前人未到の刺殺記録を打ち立てた楽天・辰己。4年連続のゴールデン・グラブ賞受賞も確定的だ
今季も予想外の出来事がたくさん起こったプロ野球。中でも特に球界をざわつかせた異変、珍現象、快挙の謎に野球評論家のお股ニキ氏が迫る!(全7回/第6回目)
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楽天のシーズン142試合目となった10月8日、センターを守る辰己涼介が外野手シーズン刺殺(打者や走者をアウトにすること)の日本記録を76年ぶりに更新。最終的には397刺殺まで記録を伸ばした。この大記録はなぜ実現できたのか?
「今季の投高打低と、楽天投手陣の傾向が味方したのかもしれません。楽天投手陣は他球団に比べて奪三振が少なく、フライも多い。今季の『飛ばないボール』であればフェンスオーバーせずに外野飛球が増えたと推察できます」
また、辰己自身のコンディションによるところも大きい。
「今季27歳。肉体的にも精神的にも、そして経験的にも全盛期に到達。この打低シーズンにキャリアハイの打率.294、20盗塁を記録したことからも下半身のコンディションが良かったことがわかります。今季は自身初の全試合出場を果たし、守備機会がそもそも増えた点も大きいです」
新記録を達成した上述の日本ハム戦では、敵将の新庄剛志監督も辰己の守備を絶賛。「ケガをしないのが一番すごい」とコメントを残していた。
「記録達成の試合は私も中継で見ていましたが、吸い込まれるようにセンターへの飛球が続き、一気に記録を塗り替えて辰己自身もうれしそうでした。ああいう運を引き込む力も今季はあったのでしょう」
すでに4年連続のゴールデン・グラブ賞も有力といわれる辰己。毎年、表彰式にはド派手な金の衣装で登場。以前、「4年連続なら歯まで金にしないと」と発言していたが、実際どうなるだろうか?
文/オグマナオト写真/時事通信社
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