11月10日(現地時間)。ラ・リーガ第13節、レアル・ソシエダ対バルセロナ戦の撮影取材のため、スペイン北部バスク州サン・セバスチャンを訪れた。
ソシエダに所属する久保は、かつて下部組織でプレーした古巣を相手に、先発に名を連ねた。前節のセビージャ戦、週中に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)ヴィクトリア・プルゼニ戦に続いて、公式戦3試合連続での先発出場となった。
前半序盤は、好調を維持している首位のバルサに押される展開が続いた。前半13分には、ゴール前のミスを相手CFロベルト・レバンドフスキに押し込まれ、肩を落とすシーンがあったが、VARによりオフサイドとされてゴールが取り消され、難を逃れた。
そんななかでソシエダは、久保のいる右サイドからの攻撃で徐々にリズムを作っていった。30分には、久保がカットインでボックス内へ侵入、ふたりをかわして低弾道のシュートを放つ。
決勝ゴールを決めたシェラルド・ベッカーに駆け寄る久保建英
勢いに乗ったチームは前半33分、相手GKのミドルパスを弾き返すと、シェラルド・ベッカーが守備ラインの裏に流れたボールに反応し、冷静にゴールへ流し込み、先制点を奪った。首位のチームへの先制点に、選手たちは歓喜の輪を作り、スタジアムは歓声に包まれた。
後半はバルサの猛攻にさらされる時間帯が長くなったが、枠内シュートを0に抑える集中で守りきり、1-0の勝利を収めた。今季、なかなか本拠地で勝ち試合をファンに届けることができていなかったソシエダだが、バルサ相手にホーム2勝目を手にした。
ソシエダの勝因、そしてバルサの敗因のひとつに、好調バルサを牽引する17歳、ラミン・ヤマルの負傷欠場の影響はあった。また、この試合における久保の守備時の戦術変更も要因のひとつに挙げられる。
4-3-3の右サイドの久保は、守備時には相手SBのマークのため自陣深くまで戻らざるを得ない場面が増える。だがこの試合では、守備時に相手CBにプレスをかける役割を任されており、4-4-2の2トップのようなポジションを取り、相手守備陣に向かって前向きにプレスをかけ続ける場面が多く見られた一方、自陣深くまで戻っての守備から解放された。
その結果、久保はさまざまなアイデアと技術を発揮し、多くの決定機を作り出した。
バルセロナ戦後、カメラに向かってVサインをする久保建英
フル出場した久保は試合後インタビューで「今日は魂でプレーしました、そしてソシエダのユニフォームで戦った一番の試合だったかもしれません」とコメント。また、ファン投票で選出されるこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。
このあと久保は日本代表として、W杯アジア最終予選のインドネシア戦、中国戦に臨む。
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