DMM TVにて独占配信中のオリジナルバラエティ『鬼のドッキリで涙』の全話配信記念上映会が10月29日に東京・アキバシアターにて開催された。
上映前には本作に主演として出演したお笑いコントトリオ”東京03”の飯塚悟志、豊本明長、角田晃広と、企画プロデュース・脚本を担当したオークラが登壇。和気あいあいとした雰囲気の中、それぞれ見どころや舞台裏での面白エピソードなど撮影秘話満載のトークを繰り広げてくれた。
『鬼のドッキリで涙』は人気と実力を兼ね備えたコントトリオ・東京03が主演、バラエティのみならずドラマの脚本等も手掛け、東京03の単独公演に初期から関わり続けているオークラが企画プロデュースと脚本、TBS『水曜日のダウンタウン』やDMM TVオリジナル『大脱出』シリーズを手掛ける藤井健太郎が企画を担当するなど、最強タッグで制作されたオリジナルバラエティ番組。
昭和型演出家・鬼崎によって撮られた過激すぎて放送できないヤバいドッキリ満載の”訳ありVTR”を、番組制作会社のプロデューサー貴島(角田)と演出家の犬塚(飯塚)、放送作家の猿谷(豊本)が、TV放送が可能になるように編集の力を駆使してハートフルな番組に作り替えようと奮闘していくことになるのだが……。
現在全6話が配信されており、1話から3話までがターゲット・高野(きしたかの)による衝撃映像満載の地獄の監禁ドッキリが展開されていく『きしたかの高野の監禁ドッキリ編』、4話から6話までが結成15年を迎えるお笑いコンビ・モグライダーの芝大輔が不祥事フルコースな爆弾発言を連発して、相方ともしげに解散ドッキリを仕掛ける『モグライダー解散ドッキリ編』となっている。
東京03の三人とオークラが登場すると、会場からは大きな拍手が。この日の上映会では『きしたかの高野の監禁ドッキリ編』のダイジェストと『きしたかの高野の監禁ドッキリ編』が特別上映されるということで、MCの松丸友紀から「ご挨拶を」と促された飯塚は「そんなにお堅い式典だったんですか?」とツッコみつつ、「オークラが、いままで見たことない企画を発案して作り上げた作品です。藤井さんはじめプロ中のプロの方と我々演者、ドッキリをかけられた芸人のみんなで力を合わせて作った娯楽大作ですから。そんな堅い感じで見なくてもいいと思います(笑)」と自信ありげにコメント。さらに豊本が「ぜひ大いに笑ってください」、角田も「はじめて観る方、超面白いですよ!」と笑顔で語ってくれたほか、オークラも「最後には”コントの鬼”である飯塚さんも泣きましたからね」とその仕上がりをアピールしてくれた。
そんな東京03×オークラ×藤井健太郎によるの初コラボレーション番組が誕生した経緯だが、DMM TVから「東京03と何か企画をやってくれ」と頼まれたオークラがいろいろ悩んでいた最中に、藤井から「いつか東京03とドッキリをやりたい」と言っていたのを思い出したそうで、自ら足を運んで話を持ちかけたところ藤井が快諾。さらに東京03もこの話に乗っかってくれた結果、この企画が実現したとのこと。
また過激ドッキリをハートフルな映像に編集で作り替えていくという物語の設定については「ドッキリやロケで撮った素材が、上手に編集されて素晴らしく泣ける完パケ(放送できる状態まで完成させた映像)になったことが実際に何度もあったんです。あの過程を視聴者の皆さんは知らないと思ったので、それをひとつのエンタメにしたら面白いと思ってやってみました」とオークラが解説。いままでにない発想の番組にMCの松丸も「天才ですよね」と大絶賛の声をあげていた。
この編集という要素におけるキーパーソンとして『水曜日のダウンタウン』や『ゴッドタン』で特徴的なナレーションを担当している服部潤を起用しているのも、この番組の大きな特徴のひとつ。ナレーションによってドッキリ映像の印象が劇的に変化していくシーンには「声色ひとつで見え方が変わることを、皆さんも体感してもらえるはず。声も演出の要素になるんだなと思いました」と松丸も感心。さらにオークラはそのシーンでの服部と飯塚のやりとりが台本に書いてないアドリブだったという裏話を披露。現場で飯塚に「服部さんにこれ言ってもらって」とその場で指示を出すサプライズな演出を要求したそうだが、そのムチャ振りに服部は見事に対応。ただ服部の「笑いをとろうとしすぎる(笑)」という姿勢は玉に瑕だったようで、そこについて苦笑しつつもオークラはその演技力の高さ太鼓判を押していた。
