11月12日(火) 6:00
遠くに富士山も望める千葉県君津市内の一軒家。3年前に急逝した名優・千葉真一さんの自宅だったこの建物で悲劇は起こった。
「10月下旬に、生前の千葉さんの右腕として知られていたMさんの遺体が発見されたのです。ガスを吸入しての自死だったと聞いています」
そう語るのは千葉さんとM氏の知人だ。
「別の業界で働いていたMさんが昔から大ファンだったという千葉さんのもと、芸能界で働くようになったのは10年以上前のことです。運転手兼マネージャーをしていましたが、どんなに遅い時間でも千葉さんから連絡があれば、Mさんが迎えにいっていました。
そんな実直な性格で信頼され、千葉さんだけではなく、息子の真剣佑さんからもいつしか“家族同然の存在”と見なされるようになったのです」
千葉さんの勧めもあり、かねて海外進出を目指していた新田真剣佑(27)は’21年4月に大手芸能プロダクションを退社。同年6月に真剣佑の頭文字を冠した事務所「エム&リーヴス」が創設され、所属することになったが、事務所の代表取締役を務めたのがM氏だった。
「その2カ月後の8月に千葉さんが急逝しています。当時海外で撮影に臨んでいた真剣佑さんにとっては、大変なショックだったでしょう。Mさんは60代で真剣佑さんと父子ほども年が離れており、Mさんは千葉さん逝去後、さらに真剣佑さんを気遣うようになったのです」(前出・知人)
ハリウッドでは映画『聖闘士星矢 The Beginning』、Netflix配信のドラマ『ONE PIECE』などに出演し、存在感を示してきた真剣佑。
「Mさんも日本から、真剣佑さんのサポートを続けており、彼の成功を本当に喜んでいました」(前出・知人)
だが俳優活動のすべてが順風満帆だったわけではない。
「’22年には、ガーシーこと東谷義和氏が有名人たちの真偽不明の秘密を“暴露”するという一連の騒動が起こり、真剣佑さんもそのターゲットの1人になってしまいました。
M氏は、その際も所属事務所の社長として週刊誌の取材に応じ、『まったくの事実無根です。反論するとさらにあることないことを言われ、こちらが傷を負うだけですが、それでも泣き寝入りするわけにはいきません』などと、東谷氏の主張に対して真っ向から反論し、真剣佑さんを“体を張って”守ったのです」(スポーツ紙芸能担当デスク)
だがM氏の体を病魔がむしばんでいた。M氏と長年の交流があった俳優の若山騎一郎(59)を本誌が取材したところ、重い口を開いた。
「Mさんは以前から心臓病や糖尿病を患っており、3年前には新型コロナに罹患しました。その影響もあって、腎臓の機能も悪化し、週3回人工透析を受けていたのです。
実はMさんが亡くなる数日前に、“いっしょに飲みたい”という連絡をもらったのです。
すし店でごちそうしてくれたのですが、食事中も『体調がつらくて死にたい』と弱音を吐くので、『医者から何か言われたの?』と聞くと、『いや、そういうわけではないけれど……』と言っていました。
別れ際にタクシー代も渡されて、『今日はありがとう』と……。まさかこんなことになるとは想像もしていませんでしたが、いま振り返ると、Mさんはいつもの様子とは明らかに違っていたようにも思います」
M氏が最期の場所に選んだのは、思い出がたくさんつまっていた千葉さんの自宅だった。
「千葉さんのお気に入りだった富士山がよく見えるアトリエでMさんは発見されたのです。
千葉さんが愛用していたソファに座っていたそうです……」(前出・知人)
「エム&リーヴス」の関係者は、本誌の取材に次のように語った。
「Mの体調が悪かったのは事実です。亡くなる前も、階段の上り下りをするだけで、しんどそうでしたので、事務所の人間たちも心配していました。真剣佑もMの体調については心配していたと思います。
彼は(M氏の訃報に)とても驚いていました。彼はいま海外で撮影中ですので、詳細は伝えていませんが……。Mは真剣佑のハリウッド挑戦を応援していました。Mにとって、真剣佑は“息子同然”だったと思います。真剣佑にとっても、千葉さんに続いてMを失ったことは、とても痛手でしょう」
ハリウッドで羽ばたき続ける真剣佑を、千葉さんとM氏の“2人の父”は天国から見守り続けている。