11月8日(金) 17:00
公開中の映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』より、スタッフからの製作秘話が到着した。
全米では2週連続No.1となり、日本でも初登場1位を記録している本作。ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンビオートが寄生し誕生したヴェノムは、強靭で真っ黒な肉体と鋭い牙、長く伸びる真っ赤な舌で人を喰らう“最も残虐な悪”であり、マーベルコミックではスパイダーマン最大の宿敵となるダークヒーローだ。
その“ヴェノム”はCGによってスクリーン上に命が吹き込まれたキャラクターで、通常であればCGキャラクターをVFX技術を用いて映像内に登場させる実写映画では、俳優の視線をどこに向けるべきか、キャラクターの位置をマーカーで示しながら撮影を行う。しかし、本作ではマーカーを使用せずに、ヴェノムのいるべき場所はすべてエディを演じるトム・ハーディの演技にゆだねられていたという。
シリーズ3作を通して脚本を手掛け、本作では監督を務めたケリー・マーセルは、『ヴェノム』に携わることになる前からハーディと旧知の仲であり、全幅の信頼を寄せあう最強バディとして本作を作り上げていった。宿主であるエディの身体から顔を伸ばし自由に動き回るヴェノムの位置がハーディの演技にゆだねられたこともこの信頼に後押しされており、マーセルはハーディについて「彼はこのキャラクターを完全に理解している」と断言。
「私たち制作チームはエディとヴェノムがやり取りしているときのヴェノムの位置についてはトムに任せ、私たちはひたすらヴェノムをフレームに収めることだけに集中しました」と、ハーディの演技によって浮かび上がるヴェノムの動きを捉えることに徹しながら撮影を行ったことを告白。それを可能にしたのはハーディの並々ならぬ俳優としての技量であり、マーセルは「あんなことをできる人は、彼以外に見たことがありません」と、自身の視線の先にヴェノムを存在させたハーディを賞賛した。
CGキャラクターにとって、もうひとつ必要不可欠な存在となるのがVFX技術であるが、本作のVFXスーパーバイザーであるジョン・モファットは、VFXの視覚効果を最大限に発揮するためにハーディの演技に密に寄り添いながらも、ハーディ自身の積極的な協力が助けとなったと語る。
モファットは「彼は本当に協力的です。私たちがしていることは『視覚効果にはこれが必要だとか、あれが必要だ』などと言うよりもむしろ、彼の演技に任せるということです。トムのパフォーマンスを理解することがすべてです」と、ハーディがシリーズ1作目から6年以上の歳月とともに築き上げてきたエディとヴェノムの確かな絆で結ばれた関係性を拠り所に、VFX技術でヴェノムへ命を吹き込んだことを明かした。
エディとヴェノムの絆を体現し続けてきたハーディがそのすべてを注ぎこみ作り上げた『ヴェノム』シリーズの最終章。その動きや立ち振る舞いなどを、是非劇場で確かめてみてはいかがだろうか。
<作品情報>
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』
公開中
公式サイト:
https://www.venom-movie.jp/