【写真】セーラー服姿で機関銃を構える、若かりし頃の薬師丸ひろ子
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、11月11日(月)より「永遠のミューズ薬師丸ひろ子特集」と題して、薬師丸ひろ子が出演する映画7作品を一挙放送。本記事では11月14日(木)放送の「里見八犬伝」を中心に、特集前半に放送される4作品のあらすじや見どころを紹介していく。
■「セーラー服と機関銃」で大ブレイク、歌手としても活躍する薬師丸ひろ子
1978年、中学2年生の時に映画「野性の証明」でデビューを果たした薬師丸。ブレイクのきっかけは1981年に公開された主演映画「セーラー服と機関銃」で、突然ヤクザの組長になった女子高生・星泉を演じ世間から注目を集める。その後、「探偵物語」や「メイン・テーマ」などの作品にも出演。2005年公開の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」では、日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を、「キネマ旬報ベストテン」で日本映画助演女優賞を受賞した。
そんな薬師丸は女優としてのみならず、自身の出演した映画の主題歌を中心に楽曲をリリースし、歌手としても活動。「セーラー服と機関銃」での歌手デビュー以降も、「探偵物語」「メイン・テーマ」「Woman “Wの悲劇”より」などの映画主題歌をリリースし、透き通るような唯一無二の歌声で人気を集めた。
また2021年には歌手デビュー40周年を迎え、「NHK紅白歌合戦」にも出場。今年1月には6年ぶりのオリジナル・アルバム『Tree』をリリースするなど、俳優活動とともに音楽活動にも力を注いでいる。
■配給収入23億円超えの大ヒット映画「里見八犬伝」
11月14日(木)夜8時からは、「里見八犬伝」(1983年)を放送。本作は、鎌田敏夫氏の小説『新・里見八犬伝』が原作となっており、深作欣二監督が映画化した。伝奇ロマンに加えて、里見家の静姫と八犬士・犬江親兵衛との恋物語も取り入れられたアクション時代劇大作となっている。
ある日、里見一族は襲撃を受け皆殺しにされ、蟇田素藤によって城が奪われてしまう。素藤はかつて里見により殺されたはずだったが、母親の玉梓(夏木マリ)が妖怪となって蘇り、館山城主の一人娘・静姫(薬師丸)の生き血を悪霊に捧げるために彼女の行方を探していた。静姫は逃げる際中に里見家と蟇田との因縁や、里見の息女・伏姫から霊玉が八方に飛散したことを知ると、静姫のもとに霊玉を持ち“犬”の字を名字に持つ犬士たちが続々と集まってくる。静姫は犬士たちとともに戦うことを決意し、残る犬士たちを探す旅に出る――。
本作は原作をベースにしながらも、従来の時代劇になかった斬新なアイデアを盛り込んだ大型エンターテインメント映画に仕上がっており、独自のストーリー性で物語はスピーディーに展開していく。また、真田広之や千葉真一さん、京本政樹など当時人気が爆発していた俳優の出演もあり、当時の邦画1位である配給収入23億円2000万円の大ヒットを記録した。ベテラン俳優が台頭する中で薬師丸は瑞々しい演技を披露し、作中でも抜群の存在感を示している。
■薬師丸ひろ子のデビュー作、高倉健さんも出演するバトルアクション「野性の証明」
11月11日(月)夜8時からは「野性の証明」(1978年)を放送。本作は当時中学2年生だった薬師丸の鮮烈デビュー作品で、高倉健さん主演の“男の野生”を爆発させる壮絶なバトルアクションとなっている。
ある日、自衛隊員の味沢岳史(高倉さん)は山岳での単独独踏破訓練の際に、山間集落で12人が殺害される事件に遭遇してしまう。頼子(薬師丸)という少女のみが生き残り、味沢は頼子を養子として引き取ることに。しかしある事故をもとに、暗い過去が再び2人に忍び寄って来て――。
薬師丸が演じた頼子役は、“青い服を着た男”以外一切の記憶を失っており、物言わぬ少女という、デビュー作としては難易度が高い役柄に挑戦。そんな中で、思いつめた絶妙な表情を見せ世間に衝撃を与えた。
11月12日(火)夜8時からは、平和なはずの学園で次々怒る不思議な事件を描いた「ねらわれた学園」(1981年)を放送。新学期を迎えて第一学園の2年生になった三田村由香(薬師丸)は生徒会長になり、風紀を乱した生徒を取り締まる校内パトロール隊を組織して学園を作り変えていくのだが、彼女の背後には、魔王子・京極(峰岸徹)が操る悪の組織「英光塾」が控えていた――。
眉村卓氏による同名SF小説を映画化した本作。自身の持つ超能力に気付き戸惑いながらも、芯の強さを持ち凛とした佇まいの由香を堂々と演じる薬師丸の姿に注目だ。
11月13日(水)夜8時からは、片岡義男の同名小説が原作となる青春映画「メイン・テーマ」(1984年)を放送。幼稚園で教師をしていた小笠原しぶき(薬師丸)は、房総の海岸で若いマジシャンの健(野村宏伸)と出会い、彼の所有する4WDで旅をする。その後、中年男女のカップル(桃井かおり・財津和夫)と出会い、やがて4人は沖縄へと向かうことになるのだが――。
「家族ゲーム」などで知られる森田芳光監督が手掛けた本作は、“しぶきの成長”を森田監督ならではの遊び心ある独自のセンスで描いている。しぶき役をチャーミングに演じた薬師丸と、相手役の野村との掛け合いは見どころの一つと言えるだろう。
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