【第1話】から読む。
前回からの続き。私はヒトミ。兄と妹がいて、3人きょうだいの真ん中です。実家からすぐ近くのところに夫と2人で住んでいます。父が亡くなり、死亡保険金の受取人が私の名前になっていたことで、私たちは揉めてしまいました。「このまま3人きょうだいがバラバラになってしまうのでは」と心配していた私でしたが、少し経ったころに兄から「実家に集まってほしい」と連絡が。はじめこそ気まずさがあったものの、3人で実家の思い出話をしているうちに、私たちは少しだけ素直になることができました。そして、再び話し合いをはじめることにしたのです。
私の告白で当時の誤解が少しだけ解けたこともあり、心なしか兄も妹もいつもより和やかな雰囲気です。大人になってからは3人で集まること自体まれでしたし、2人の笑顔を見たのも久しぶりでした。さてあれこれと話をしたあと、兄が「ところで……」と場を仕切り直しました。
兄は、私が父の手伝いをしていたことや最期を見届けたことなどから、保険金は全額受取ってもいいのではと言いました。先日は言い争ってしまった妹も、兄の意見に賛成してくれています。なので、私は保険金を全額受取ることにしました。
父から「保険金以外のものは3人で仲良く分けなさい」と言われたことを話すと、妹はどこかほっとしたような、嬉しそうな顔をしていました。
最初の話し合いのときにきちんとそのことを伝えられていれば、もしかしたら揉めてしまうこともなかったのかもしれません。
実家で3人で話していると、子どものころをあれこれと思い出しました。保険証券の件で会ったときには兄や妹のつらい記憶ばかりで苦しくなってしまいましたが、この家には楽しかった思い出もちゃんとありました。3人で家の中をまわりながら、当時に戻ったような気持ちで楽しむことができたと思います。
あらためて相続について話を切り出した兄からの提案は、保険金は私が全額、そして家と土地は売って兄と妹で分けるというものでした。私たち3人は全員これに合意。今度はトラブルになることもなく決めることができました。
今後何かあったときには、きょうだいで支え合っていければと思います。
原案・ママスタコミュニティ脚本・motte作画・ちょもす編集・海田あと
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