11月6日(水) 1:50
24時間換気システムを導入したからといって、電気代が突然高くなるわけではありません。ポイントを抑えていれば、電気代が高くなることを防げる可能性もあります。
全国家庭電気製品公正取引協議会によると、現在の電気料金の目安は令和4年7月22日に改訂された税込31円/kWhです。ここでは、消費電力50Wの換気システムを24時間使用した場合で計算してみましょう。
「0.05kWh×24時間×30日×31円/kWh=1116円」となり、これが1ヶ月の電気料金です。つまり、24時間換気システムを導入したからといって、電気代が家計を圧迫することはまずないと考えられます。
24時間換気システムは、換気方式によって電気代の上がり方が異なります。自然に換気するシステムには電力は不要です。しかし、機械的な換気や熱交換の換気をするときは、ファンやモーターの起動により電気代がかかります。
例えば、戸建て用の24時間換気システムの場合には、表1のような違いがあるので参考にしてください。
表1
24時間換気システム | 給気方法 | 排気方法 | 電気代 |
---|---|---|---|
第1種換気方式 | 機械的 | 機械的 | 高い |
第2種換気方式 | 機械的 | 自然 | 安い |
第3種換気方式 | 自然 | 機械的 | 安い |
出典:三菱地所ホーム株式会社「24時間換気システムは電気代が高い? デメリットを解消するヒント」より筆者作成
電気代が安いのは第2種換気方式、第3種換気方式です。ところが、第2種換気方式は結露が発生しやすく、湿気を取り除く空調機が別途必要になるため住宅には向かず、第3種換気方式は外気が室内に入り込むという特徴があります。
快適さが期待できるのは第1換気方式ですが、他の換気方式に比べて電気代が高くなるというデメリットがあります。24時間換気システムを導入するときは、システムの特徴が電気代にどう影響するかを考えておくことが大切です。
実は、24時間換気システムそのものを理由に電気代が高くなるわけではありません。室内で快適に過ごすために他の機器を使うことによって、電気代が高くなってしまうことがあるのです。
第3種換気方式の24時間換気システムを設置すると、外気を取り入れて換気するため電気代は安いものの、夏は暑く冬は寒いというデメリットがあります。
快適な室温を保つためには、冷暖房器具が必須です。エアコンを使用する場合は、暖房のほうが消費電力は多くなる特徴があります。
暖房を最大消費電力1490Wで使用した場合、電気代は「1.49kWh×24時間×30日×31円/kWh=3万3256円」です。冷房の最大消費電力900Wで使用した場合、電気代は「0.9kWh×24時間×30日×31円/kWh=2万88円」となります。
外気を取り入れる換気方式を選んで節電に繋げても、冷暖房を必要とする季節の電気代は高くなってしまう可能性があります。
一方、戸建てに24時間換気システムを導入するとき、電気代が安いからといって第2種換気方式のシステムを設置すると、結露が発生しやすくなります。室内の湿度を下げるために除湿機やエアコンの除湿運転を使用すると、電気代は上がります。
例えば、空気を循環させるサーキュレーターを使って除湿する場合の電気代を考えてみましょう。使用電力が590Wで24時間使用した場合「0.59kW×24時間×30日×31円/kWh=1万3168円」の電気代がかかります。
第1種換気方式と第2種換気方式で比較したとき、湿気対策を考えると、24時間換気システム単体では電気代が高くても、結果的に第1種換気方式のほうが電気代は安くなる可能性があります。
24時間換気システムは、設置することで電気代がはね上がるわけではありません。換気システムの種類によっては、デメリットをカバーするために電気代が発生することがあるのです。
節電しながら家計への負担を避けたいなら、24時間換気システムの特徴を理解し選ぶことが大切です。
全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
三菱地所ホーム株式会社 24時間換気システムは電気代が高い? デメリットを解消するヒント
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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