2014年11月10日に83歳で亡くなった映画スター、高倉健の没後10年に際し、出演作19本を一挙に上映する「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」が11月7日に丸の内TOEI2にてスタートした。
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今回の特集で上映される19作品のうち10本が初デジタル化。初期の当たり役でもあった『花と嵐とギャング』(61)をはじめ、金田一耕助役を演じた『悪魔の手毬唄』(61)、深作欣二監督とタッグを組んだ『ジャコ萬と鉄』(64)と『狼と豚と人間』(64)に、名作『緋牡丹博徒』(68)など、高倉が東映を退社する1976年までに出演した傑作の数々がスクリーンにカムバック。
さらに山田洋次監督が手掛けた不朽の名作『幸福の黄色いハンカチ』(77)や角川映画を代表する一本である『野性の証明』(78)、降旗康男監督の『駅/STATION』(81)、『夜叉』(85)、『鉄道員(ぽっぽや)』(99)といった東映退社後の主演作も。東映最後の直営館として来年夏に閉館が決まっている丸の内TOEIのスクリーンで、『幸福の黄色いハンカチ』などの他社配給作品が観られる貴重な機会としても注目を集めている。
開催初日となった11月7日には『駅/STATION』が上映され、同作で撮影を務めた木村大作が舞台挨拶に登壇。当時41歳だった木村は、高倉と『八甲田山』(77)につづいて2度目のタッグ。「いまどきの映画よりも新しいと感じるし、これからも残り続ける映画だ」と語り、「ラストは倉本聰さんのシナリオでは続きが書かれていて、実際に撮影もした。健さんがラッシュを見て、“情緒のある終わり方”になるいまのエンディングを選びました」と明かす。
さらに「撮影中、雪の降り方の調子が良かったのは3日だけ」と振り返り、高倉が風邪気味だった際にプロデューサーから早く終わるよう頼まれたが、撮影を強行したエピソードを披露。「後日、健さんから喫茶店で『木村さん、あれから雪は降りませんね。あの時撮っておいて良かった』と言われた。健さんは現場でずっと立っていて、スタッフひとりひとりをものすごくよく見ている。だから、僕も映画づくりに精一杯自分の身を捧げてきました」。
その後も複数の作品で高倉の姿をフィルムに収めてきた木村。タッグを組んだ作品は計9作品にのぼる。「若い人には、特に健さんが45歳以降の作品をもう一度観直してほしい。いまの人の心にも響くはずだ」とコメントした。
「没後10年 高倉健特集 銀幕での再会」は11月22日(金)まで開催中。期間中には上映作品のポスターをはじめ、高倉のニューフェイス時代の秘蔵写真や、刺青絵師の毛利清二が描いた刺青絵のデザイン原画や一部作品のプレスシートなど、貴重な展示も多数。是非とも足を運び、銀幕で永遠に輝き続ける高倉健の魅力を再発見してほしい。
文/久保田 和馬
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