日本でも一世風靡したイギリスの人気グループ「ワン・ダイレクション」のリアム・ペインが10月16日、アルゼンチン・ブエノスアイレスにあるホテルのバルコニーから転落し、31歳で死去した。事故から約3週間経った今週、遺体は故郷イギリスに帰国し、リアムに薬物を与えた疑いで3人が逮捕された。
将来を誓った恋人のために、最近は薬物を断つ努力をしていたというリアム。アルゼンチンで一緒に休暇を過ごしていた彼女が、アメリカに帰国した直後から異変が起きたという。
ホテル従業員から薬物入手?バルコニーで気絶する姿も
リアムが突然この世を去ってから約3週間。遺体は6日、事故直後から現地入りしていた父親ジェフ・ペイン氏に引き渡され、本国イギリスへ帰還した。葬儀の日程はまだ明らかにされていないが、生まれ故郷であるウォルヴァーハンプトンで近日中に執り行われる予定だという。
リアムは先月、ブエノスアイレスにあるホテルの中庭で倒れている状態で発見され、その場で死亡が確認された。捜査の結果、死因はホテル3階のバルコニーから転落したことによる外傷と出血だったと判断された。また、警察がホテルの従業員や、事故が起きる1時間前までリアムと一緒にいたとされる女性2人から事情を聴いていると伝えられた。
現場の状況から、「意識混濁もしくは完全に意識不明な状態で転落した」可能性が指摘されており、それを裏付ける未公開の防犯カメラ映像もあると報じられた。映像には、バルコニーで意識を失ったリアムの姿がうつっており、「故意の転落」ではなかった見方が強いと現地メディアは伝えている。
今月7日には、リアムに薬物を提供した疑いがあるとしてホテル従業員ら3人が逮捕、訴追された。報道によると、彼の体内からは、メタンフェタミンやケタミン、MDMAなどを混ぜた娯楽用薬物「ピンク・コカイン」、さらにコカインやベンゾジアゼピン、クラックなど複数の薬物が検出された。
死亡する直前まで「クリーン」だった
ワン・ダイレクションが活動休止した2015年以降、精神的に追い込まれ、薬物やアルコール依存などの問題を抱えるようになったというリアム。実は過去にも数回、薬物を過剰摂取して生死をさまよったことがあったと米メディア『Page Six』は報じている。
けれども最近は、恋人のケイト・キャシディとの新生活のために、「薬物から抜け出そうと必死に努力していた」と彼の親しい友人は語っている。実際、亡くなる少し前は彼が“クリーン”だったことが明らかになっている。
英サイト『DailyMail.com』によると、リアムがブエノスアイレスを訪れていたのは、元バンドメントのナイル・ホーランの公演に行くためだったが、それと同時に、彼女とアメリカで暮らすためにビザを更新する目的も兼ねていたという。
同地の米大使館でビザの更新を申請し、当初は薬物とアルコールの使用が問題視され、申請は却下。しかし薬物検査の結果、陰性であることが確認され、18日にビザが発給される予定となっていたそうだ。
薬物検査で陰性の結果が出たのは10月15日。その翌日、リアムはホテルのバルコニーから転落し、帰らぬ人となった。
亡くなる2日前まで一緒にいた恋人「結婚する予定だった」
リアムが死亡する2日前まで、一緒にアルゼンチンに滞在していた恋人のケイトは、SNSに彼との思い出の写真を投稿しコメントを発表。つらい胸の内を語るとともに、近い将来、2人が結婚する予定だったことも明かした。
「数週間前、私たちは美しい夕暮れ時に外に座り、一緒の人生について考えていた」
「見るなと言われたけど、あなたのメモは大切に保管している。そこには『ケイトと1年以内に結婚/婚約して、永遠に一緒にいる』と書かれてる」
「リアム、私たちがずっと一緒なことは分かってるけど、計画していたかたちではなくなってしまった。あなたはこれからも私と一緒にいるでしょう。私は守護天使を得たの」
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「私の心は言葉にできない形でボロボロになってしまった」とも綴り、彼を失った現実をまだ受け入れられずにいると明かしている。
米サイト『The Mirror US』によると、2人はアルゼンチンに5日間滞在する予定だったが、長期化し2週間に。その間、彼女はリアムから懇願されて何度か滞在を延長したが、結局、先に帰国することにしたという。
ケイトが帰国した10月12日以降、たびたび奇行が目撃されるようになったというリアム。16日には、ホテルのロビーでノートパソコンを壊すなど危険行為が見られたため、従業員が警察に通報する事態に。そして部屋に連れ戻された直後、バルコニーから転落した。
ワン・ダイレクションが共同声明。脱退した元メンバーも沈痛
訃報を受け、ワン・ダイレクションのメンバーたちは共同声明を発表。ナイル・ホーラン、ハリー・スタイルズ、ルイ・トムリンソン、そして2015年にグループを脱退したゼイン・マリクは連名で声明文を出し、リアムの突然の死を悼んだ。
「僕たちはリアムの訃報に打ちのめされています。時が経ち、可能になったとき、もっとお話しすることができるでしょう。でも今は、僕たちが心から愛していた兄弟を失ったことを悲しみ、心を整理するためにしばらく時間をかけるつもりです」
「彼と分かち合った思い出は永遠の宝物です。今は、彼の家族、友人、そして僕たちとともに彼を愛してくれたファンのことを思っています」
「彼がいなくなるのはとても寂しい。愛しているよ、リアム。 ルイ、ゼイン、ナイル、ハリー」
葬儀には、ゼインを含め、ワン・ダイレクションの元メンバーたちが参列するとみられている。
日本でも人気爆発。NTTドコモのCMにも登場
英オーディション番組「Xファクター」で、審査員だった音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルに見出され、2010年に結成されたワン・ダイレクション。
2011年にシングル「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル」でデビューして以降、次々とヒット曲を連発、全英チャートだけでなく、全米チャート1位を記録した。日本でも大ブレイクし、NTTドコモのテレビCM出演(2014年)や映画『好きっていいなよ。』(2014年)の主題歌に起用され、「an・an」「ザテレビジョン」など有名雑誌の表紙を飾った。
しかし、2015年にゼインがグループを脱退。ワン・ダイレクションはその後もメンバー4人で活動を続けたが、各自がソロ活動に専念するため、2016年から無期限の活動休止に入っている。
私生活では、元パートナーのシェリルとの間に生まれた7歳の息子の良きパパだったリアム。また、生活に困窮する人々への寄付や、世界中の避難民を支援するためのチャリティTシャツをデザインするなど、社会貢献活動も積極的に行っていた。
リアム亡き後、約3600万円を超える売り上げを記録したそのチャリティTシャツには、ステージ上でライブするワン・ダイレクションのイラストが描かれているという。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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