久保建英は「スーパーゲームをやってのけた」 バルサ撃破の活躍を地元メディアが激賞

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久保建英は「スーパーゲームをやってのけた」 バルサ撃破の活躍を地元メディアが激賞

11月11日(月) 16:45

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ゲームMVPに選出された久保建英が、カップ戦も含めて7連勝を誇っていたバルセロナを叩き潰した。言うまでもなく、勝利を挙げたのはレアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)だが、攻守をけん引していたのは日本人、久保だった。これがどれだけの大仕事だったことか――。

11月10日(現地時間)、サン・セバスチャン。ラ・リーガ第13節で、ラ・レアルは本拠地にバルサを迎え、1-0で金星を挙げている。

久保は立ち上がりから右サイドで決定機の起点になるなど、このゲームに対して際立った覇気を漲らせていた。果敢なプレスバックで危険なラフィーニャを潰すと、イニゴ・マルティネスには体ごとぶつけられるヘディングで倒される。彼が攻守で試合に入り込んでいる象徴的場面だった。

そして、ロベルト・レバンドフスキのゴールがVARのオフサイドで取り消されたあと、久保は無双に入る。

19分、久保は右サイドでイニゴと1対1になると、一瞬の緩急で縦に抜け出し、右足で折り返す。ミケル・オヤルサバルのシュートは外れたが、ゴールも同然だった。29分には、GKアレックス・レミーロのロングキックを右サイドでブライス・メンデスがフリック、それを受けた久保がフェルミン・ロペスのマークをはがし、前に運ぶ。追いつかれたことで一度預けたボールのリターンを受けると、今度はアレハンドロ・バルデをかわし、カバーのペドリも外し、放った左足シュートはGKペーニャに防がれた......。

バルセロナ戦にフル出場し、勝利に貢献した久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

バルセロナ戦にフル出場し、勝利に貢献した久保建英(レアル・ソシエダ) photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA



バルサの守備陣は久保に魔物を見ただろう。左サイドバックのバルデは、久保の俊敏さとテクニックのコンビネーションにまったくついていけていない。イニゴはステップひとつで手玉を取られていた。フェルミンも追いすがるのが精いっぱいだった。

「スターだった」

スペイン大手スポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ紙』はほとんど手放しの称賛だ。

「タケ(久保)は右サイドで、常に危険なシーンを作り出していた。バルデに存在を思い知らせていたと言える。そして何より、試合の流れを完璧に理解することによって、チームにとって最も必要なプレーを追い求めることができた。すばらしい仕事ぶりだった」

【バルサに猛攻のスイッチを押させなかった】久保が作った流れが、味方に好機を与える。

33分、バルサのGKペーニャがやや慌て気味に蹴ったボールを、ラ・レアルの選手が敵陣で跳ね返すと、ルカ・スチッチが頭でそらす。裏に走り込んでいたシェラルド・ベッカーがそれを受け、ファーサイドに流し込んだ。ベッカーはこの瞬間まで消えていたが、久保のサイドに守備が偏っていたことで間隙を突くことができた。

前半終了間際、相手のパスミスを拾った久保は敵陣へドリブルで入り、完璧なタイミングとコースでベッカーへキラーパス。最高のカウンターだったが、ベッカーはこれを決められない。アディショナルタイムには、久保が再びイニゴと1対1になると、簡単に抜き去り、ブライスへスルーパス。これも決定機だった。

「タケ(久保)はスーパーゲームをやってのけた。日本人はセンセーショナルで、ボールを持つと速く、選択においてインテリジェンスに溢れていた。イマノル(・アルグアシル監督)のチームの勝利に決定的な存在になった」

スペイン大手スポーツ紙『マルカ』の記述には、敬意すら滲む。

後半立ち上がりも、久保は右サイドから左足のパスを、逆サイドのベッカーに通す。チームとしてデザインされたキックオフからのサインプレーだった。ただ、ベッカーはこれも決められない。

60分過ぎ、ラ・レアルのアルグアシル監督は一気に4枚替えを選択した。消耗も考えての交代だったが、最後まで相手の目を覚まさせない、という狙いで、状況を大きく変えないことも重要だった。そこで、相手の脇腹に刃を突きつける久保という存在を最後まで残している。

67分、久保はバルデとの1対1を制し、バックラインの前を横切るパス。これを受けたブライスがゴールに迫る。この決定機も決まらなかったが、こうした攻め手があることで、バルサに猛攻のスイッチを押させなかった。

この日、最強を誇ってきたバルサは混乱が目立っている。GKペーニャは、久保が近寄るだけでキックを乱し、自爆しかけていた。イニゴはいつものことだが、うまくいかないことに苛立って、久保の足を思い切り踏んづけ、イエローカードを食らっている。バルデはマーキングの責任から逃げるようなところがあり、敗軍の兵の表情だった。

バルサが不振だった理由は、攻撃の軸であるラミン・ヤマルが足首の打撲などでベンチ外だったことはあるだろう。ヤマルがいるだけで、バルサはラ・レアルを押し下げることができたはずだ。それによって攻撃の選択肢が増え、主導権を握れただろうが......。

〈バルサにヤマルが不在で、ラ・レアルに久保がいた〉

それが、この一戦の真実か。

この勝利で、ラ・レアルは8位に浮上した。ラ・リーガは代表ウィークに突入。宿敵アスレティック・ビルバオとのバスクダービーで再開する。

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