本田望結が明かす、主演映画『カーリングの神様』の舞台裏「御代田のみなさんが応援する姿はすごくリアル」

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本田望結が明かす、主演映画『カーリングの神様』の舞台裏「御代田のみなさんが応援する姿はすごくリアル」

11月7日(木) 7:15

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『カーリングの神様』公開記念

本田望結インタビュー(後編)

photo by Fujimaki Goh

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――映画『カーリングの神様』は、オール長野ロケでメインの舞台は御代田町でした。『カーリングホールみよた』はどんな場所でしたか。

「すごくアットホームな雰囲気で、年季が入っている感じでしたけど、そこが"リアル"で、あの場所で撮ることができてよかったと思います」

――『カーリングホールみよた』よりも規模の大きい、軽井沢町の『軽井沢アイスパーク』での撮影もありました。

「軽井沢のリンクはとても大きくて、観客席もたくさんあって、すばらしい施設ですよね」

――作中では、「軽井沢なんて、金と知名度にモノを言わせて威張っているだけのつまんない町」とか「御代田はそのつまんない町のコバンザメ」といった、チームメイトによる踏み込んだセリフもありました。

「そのあたりは、映画のなかで強く出したかった部分だと思います。軽井沢のリンクは大きくて立派で、それに比べると御代田のリンクは小さくて古い。でも、(御代田のリンクも)改良して使いやすくしていたり、カーリングに対する取り組みや地元の温かさというのは、(軽井沢だけでなく、カーリングが盛んなほかの町とも)決して簡単には比較できないものだと思います」

――試合のシーンでは、地元のみなさんが参加してくれたと聞いています。

「そうなんです。御代田にお住まいのみなさんが会場に来て応援してくれました。あくまでもお芝居、映画のなかではあるのですが、御代田のみなさんが地元の『みよステラ』(作中のチーム)を応援する姿はすごくリアルになっていると思います。あのリンクで(撮影ができて)本当によかったです」

――作中では軽井沢の強豪『軽井沢EC』が『みよステラ』のライバルとなりますが、本田さんご自身、フィギュアスケーターとしてライバル的な存在はいらっしゃいましたか。

「フィギュアをやっていると、『この子はライバルかな』とか『今後、ひょっとして競ったりするかもな』という存在は、やっぱり出てくるんです。けれど、たとえば『その人に勝つ』という目標を立てたとしても、その方が競技をやめてしまったり、自分でコントロールできないところで目標を失ってしまったりしたら、自分のなかで消化できなくなってしまいます。

ですから、他者に勝つとか、そういう不安定な目標を作ることはやめました。それに今は、(女優として)みなさんが小さい頃の私をイメージしてくださっていることが多いですし。そんななかで、『えっ、あの時の望結ちゃんがこんな役をやるの?』とか、『本田望結も大きくなったな』とか感じてくださるような、みなさんを驚かせるようなことを、ずっとしていきたいなと思っています」

――役とともに成長できれば、ということでしょうか。

「そうですね。昨年、NHKの朝ドラ『らんまん』で、家族でお酒を飲むシーンがあったんです。当時はまだ10代だったので、『お酒の入った器ってどういうふうに持つんだろう』とわからないことがたくさんあって、『ああ、私って、まだまだやっていない役がたくさんあって、まだまだ挑戦できる』と知りました。この先も、ずっとお芝居を続けていける理由のひとつです」

――そうしたなか、今回は高校生役でしたから、制服を着ることになりました。

「現役(の高校生)じゃないので、コスプレですね(笑)。(チームメイト役には)現役の高校生の子もいたので、その子たちと比べると、ちょっとソワソワしました。でも、基本的にはみんな、リンクで練習着かジャージかみたいな感じですから、見ている人に『高校生の映画』だとわかってもらうシーンでもある制服姿は、アクセントになっていると思います」

――最後に、『カーリングの神様』というタイトルにもあるように、スポーツの世界ではそういった目に見えない何かが存在すると感じていますか。

「フィギュアもそうですけど、スポーツの神様は、私は本当にいると思っています。どのスポーツにも順位があるわけですが、どれだけ練習をしてきたかなんて誰も見てくれていませんから、結局は本番がすべて。『練習でできたのに、なんで本番ではできないんだ』っていう怖さや難しさが誰にでもあって......。そこがスポーツの面白さでもあったりするんですけど、でも逆に、練習で取り組んできてもなかなか完成までたどりつけなかったことが、本番でポロッと完璧にできたりすることもあるんです。そういうときに『あれ?誰かが見てくれていたのかな』って、ふと思います。それが、神様なのかわかりませんが」

――本田さんご自身もそういう経験があったのでしょうか。

「まるで魔法のように次々と技が決まったり、その時間がしばらく続くことはあるんですが、それはそこまでの過程で通ってきた道もあるので、(神様の恩恵を受ける)資格のようなものは必要だと思います。そういったことも含めて、この映画は天才が現われて駆け上がっていくとか、チームが快進撃を続けて世界一になるといったスポーツ映画ではなくて、誰の身にも起こる小さな奇跡の話です。最終的には神様はどう動くのか――という面白さがあると思います」

(おわり)

本田望結(ほんだ・みゆ)

2004年6月1日生まれ。京都府出身。3歳から芸能活動を始め、ドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ)への出演が話題になり、その後、数多くの映画、ドラマに出演。近年の出演作はドラマ『らんまん』(NHK)、映画『きさらぎ駅』、『それいけ!ゲートボールさくら組』など。フィギュアスケーターとしても活躍中。

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