JR東海と東急は11月8日、伊豆急2100系「THE ROYAL EXPRESS」で静岡県をめぐるクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」の運行を開始した。
横浜を出発し、三島、静岡、浜松など静岡県内の東海道線沿線地域を巡って横浜に戻る3泊4日の行程で、11月8日発・15日発・22日発・29日発、12月6日発・13日発の計6回設定されている。
1日目は横浜を出発し、富士川で折り返して三島へ。2日目は沼津から出発し、新居町まで走行。3日目は浜松から静岡まで走り、4日目は静岡から横浜に戻る。
「THE ROYAL EXPRESS」は伊豆急行2100系「アルファ・リゾート21」を改造した車両で、内装はドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当。伊豆急行線のほか、北海道や四国でもクルーズトレインとして運行された実績がある。
今回のクルーズトレインは、2023年3月に東急電鉄が新横浜駅に乗り入れたことをきっかけに、東急からJR東海に打診。横浜~熱海間の運行をJR東日本が、熱海~静岡~浜松~新居町間の運行をJR東海が担当する。旅行代金は1人75万円からで、全日程がすでに完売。両社によると、定員の約2倍の応募があったという。
8日発の初回運行には24名が乗車。三島駅では同日、記念セレモニーが行われ、JR東海の丹羽俊介社長、東急の堀江正博社長、伊豆急行の土方健司社長、水戸岡氏、静岡県の鈴木康友知事らが出席して列車の到着を歓迎した。
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▲JR東海 丹羽俊介社長[/caption]
挨拶に立ったJR東海の丹羽社長は、「静岡県は自然豊かで、歴史・文化に富み、美味しい食事もある。ゆっくり景色を堪能しながらその魅力を楽しんでいただけるよう、過去にないような特別なダイヤを組んでお迎えすることにした」と紹介。例えば1日目の行程では、富士川駅で十数分の停車があり、ホームから富士山が迫る景色を堪能できる時間が設けられている。東急の堀江社長は、「これは新幹線ではなかなか経験できないこと。駅のホームで富士山を独り占めする貴重なダイヤを組んでいただいた」と歓迎した。
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▲東急 堀江正博社長[/caption]
また、静岡県の鈴木知事は、「最近は豪華列車が全国各地で大人気。静岡県にもこういう列車が走らないかと期待していたが、今回このような形で実現していただき嬉しく思っている」と話し、クルーズトレインの運行をきっかけに地元の地域資源を活かした観光交流拡大に努めたいとした。