ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか？ ベストスコア「67」の元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。

“かえない男”松山英樹が即投入した『ZXi LS』 画像で前作と顔の違いを比較！

ダンロップは、『スリクソン ZXi ドライバー』を2024年11月9日に発売。『ZXi MAX』、『ZXi TR』、『ZXi LS』と4本同時発売で、『ZXi』は、スタンダードなドライバーというポジションだと推測できます。

『ZXi』のコピーは、“進化したフェース構造「i-FLEX」がスリクソン史上最速のボールスピードを生み出す。大きな飛距離にバランスのとれた操作性と寛容性のZXi ドライバー。”です。

前モデルがカーボンを使わないフルチタンでしたが、『ZXi』は、クラウンにカーボンを使用しています。

『ZXi』のソールを見ると、やや後方のヒールとトウに可変ウェイトがあります。出荷時は、トゥ側に4グラム、ヒール側に10グラムが入っていて、ヘッドが回転しやすくなっているようです。モデルによってウェイトの位置が違って、『ZXi MAX』はヘッドの後方に一つ、『ZXi』と『ZXi TR』は左右、『ZXi LS』はフェースと後方と90度角度が違う位置関係になっています。

名称の語源になっていて、コピーにも出てくる「i-FLEX」というテクノロジーに注目です。史上最薄となったフェースセンター部分を大きくたわませるために、トゥとヒールを肉厚にして、エネルギーを無駄なくボールに伝えるフェース構造にしました。結果として、ダンロップが誇る飛距離を生み出す「REBOUND FRAME」は進化して、前モデルと比較して、初速が速くなったそうです。

「FACE LASER MILLING」は、フェースに施されたレーザーミーリングが、悪条件下でもボールに食いつき、スピンをコントロールして、飛距離性能アップに貢献するテクノロジー。「STAR FRAME CROWN」は、クラウン全体の強度を維持しながら軽量化することを可能にした星形の骨組みです。軽量化で得られた余剰重量を最適配分して、MOIをアップさせ、低重心設計を可能にするというテクノロジーになっています。両方共、新しいテクノロジーです。

『ZXi』は、打つのが楽しみになるドライバーです。ワクワクしながら試打をしました。試打した日は、気温19℃～26℃。曇りでした。使用したボールは、使い慣れていてクラブの機能だけに集中出来る『TOUR B X』です。

【打感・打ち応え】
『ZXi』は、ちょうど良い音量。音質は、濡れた鞭系で残響が美しい通好みの良い音です。打ち応えは、軽めで、乗り感が独特。フェースに長く乗っている感触があります。手応えは、敏感で、芯感は澄んだクリア感があって気持ち良いです。

【弾道・球筋・スピン性能】
『ZXi』の弾道は、高弾道です。少しだけとらえる挙動があります。軽めのドローを打つのが得意なドライバーで、フェードも強いボールが出ます。初速感があり、飛んでいる感じがするドライバーです。

【飛距離性能】
『ZXi』の飛距離は、平均で230ヤード。最長飛距離240ヤード。トップレベルに飛ぶドライバーです。前に、前に、行こうとするボールが出ます。ミスヒットにも強く、ミスしても飛距離があまり落ちません。

【ロマン派ゴルフ作家語る】
『ZXi』は、僕のヘッドスピード40m/sでも性能を引き出せていると感じました。もちろん、もう少しヘッドススピードが速いほうがベストマッチである可能性が高いと思われますが、気持ち良く打てました。

そして、見た目ですが、マットな仕上げのヘッドが高級感を醸し出していて好印象です。

『ZXi』は、上手くチューニングしてある完成度が高いドライバーです。とらえる動きがちょうど良いのです。ボールをつかまえて飛ばしたいゴルファーで、ツアーユースのドライバーを使いたいゴルファーに『ZXi』をオススメします。

右にすっぽ抜けるミスが出にくいので、右に行くボールで悩んでいるゴルファーには強力な武器になる可能性があります。

装着するシャフト、ウェイトの移動と変更、ネックの弾道調整機能で、色々なタイプのゴルファーに対応できるのが『ZXi』だと感じました。スタンダードなドライバーの一つの理想型です。

ただし、そういうドライバーは、けっこう敏感な傾向があり、オートマチックに同じボールを打つよりも、敏感さを生かして、ボールコントロールする使い方が必要だったりするものです。『ZXi』は、少しそのような個性があると考えたほうが良いと感じました。

右に行かないやさしさを利用し、ボールをつかまえて飛距離を稼ぐのが『ZXi』です。

普通に打てば、しっかりと飛距離は出ますので、あとはボールコントロールができるか？ が、『ZXi』の打ち手になれるかどうかの分かれ道になります。オートマチックに打ちたいなら姉妹ドライバーに『ZXi MAX』があります。敏感を楽しんで打ちたいなら『ZXi』なのです。

【試打ギアスペック】
『スリクソン ZXi ドライバー』

ボディ素材 Ti-811 Plus
フェース素材 チタン（Ti72S）
ヘッド体積 460
ロフト角 10.5度※9.0度もあり
長さ 45.75インチ
ライ角 59度
シャフト Diamana ZXi50 （S）

【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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