『さがす』(22)、「ガンニバル」の片山慎三監督が、つげ義春のシュルレアリスム作品を原作に独創的なラブストーリーとして映画化した最新作『雨の中の慾情』が11月29日(金)より公開。この度、衝撃シーンも明らかとなったWEB特別予告が解禁となり、鈴木敏夫、千原ジュニア、河合優実、伊藤潤二、新井英樹ら、本作の魅力に取り憑かれた各界著名人の絶賛コメントが到着した。
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アジア映画で史上初めて米アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督の助監督として研鑽を積み、長編映画デビュー作『岬の兄妹』(18)で日本映画界に衝撃を与えた片山監督。予測不能の展開が話題を呼んだ『さがす』(22)や、国内はおろかアジア圏で高く評価された「ガンニバル」など、センセーショナルな作品を次々と世に送り出してきた片山監督が新たに挑むのは、今年デビュー70周年を迎える「ねじ式」、「無能の人」などで知られる伝説の漫画家、つげによる短編「雨の中の慾情」の映画化。メインキャストは成田凌、中村映里子、森田剛。二人の男と一人の女のせつなくも激しい性愛と情愛が入り交じる、数奇なラブストーリーが誕生した。
今回解禁となったWEB特別予告は、壮絶な戦争シーンから始まる衝撃的なもの。成田演じる義男が「福子さん」と口にしながら、激しい戦闘が繰り広げられる中を辿々しい足取りで進み、その直後には兵士の姿のままの義男が、街中を駆け巡っていく。本作を手掛けるにあたり片山監督は、「あとから思い返してみると『あれはこういうことじゃないか』と観た人の間で話し合えるような、解釈の幅がある作りにしたいなと思っていました。というのも、観ている人によって意味が変わって、色々と話したくなるようなものが最近の映画の在り方なんじゃないかと感じるんです」と明かしており、二人の男と一人の女の濃密なラブストーリーを軸に、全く先の読めない規格外のストーリーで観る者を圧倒する衝撃作として作り上げたという。
作品の全貌を知った時、出所がわからない、なのに狂おしいほど切実な感情に支配される、かつてないラブストーリー。次々にシーンが切り替わり、観る者を翻弄する衝撃的かつ野心的な映像になっている。
さらに、本作を一足早く鑑賞した著名人たちから、その唯一無二の世界観と誰も観たことのない数奇なラブストーリーの魅力に取り憑かれた絶賛コメントが到着。ジャンルや年齢、性別といった壁を超越し、スタジオジブリの鈴木や芸人の千原、俳優の河合に、漫画家の伊藤、新井など、多くの人がつげ義春×片山慎三監督の独創性あふれる世界の虜になっている。
そんな本作は、撮影地となった台湾で行われる第44回台北金馬映画祭にて凱旋上映されることも決定しており、現地時間11月7日(木)から24日(日)の開催期間において、本作の上映は11日の夜に行われる。売れない漫画家、義男を演じた主演の成田、魅惑的な未亡人の福子を演じた中村、自称小説家の伊守を演じた森田らが、現地にて舞台挨拶を実施する予定だ。
つげ義春ならではの世界観をベースに、片山慎三監督が独創性溢れる数奇なラブストーリーとして創出した『雨の中の慾情』。観客の脳、目、耳、心をかつてない映画体験へと叩き込む衝撃作に期待してほしい。
■<コメント>
●鈴木敏夫(スタジオジブリ)
「いま、自分が生きている世界とは別の、もう一つの世界が存在する。そんな感覚に襲われた人はこの映画を見た方がいい。その感覚が、そのまま映像になっている。ぼくは実感した―。映画が新しい時代に入ったことを」
●千原ジュニア(芸人)
「これは白黒の原作が秀逸な脚本で彩色され、美しい役者たちの魂が吹き込まれた上質で笑えるコメディ映画だ」
●河合優実(俳優)
「主人公がたどる時間の顔つきが、みるみるうちに移り変わっていく。知らないほうへとどんどん転がって気がついたら二度と戻れない場所にきている。映画の世界は必ずしも写実的ではないのに、終わってしまうとなにか痛切な、不可逆さみたいなものを感じた。映画を作った人たちに話が聞きたい」
●伊藤潤二(漫画家)
「夢とうつつが交錯するつげ義春の不条理な世界が、魅力的なキャストによって映像に焼き付けられました。つげ漫画に流れるやるせなさが巧みに表現されていて引き込まれました」
●新井英樹(漫画家)
「『つげ義春と片山慎三、そりゃ相性いいでしょ』。と思って観たら…驚愕の新世界!表現者の核『これがやりたい』慾情が爆発してた!予想、想像を超えた熱とイメージの万華鏡に痺れまくった!」
●見城徹(編集者)
「『岬の兄妹』から『さがす』を経て、ここまで来たのかという感嘆!片山慎三の想像力の世界に犯されて身じろぎも出来ない。何という劇場の中の官能。村上龍の芥川賞受賞第一作の長編『海の向こうで戦争が始まる』を一瞬思い出したが、それとも違うオリジナルな世界だった。成田凌、中村映里子、森田剛、竹中直人が熱演。こんな映画はかつて無かった。観て直ぐに仕事の会食だったが、会食が終わったいまも片山慎三の極彩色の夢の世界にうなされている。『雨の中の慾情』から『戦場の官能』へ。僕はまだ勃起したままだ。僕は目の前で確かに戦争を見た」
●ジェレミー・トーマス(映画プロデューサー)
「『雨の中の慾情』は、とても興味深く、強烈な漫画を創り出すアーティストの頭の中にいるようで、先鋭的で独創的な世界を見せてくれる。これは、思慮に富み、力強い映画だ」
●鈴木麻美子(鈴木敏夫プロデューサー長女、作詞家、著書「鈴木家の箱」)
「土砂降りの雨の中で抑えきれなかった義男の欲情が、ただ1つの強烈な感情として全編を通してひたすら描かれる。その切実なまでのヒリヒリ感が観客を魅了して目が離せなくなる。めちゃくちゃな世界で、情愛だけがホンモノだと感じさせる映画だった。それはあまりに美しい、偽りの夢だった」
文/平尾嘉浩
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