またスタッフから「実際に撮影した映像を全く違うものに作り替えることがあった」と聞いたことがあるという飯塚に、オークラも「若手の頃に正月特番をやったんですが、ロケで作ったVTRがすごいつまらなくて、演出の人に「全然面白くないから、この素材を全部見て作り変えろ」と言われたことがあって。1月3日の放送なのに12月30日に言われて、完成して編集所出られたのが1月2日でした(笑)」と自身の生々しい実体験を語ると、そのムチャクチャなスケジュールに会場からはどよめきが。それだけ苦労して出来上がった映像について「面白くなったの?」と聞かれたオークラは「面白さのMAXが10として、2の撮れ高が5ぐらいにはなりました」と採点。すかさず飯塚からは「微妙だな!」、角田からも「限界はあるよね!」と次々にツッコミが入るなど、その息の合った掛け合いに会場からは大きな笑い声が上がっていた。
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さらにMCの松丸が「ヒューマンドキュメンタリーを見ているようだった」と語る番組内容についての話題で大盛り上がり。1~3話までの『きしたかの高野の監禁ドッキリ編』では高野と芸人たちとの見えない絆に感動したという松丸に、角田も「(うちの)奧さんが1話のドッキリの段階でもう泣いてて」と同意するなど、ハートウォーミングな展開になる前の過激ドッキリシーンの中にも、ウルッとくる意外な要素が潜んでいたと回想。この点についてはオークラも撮影をしながら「まずいなこれ、感動しちゃうな」と危機感を抱いたようで、前半部分については「あえて感動しないように調整してます」と編集の舞台裏を明かすと、東京03メンバーは「マジで?」と驚きの表情を浮かべていた。
また飯塚が「超面白かった」という高野のドッキリシーンだが、実は素材だけで8時間もあったとのこと。オークラはその素材全てを何度も見直しながら編集をしたそうで、その苦労話を聞いた飯塚から思わず「途中でやらなきゃよかったって思わなかったの?」との問いが。その言葉に対して被り気味に「思った」と回答するオークラに観客も大爆笑。素材から決められた尺の中に映像を落とし込んでいくのは作家が台本を書く以上のクリエイティブな作業だそうで、オークラは編集が上手い人を見ると「やべぇ、この人すごい。一緒に仕事したい」と思うらしく、その職人仕事へのリスペクトを語ってくれた。
他にも4~6話までの『モグライダーの解散ドッキリ』については、登壇者全員がドッキリの仕掛け人となった芝大輔の演技を「お見事でした」と大絶賛。「何がホントで何が嘘かわかんないような番組ですよね」という豊本に対して、「ドッキリ部分は本当のドッキリを撮ってるので演出はありません」とオークラがガチ宣言。撮影では想定外の事態が発生していたらしく、「ここまで撮りたいと予定していたものが撮影できる状況じゃなくなっちゃって、その日は撮影を止めて作戦会議をしたこともありました」と裏事情が語られると、飯塚も「そのバタバタ感が作品に出てますよね。ガチだからヒリヒリします」とリアルな空気を感じられる映像の仕上がりについて納得の表情を浮かべていた。
他にも劇中に登場する演出家・鬼崎は、「昔バラエティの現場にいたオラついている先輩ディレクターたち」をイメージして書いていると明かし、「(いい意味で)ホント暴力的な人が多かった(笑)」と思い出話で盛り上がったほか、お蔵入りになった番組についてのヤバイ話など、このイベントだけのマル秘トーク満載の掛け合いに会場は大きな笑い声につつまれた。
最後にスマホ撮影タイムも用意されるサプライズがあり観客たちは大喜び。飯塚が「オークラが『最近久々にテンションが上がった』って言っている作品なんですよ。そうとう良いアイデアだし、良い企画だし、良い作品に仕上がったと思うので、本当に広めていただきたいです!」と登壇者を代表して客席に向けて熱くメッセージを語りかけ、イベントは大盛況のうちに終了となった。
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