くやる気を感じられないのです。厳しく指導するべきか、大目に見て業務を任せてみた方がいいのか悩んでいます。どうするべきでしょうか?(制作職/30代)
「これって僕以外でもできますよね?」と言いながら、その仕事でミスが多い。
……できてないやんけーーーー!(ツッコまないの無理だった)
と、そのバイトくんが自分を客観視できていないことも問題なのですが。そもそもバイトは、限定的な作業をおこなうために雇われているのであって。
バイトの範疇を越えた仕事をしたいなら、違う形態での雇用に応募するか、バイトでの働きぶりを通じてアピールするしかないですよね。
そんな人のお手本となるような事例があります。
今年、ココイチのフランチャイズ店を運営する会社の新社長に、22歳の諸沢莉乃さんが抜擢されました。高校時代から7年間、ココイチの店舗でバイトを続けてきた女性です。
普通に考えると、職歴が長い年上社員たちとの間に軋轢が生じそうですが、不満の声は全くなかったそう。
きっと同じ職場で働いている人から見ても認めざるを得ない、
むしろ尊敬してしまうくらいの働きぶり
なのでしょう。
実際、彼女は現場、つまりお店で働くのが大好きで、社長として取締役の面々と会議に出席したり経営を学んだりしながら、今も店で調理や接客などの仕事をバリバリ続けているそう。
バイトは、誰にでもできる仕事と言われがち。続ければできるようにはなる、という意味かもしれませんが、
実際は誰がやるかによって「でき具合」が天と地ほど違ってきますよね。
だから、前述の大学生くんのように任された仕事もできていないのに別の仕事をしたいと要求する人もいれば、素晴らしい仕事ぶりで社員や社長に抜てきされる人もいる。
後者は、自分なりの工夫をしながら仕事に取り組んだ人。指示されたこと以上の仕事を自発的にした人。頭や手や足を、他の人より動かした人です。
それができるようになるためのマインドとして、思い出したことがあります。
「社長は自分の店の前にゴミが落ちていたら必ず拾う」。
仕事ってそういう気持ちでやらないとだよね……と、自戒を込めて友達と話していたのです。
店内にゴミが落ちていたら拾うのは当たり前。じゃあ店の前にゴミが落ちていたら?「店の前」がどこまでを指すのかも含め、たぶん人によって判断が違うでしょう。でも社長なら、目についたゴミは拾うはず。
つまり、仕事に向き合う時、「自分は社長だ」と。極端に言えばそういうマインドを持つことで、仕事や行動は変わってくるよね、と。
そう考えると、前述の諸沢さんも無意識の社長マインドを持つ人なのかもしれません。
大学生バイトくんには、
「もしあなたがこの会社の社長だったら、誰にでもできる仕事と言いながらミスが多い人に、制作の仕事を任せられる?」
と聞いてみてください。
「……向いてそうなら、任せます」と言ってきたら、こう返しましょう。
「向いてる向いてない以前に、まずは任せられた仕事をきちんとやってください。それが社会人すごろくの1マス目です!」
と。
言うのシンドイと思いますが……バイトくん不貞腐れるかもしれませんが……誰かが言ってあげる必要があるので。
ただ、前向きな気持ちは失ってほしくないですよね。なので、ココイチFCの事例も添えるとベターかも。頑張れば、何マスも進めることもあるんだよ!と。
Point.
・アルバイトの範疇を越える仕事をしたいなら雇用形態を変えるか仕事ぶりでアピールするしかない
・バイトの仕事は誰にでもできると言われがちだが、実際は人によって大きな差が出る
・最近では、仕事ぶりが評価されてアルバイトから社長に抜擢された事例もある
・まずは任せられた仕事をやり遂げることが社会人の第一歩だよと指導しよう
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
関連リンク
・
【第4話】溺れてしまった
・
セックスの練習方法とは?練習のメリットと悩み別・対処法
・
【vol.8】いつでも切れる関係