11月6日(水) 2:20
2024年10月からの児童手当の新制度では、基本的に多くの家庭で追加の申請は不要とされています。しかし、以下の3つの条件のいずれかに該当する場合は、改めて申請が必要です。
(1)高校生年代の児童だけを養育している家庭
(2)中学生以下の児童を養育しているが、所得上限限度額を超過し、児童手当も特例給付も受給していない家庭
(3)大学生年代の子どもを入れると、子どもの人数が3人以上となる家庭
例えば、小学生の子どもが2人いる家庭において、「改めて申請が必要」なのは、(2)に当てはまる場合以外ありません。つまり、児童手当の申請を改めてしたということは、これまで所得制限により児童手当をもらっていなかった家庭であることを意味します。
2024年9月までの児童手当の制度では、夫婦のどちらかが一定の所得を超えると特例給付(児童手当の金額が5000円に減額)、さらにもう1段階設定されている所得上限を超えると特例給付も受けられませんでした。
具体的には、夫婦のどちらかが専業主婦(夫)で扶養に入っており、子どもが2人いる家庭では、年収がおよそ1200万円を超えると、児童手当も特例給付も受けられなかったのです。
つまり、小学生の子ども2人のみを養育する家庭にもかかわらず、10月からの児童手当受給のために申請が必要だということは、夫婦のどちらかが「年収1200万円以上」であることを意味します。何気ない会話から、年収が伝わってしまうのです。
児童手当の申請の有無だけではなく、普段の会話でも年収が知られてしまうことがあるので注意が必要です。
例えば、保育料は世帯収入(正確には支払う住民税の金額)で決まります。「保育料が◯万円って高いですよね」という会話で、年収をある程度予想されてしまうかもしれません。
ふるさと納税は、所得によって(自己負担2000円で)寄付できる金額に上限があります。「この前◯万円ふるさと納税して、特産品をもらったんです」という会話も年収を推測する材料になるのです。
2024年10月の児童手当改定では、「高校生年代も児童手当給付の対象になった」「所得制限の撤廃」「大学生年代も兄弟等としてカウントできる」という変更が行われます。
改めて申請が必要なのはこの3つのいずれかに関わる家庭です。「子どもは小学生だけの家庭なのに申請が必要」ということは、「これまで所得制限で児童手当をもらえなかった家庭」であることを意味するため、年収がバレたくない人は、申請したという事実は伝えないほうが賢明です。
このほか、保育料の金額やふるさと納税の金額などが年収バレのきっかけとなることがあるため、年収を周囲に知らせたくない人は、人との話題には細心の注意を払いましょう。
こども家庭庁 もっと子育て応援! 児童手当
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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