11月8日(金) 8:35
<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇7日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
今季も残すところあと4戦。終盤戦にかけて気になるのがシード権争い。賞金ランキング65位がボーダーだが、ここにきて同ランキング68位(775万1651円)に位置する片岡大育が、4アンダー・4位タイの好発進を決めてきた。
太平洋クラブ御殿場コースとの相性は「あまりよくない」と話すが、例年に比べ暖かいことがプラスに働き「すごくいいイメージで回れた」。実際、10番でバーディ発進。その後も「5メートル以内が入った」と12番、17番でも伸ばし前半を折り返した。後半こそ1バーディに留まったものの「危なげなく、いいゴルフができた」とボギーフリーのゴルフを展開した。
2019年に賞金シードを手放し、翌20年には顔面神経麻痺を発症したことで低迷していた。昨年のQTで2位に入り復調の兆しが見えると、5月の「中日クラウンズ」で20位。しかし、以降は予選落ちが続き「ほんとボロボロでした」と苦しい時期を送った。再び光が差し込んだのは8月の「Sansan KBCオーガスタ」だった。初日6位タイで滑り出すと、2日目には7年ぶりの単独首位に立った。最終的には10位タイで終えたものの約5年9カ月ぶりのトップ10入りとなった。
そこからは5大会で3回決勝ラウンドに進出。10月の「ACNチャンピオンシップ」では6位タイに入り再びトップ10入りを果たす。「今、ようやくこの感じでゴルフができていることがうれしい。シンプルにゴルフを楽しめている」。大会初日ではあるが、表情は充実感に満ちている。
今大会まで約1カ月間、スケジュールが空いたが「コンディションだけ気をつけて、このコースは長いので少しでも飛距離アップできるよう準備してきた」と並々ならぬ思いで御殿場に乗り込んでいる。今大会は優勝賞金4000万がかかるビッグトーナメント。2017年以来の勝利、さらにシード返り咲きへ一発逆転は十分にあり得る。(文・齊藤啓介)