ファントムシータのメンバー。左側から、美雨、百花、凛花、もな、灯翠
「レトロホラー」をコンセプトに掲げる、Adoプロデュースのアイドルグループ・ファントムシータ。
メンバーは、トップ写真の向かって左側から、美雨(みう・19歳)、百花(もか・18歳)、凛花(りんか・17歳)、もな(17歳)、灯翠(ひすい・21歳)。約4,000人の応募者の中から合宿審査などのオーディションを経て選ばれた5人だ。
今年6月に1stシングル『おともだち』でデビューし、10月25日には早くも6枚目となる最新シングル『ゾクゾク』を発表。続いて10月30日に1stアルバム『少女の日の思い出』発売し、11月1日には初ワンマンライブ、ファントムシータ 1st LIVE 2024「ハイネ」を日本武道館で開催。デビュー4ヶ月にして、高い歌唱力とパフォーマンスで注目を集め、続々とファン(=ハイネ)を獲得している。
とはいえ、まだまだ謎多き彼女たち。今回のインタビューでは、その素顔を少し覗かせてもらいました。
***
――まずは自己紹介も兼ねて、皆さんがAdoさんプロデュースのアイドルオーディションを受けたきっかけを教えてください。ではまず、凛花さんから。
凛花
私は、小さい頃から歌とダンスが大好きで。ダンスに関しては、小学生でジャズ、中学生でヒップホップを習っていました。普段は人見知りで、授業中に手を挙げて発言するのも苦手なくらい恥ずかしがり屋でしたが、ダンスのステージだけは、どれほどの人の前でも堂々と立つことができたんです。私に向いているのはこれだ!と思いました。
とはいえ、進路希望に「アーティスト」とは書けなくて。そんなときに、Adoさんプロデュースのアイドルオーディションの情報が流れてきました。これは受けるしかない、と思いましたね。
――いろんなアイドルグループがあるなかで、Adoさんプロデュースのグループを選んだのは?
凛花
Adoさんの「うっせぇわ」がリリースされたときに大きな影響を受けたんです。今の私と変わらないくらいの歳の頃に、あれほどの表現力で世間を魅了していて、中学生ながらとても感化されました。逆にいえば、Adoさんプロデュースのグループだったからこそ、すぐに受ける決心がつきました。
――なるほど、ありがとうございます。続いてもなさん、お願いいたします。
もな
私も子どもの頃から音楽が大好きで、漠然と歌を歌うお仕事にずっと憧れていました。学校の文化祭では、友達と有志ステージに立ったことも。初めて人前で歌を披露したのはそのときでした。緊張感も含めて、スゴく楽しいステージだった記憶があります。「ここ(ステージ)が私の立つべき場所なのかもしれない」と思ったほどです。
――幼い頃から目立ちたがり屋だったとか?
もな
いえ、全然です。実際、アーティストへの夢は非現実的だと感じていたので、誰にも言えずに、ずっと自分の胸で温めていただけでした。ただ、将来をぼんやり考えていたときにAdoさんプロデュースのアイドルオーディションがあると知り、すぐに「これだ!」と思いました。凛花と同じく、もともとAdoさんの歌が好きでよく聴いていたので、迷う間もなかったですね。
――では、百花さんはいかがですか?
百花
私も、小さい頃から歌とダンスが大好きで、実際に習ってもいました。二人と同じく、アーティストやアイドルに憧れていたので、もともと尊敬していたAdoさんのオーディションに参加した形になります。
なかでも私は、表現力にこだわりがあって。Adoさんはスゴく表現力のある歌い手さんだと思っていて、そんな方にプロデュースしていただけるなら、絶対に歌やダンスの表現が活きるグループになる気がしたんです。絶対に受かりたいと思いましたね。
――みなさん、歌とダンスにゆかりがあったのですね。美雨さんはどうでしょう?
美雨
私はみんなと反対で、歌もダンスも完全に素人でした。みんなのように、「アーティストになりたい」など、そういった夢を持ったこともなくて。
やりたいことが見つからないまま時間だけが過ぎて、「この先、私はどうなるんだろう?」「何か生きがいと呼べるものは見つかるんだろうか?」と悩んでいた時期に、Adoさんのオーディションを見つけました。何も知らなかったからこそ、周りとの実力差を気にすることなく飛び込んで行けたのだと思います。人生初のオーディションでしたが、思い切って挑戦して本当に良かったです。
――Adoさんのことは、やはりもともとお好きで?
美雨
はい!Adoさんはもちろん、歌い手やボーカロイドの文化もスゴく好きで。歌で何かを表現することへの憧れは、私も漠然と持っていました。
ファントムシータの一員になれて、私の人生はここから始まったようなものです。これまではAdoさんやボーカロイドの楽曲に救われてきた私ですが、これからはみなさんの人生に寄り添える存在になっていきたいです。
――最後、灯翠さんお願いします!
灯翠
私は子どもの頃から、歌やダンスに限らず、俳優や声優、モデルなど、芸能関係のお仕事に就きたいと思っていました。学生時代からさまざまなチャレンジをしてきましたが、どこかずっと違和感があって......。
――というと?
