細胞を擬人化して描き、その斬新かつユニークな設定が大きな話題を呼んだ漫画「はたらく細胞」。同作とスピンオフ作品「はたらく細胞BLACK」の2作品を原作とする『はたらく細胞』が12月13日(金)に公開される。この度、細菌たちが大暴れする姿をキャッチした新場面写真が到着した。
【写真を見る】肺炎球菌役で片岡愛之助はどんな怪演を見せてくれるのか?
赤血球役の永野芽郁、白血球役の佐藤健をW主演に迎え、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、深田恭子、板垣李光人、加藤諒といった豪華キャスト陣が勢揃いし、日夜人間の体の中で奮闘する細胞たちを熱演する本作。そんな細胞たちに立ちはだかるのが凶悪な細菌で、こちらを演じるキャストも負けず劣らずの実力派が集結している。
本作でメガホンを取った武内英樹監督の『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』(23)ではガラの悪い大阪府知事役で出演し、強烈なインパクトを残した片岡愛之助が演じるのは、肺炎などを引き起こす毒性の強い細菌、肺炎球菌。映画本編では、体内の意外なところに潜み、酸素を運ぶ赤血球(永野)に突如襲いかかるシーンも。
片岡の出演について武内監督は「片岡さんの方から『武内監督とまた一緒にやりたい』と言ってくださったんです。ただ、『次は「はたらく細胞」をやります』とお伝えしたものの、その時点で配役はほぼ決まっており、細菌の役しか残っていない。片岡さんは、『それでもいいから参加したい!』とおっしゃってくださったんです」と振り返り、その言葉をきっかけに肺炎球菌役をオファーしたという。しかし、細菌役は素顔がわからなくなるほど本格的なメイクや衣装を纏うことから、「私にはしっかり片岡さんとわかりますが、誰が演じているのかわからなくなってしまうという懸念が…。片岡さん、いまごろ後悔していないかなと、ちょっと心配しています(笑)」と胸の内を明かしている。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では阿野全成役として出演し、連続テレビ小説「おむすび」などの出演でも注目を浴びる新納慎也が演じるのは、咽頭、消火器、皮膚などに生息する、ごくありふれた常在菌の一種だが多様な疾患の原因となることがある化膿レンサ球菌。鋭いトゲや触手を持つ凶悪な細菌として細胞たちの前に立ちはだかる。
武内監督は「新納さんはクネクネした動きが得意そうだったので、ちょっとフェミニンな雰囲気を醸しだす粘着性キャラに振ってみました。何とも言えないネトっとした感じがCGとすごく相性が良く、うまく馴染んでいたと思います」と化膿レンサ球菌役への演出についてコメント。「たぶん新納さんは、完成した時の映像を予測しながら演じていたんじゃないでしょうか?私が演出したドラマ『ルパンの娘』以来の参加でしたが、実に思い切りのいい素晴らしい俳優さんだなと思いました」とその演技を絶賛している。
「翔んで埼玉」、「ルパンの娘」シリーズなど武内監督作の常連であり、その怪演で毎回注目を集める小沢真珠が演じるのは、皮膚や毛穴などに常在し、毒性が高く創傷部などから体内に侵入。表皮感染症や食中毒、肺炎、髄膜炎、敗血症などを引き起こす黄色ブドウ球菌だ。その名の通り全身を黄色の球体で覆われ、一見するとポップなビジュアルだが、戦場と化した体内で逃げ惑う細胞たちの姿をみながら高笑いする姿は冷徹そのもの。小沢が自身のInstagramにキャラクタービジュアルをアップした際には、美しい素顔とのギャップが大反響を呼び、注目を集めている。
小沢についても武内監督は、「『翔んだ埼玉』でぶっ飛んだ役をやっていただいたんですが、原作の黄色ブドウ球菌を観た時、『この役は彼女しかいない!』と直感で決めました」とキャスティングの経緯を告白。「お子さんが原作漫画の大ファンらしく、教育にも役立つからぜひやりたいと。ただ、オファーしたのはいいけれど、片岡さん同様、奇抜なメイクと衣装で誰なのかわからくなる心配がありました。でも、小沢さんに関しては、『あ、小沢さんだ!』ってすぐにわかってしまうところがすごいなと思います」と語るように、絶大な信頼を寄せていることが伺える。
そして、SEKAI NO OWARIのボーカルにして、『キャラクター』(21)の連続殺人犯役で俳優デビューを飾り、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞&報知映画賞新人賞を獲得したFukaseが演じるのは、いまだ謎の多い、細胞たちにとっての最強の敵「????」。どこか精気を失っているような、悲し気な瞳を持つ、ただならぬオーラを発するその姿は、まさに最強のラスボスとしてふさわしい存在感を漂わせている。
「Fukaseさんが殺人鬼を演じた『キャラクター』を観て、彼の中にあるなんとも言えない“せつなさ”に惹かれるものを感じたので、ぜひご一緒したいと思っていました。今回の役は、人間の命を脅かす細胞たちの最強の敵。“狂気”と“悲しみ”が同居するようなキャラクターにしたかったんですが、真っ先に思い浮かんだのが彼の顔でした」と、かねてよりFukaseの出演を熱望していたことを明かしている。
細胞と細菌によるバトルシーンにも期待が高まる『はたらく細胞』。残り約1カ月と迫った公開を楽しみに待っていてほしい。
文/平尾嘉浩
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