「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一、大きなミスでNHK杯2位も「すごく笑っていたので大丈夫」

能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一、大きなミスでNHK杯2位も「すごく笑っていたので大丈夫」

11月10日(日) 12:25

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【久しぶりの日本での演技】11月9日、国立代々木第一体育館。GPシリーズ・NHK杯のペアはジョージアのアナスタシア・メテルキナとルカ・ベルラワが213.05点で制している。いわゆる伏兵の台頭と言えるだろう。

本命だった日本の「りくりゅう」こと三浦璃来と木原龍一のペアは209.45点で、惜しくも2位だった。

NHK杯は惜しくも2位だった三浦璃来・木原龍一ペア

NHK杯は惜しくも2位だった三浦璃来・木原龍一ペア





2022−2023シーズン、りくりゅうは世界を席巻し、GPファイナル、四大陸選手権、世界選手権と総なめにした。ただ、昨2023−2024シーズンは木原の腰痛で休養を余儀なくされている。1年7カ月ぶり、日本で久しぶりのお目見えになったわけだが......。

ふたりの表情に暗さはない。りくりゅうの現在地とは?

11月8日、りくりゅうはショートプログラム(SP)で71.90点と大台に乗せ、堂々のトップに立っている。

久しぶりの国内での演技で、健在ぶりを示したと言えるだろう。序盤のジャンプ、3回転トーループで三浦が回転不足になったが、みごとに立て直し、まとめ上げている。その勝負強さに、王者の面影が透けて見えた。

「ミスは出ましたが、しっかりとリカバリーし、集中を取り戻せたのはよかったと思います。練習からミスが出ても、しっかりやるようにしていますし......毎回、完璧にできればいいんですが、ミスは出るものなので。切り替えて、次のエレメンツに行けるように、というところで成長できているなって」

木原がそう振り返ったように、ふたりは少しも動じなかった。

一方で、三浦も演技そのものを堪能していた。

「たくさんのバナーや国旗を振ってもらって。昨シーズンは練習すらできない状況だったので今は1試合1試合、たとえミスはあっても、その課題を見つけて、次に改善していけるっていうのが、とてもありがたいことだなって思います」

今は練習と試合の日々を重ねるなか、パフォーマンスレベルを上げつつあるのだろう。

【大きなミスは"いいお勉強"】翌9日のフリーでも、勝敗に響くミスは出た。ランディングでできた溝にはまってしまったのか、ペアスピンが抜けている。これで逆転を許すことになったわけだが......。

「ペアスピンが抜けたのは大きなミスでしたが、そこから総崩れすることなく、滑れたのはよかったと思います。足を着いてしまった時点でノーカウントだったので、終わっちゃったなって。そこはどうしようもないので、気持ちを切り替えて休憩しようと。あまり起きないミスなので、"いいお勉強"になったかなって思っています」

木原はそう言って、どこか達観していた。実際、ふたりがペアを組んで初めてのミスだったという。復帰、成長を重ねるなかで、深刻なものではない。

三浦も落ち着き払った木原の姿を見て、その後の演技も追い込まれることもなくできたようだ。

「ペアスピンが終わったあと、休憩ポイントがあるんですが、そこで(木原)龍一君がすごく笑っていたので。大丈夫だなって落ち着きました」

ふたりは阿吽の呼吸で、演技を仕上げた。GPシリーズ・スケートアメリカのフリー136.44点をしのぐ137.55点で、掲げていた目標をクリアしている。

「(フリーは)アクセル、ペアスピン、そしてルッツがツーフットになって加点を稼げなかったのは、もったいなかったです。でも目標にしていた『スケートアメリカの得点を超える』を、1点でも超えられてよかったです。

結果は残念ですが......すでにブルーノ(・マルコット)コーチが動いてくれていますし、ショートはシェイ=リーン(・ボーン)さんと『来週(修正を)やりたいね』って、マリ--(=フランス・デュブレイユ)さんは、ノートに修正ポイントを書いて、次へ動き出しているので」

木原が言うように、今は自分たちが掲げた目標をクリアし、改善していくことが大事なのだろう。さらに言えば、彼らはその作業を楽しんでいるようにも映る。リンクでふたりそろって滑れる幸せというのか。

【王者ではなく常に追いかけていく立場】スケートアメリカのあとは休養を取り、コンディションを整えることを先決にしてきた。じつは木原が腰に違和感を覚えて、2023年の件があるだけに慎重を期していたのだが、症状の原因は骨ではなく筋肉系だったことで安堵したという。これからは体と相談しながら、練習量を増やす予定だ。

「プログラム(を練習する)数を増やすことになると思います。練習をたくさん積んで、試合でも練習どおり出せるように」

三浦ははつらつと言う。

「僕たちは絶対王者の立場ではなかったし、常に追いかけていく立場です。今はすばらしいライバルたちが新たに出てきて、おかげで僕たちもモチベーション高く練習できる。それはすばらしいことだと思っています」

木原は冷静に言う。

今回の2位で、りくりゅうはGPファイナル進出が決定した。王者は一喜一憂しない。輝く栄光への筋道が見えている。



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