灯翠
私、とにかくホラーなモノが大好きなんです。ずっと、そんな自分を活かせる場所を探し求めていたのだと思います。実際「レトロホラー」がコンセプトのアイドルグループと聞いて、惹かれずにはいられなかったですから。
ここでなら人生を変えられるかもしれない。他とは違った異色のアイドルとして、私らしい表現ができるかもしれない。そんな気持ちで応募しました。今こうして受かって、素敵なメンバーに囲まれて、とても幸せです。
――パフォーマンス中は、見ていてゾクっとする表情や動きをされている皆さんですが、お話しされている姿はあどけなくてかわいらしいというか。また少し違った印象を受けますね。
美雨
それ、私たちもお互いに同じことを思っていました。合宿中にオーディションの最終審査を見る時間があったのですが、みんな圧巻のパフォーマンスを披露していたので、ちょっと怖い印象を抱いていたというか......。
もな
みんな、怖い顔のパフォーマンスが上手だもんね。当たり前だけど、喋ると普通の女のコたちばかりで安心しました(笑)。
――10月30日の1stアルバム『少女の日の思い出』発売に続き、11月1日には日本武道館で初のワンマンライブ、ファントムシータ 1st LIVE 2024「ハイネ」を開催。連日大きなニュースが続いておりますが、1stシングル『おともだち』でデビューされたのは今年6月のこと。活動期間はまだ4ヶ月です。実際のところ、デビューのご実感はいかがですか?
もな
見てくださる方の反響があって、初めてデビューの実感が湧いたような気がします。特にデビューシングル『おともだち』は、6月26日の0時に楽曲配信、同日夜にYouTubeでMVが公開されたのですが、その日は一日中ソワソワしていました。
まず楽曲配信の0時が待ち遠しすぎてグループLINEが止まらなかったし、MV公開の瞬間はみんなで事務所に集まってドキドキしながら見ていました。そのあとXやYouTubeのコメント欄で皆さんの感想をチェックすると、パフォーマンスについて言及してくれている方が多くて、うれしかった思い出があります。
美雨
それから、7月にAdoさんの全国ツアーAdo JAPAN TOUR 2024『モナ・リザの横顔』のオープニングアクトとして大阪城ホールの舞台に初めて立たせていただいたとき。実際にお客さんのお顔を見られて、こんなにも大勢の方々が私たちのパフォーマンスを見てくださるんだ、応援してもらえるよう頑張らないと、と気持ちが引き締まりました。フェスなどのステージに立たせてもらうときも同じです。やっぱり、人前に立つと実感しますね。
――少し話は変わりますが、レコーディングや撮影などで特に印象に残っているエピソードを教えてください。
もな
エピソード......あっ、やっぱり「魔性少女」の撮影じゃない?
一同
あー!
――3rdシングル「魔性少女」のMVですか?幻想的でかわいらしい映像ですけど、何があったんでしょう?
もな
みんな真っ白な衣装で揃えて"魔性の女のコ"を演じるMV撮影だったのですが、爽やかに微笑んでいるように見えて、時期は8月の猛暑日だったんです。森のような場所でのロケで、おしとやかな動きをしているにも関わらず、内心は暑くてたまらなかったんですよね。特に、灯翠がいちばんの汗かきで(笑)。
灯翠
灼熱の人工芝の上をゆっくり這うシーンがあって、とても過酷でした。「もっとゆっくり!」なんて指示があったりして(笑)。
もな
前髪にティッシュを挟んでドライヤーを当てられていたよね。汗で前髪が崩れないようにって。その光景が忘れられないです。YouTubeショートやTikTokにあがっているメイキングに、汗と格闘している灯翠が少し映り込んでいる動画があるので、是非、探してみてください(笑)。
――10月30日に発売されたアルバム『少女の日の思い出』についても聞かせてください。先日発表されたばかりの6thシングル「ゾクゾク」含むこれまでのシングル楽曲に加え、アルバムオリジナル楽曲の「HANAGATAMI」の計7曲が収録されています。4ヶ月間を駆け抜けた皆さんの集大成といえる一枚に仕上がっていますね。
美雨
まさに「HANAGATAMI」は、私たちにとっても特別な楽曲です。ファントムシータとしては初のバラード調の楽曲。例えば「キミバツ(2ndシングル「キミと××××したいだけ」)は、聴けばすぐにメロディから狂気的な雰囲気が伝わるかと思うのですが、「HANAGATAMI」はしっとりとした印象を受けると思います。でも、歌詞をよく見ていただくとレトロホラーが散りばめられているというか。等身大の私たちを表した楽曲になっている気がします。
――ありがとうございます。では最後に、ファントムシータとして掲げる目標を教えてください。
凛花
初めてのワンマンライブで武道館に立たせていただけるありがたみを噛み締めて、皆さんに恩返ししていくことが、これからの私たちに求められることじゃないかなと思っています。
灯翠
私は、武道館ライブを終えるまで、まだ先のことを考えられないのが正直なところです。
百花
私も、アーティストとして武道館に立つことは、アーティストデビューの次くらいに大きな目標でした。まさか最初のワンマンでそれが叶うなんて思ってもいなかったので、まだその先が想像できない(笑)。
美雨
武道館への緊張は私も同じですが、あえてその先の目標を揚げるなら、「日本のレトロホラーアイドルといえばファントムシータだよね」と、世の中の人に知ってもらえるような存在になりたいです。そのためには、やっぱり目の前のことをコツコツ頑張っていくことが重要なのかなと思います。
もな
私もみんなと同じです。まだまだ5人で高みを目指していけるように、周りの方々への感謝と敬意を忘れずに、成長し続けていきたいです。ファントムシータは始まったばかり。これからの活動に、ぜひ期待していてください!
●ファントムシータ
6月26日、1stシングル『おともだち』でデビューした、レトロホラーをコンセプトに活動する、Adoプロデュースの5人組アイドル。1stアルバム『少女の日の思い出』が発売中。2025年1月からは初の世界ツアー、Phantom Siita 1st WORLD TOUR "Moth to a flame"を開催する。
公式X【@PhantomSiita】
公式Instagram【@phantom_siita_official】
公式TikTok【@phantom_siita_official】
公式YouTube【@PhantomSiita】取材・文/とり撮影/上村 窓
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