【写真を見る】ガーリーなワンピース姿の伊達さゆり
『ラブライブ!スーパースター!!』澁谷かのん役、同作品のスクールアイドルグループ・Liella!のメンバーとしても活動する声優・伊達さゆり。彼女のバースデーイベント(2024年9月30日開催)を記念して制作されたオリジナル曲「1up!」「ラブソング」「プレゼント」が各音楽配信サービスにて配信中だ。今回、自身が作詞を手掛けた「プレゼント」の制作秘話を中心に、楽曲の魅力について語ってもらった。
■「ありがとう」と言えたらよかったんですけど、その前に言うべきことがある気がしたんです
――「プレゼント」は、『伊達さゆりBirthday Party 22nd 〜ぼくに僕からのプレゼント〜』で披露したオリジナル曲「1up!」「ラブソング」と同じ時期に制作していたんですか?
ほぼ同時進行で制作していて、レコーディングは「プレゼント」が最後でした。これまで自分名義の楽曲を制作していなかったので、自分の歌声や個性を模索しましたが、繰り返し挑戦する中で納得のいく表現をすることができました。
――「1up!」「ラブソング」は楽曲制作陣にメロディの方向性などをリクエストしていましたが、「プレゼント」では?
特にリクエストはしませんでした。2、3年前から「いつかこういうことを歌いたい」という言葉をノートに書き留めていて、自分の中にはイメージがなんとなくあったんです。何曲か候補をいただいて、「この歌詞に合う楽曲はどれだろう」「明るすぎてもこの歌詞には合わなそうだな」と考えて、そのイメージと照らし合わせながら楽曲を選びました。
――伊達さんの中では、どのような楽曲 / 歌詞にしたいと考えていましたか?
この世界に足を踏み入れるきっかけになったオーディションを受けた頃から、今までの自分のストーリーを書きたいと思っていました。2021年頃からこのお仕事を始め、いろいろなことを経験する中で、時にはもやもやすることもあって…。悩んでいるときは歌と向き合うことが苦しく、自分の言葉で歌詞を書こうとは思わなかったんです。いつかそのもやもやが晴れるときが来たら、(自分名義の)歌をつくってみたいなと考えていました。今あらためて振り返ってみると、そのもやもやしていた時期は、とても大切な経験だったんだなと実感しています。
――「プレゼント」は自身の心情をリアルに書き綴っていますね。
最初はファンの皆さんへの感謝を書こうと考えたんです。でも、その前に「ごめんね」と謝りたい気持ちがありました。私はライブのMCなどの場で、皆さんに不安な姿や心配させる言動をさらけ出してきてしまったので…。それも含めて「ありがとう」と言えたらよかったんですけど、その前に言うべきことがある気がしたんです。それは、たぶん「ごめんね」という言葉ではないけど、「あのとき、私はこう思っていました」と伝えた上で「ありがとう」と言いたかった。だから、まずは自分の気持ちを聴いてほしいという思いで歌詞を書きました。
■私は歌詞のほうがちゃんと伝えられるかなと思っています
――自身の気持ちを表現するとき、言葉として発するのと歌詞にするのでは、どちらが性に合っていると思いますか?
私は、面と向かうと、伝えたいことをちゃんと伝えることができないタイプ。イベントで皆さんに向けて話すときも、おふざけに走ってしまったり、緊張で言葉が飛んじゃったり…。でも、それが歌詞になると「本当に伝えたいことは何だろう」と何度も自問自答して、じっくり考えられるので、私は歌詞のほうがちゃんと伝えられるかなと思っています。
――今回、作詞をするにあたり、難しい部分はありましたか?
書きたいテーマは明確だったので、まずは書き留めたノートの言葉を拾っていくことからスタートしたんです。テーマから考えるわけではなかったので、そういった点ではあまり時間はかからず歌詞を書くことができました。ただ、プリプロ(プリプロダクション)のときに歌詞をつくってからレコーディングまでに少し期間が空いたので、レコーディング当日の歌入れ30分前くらいに少し書き換えたりしたフレーズはありました。
――何か気になったことがあったのですか?
作詞している段階でも歌ってみたり口ずさんでみたりしていたんですけど、実際にマイクの前に立って今後歌っていくことを考えたときに「この言い回しだと自分の言葉じゃないかも」と感じたんです。(「プレゼント」の)<ただひとつの声が聴こえなくなる前に>という歌詞があるんですけど、最初は<聴こえなくなる前に>ではなくて<笑えているように>だったんです。でも、これは私じゃない気がして…。「笑顔」「笑う」という言葉も入れたかったんですけど、今回は自分の気持ちがもやもやしていたときに歌詞を書いたので、<聴こえなくなる前に>と変えて、ちょっと切なさを出しました。あとは、2サビの<ただ空へと向かって>という部分。最初は「空へ」だったんですけど「空へと」に変えました。意味としては変わらないけど、「と」が入ることによって、呼吸の仕方やリズムが取りやすくなりました。
――「プレゼント」の歌詞に出てくる「あしあと」は、あえて1st写真集のタイトルと同じひらがな表記でしたね。そういったファンの方が楽しめるワード選びは意識していましたか?
はい。毎年開催してもらっているバースデーイベントのサブタイトルは自分で考えているのですが、1回目は『みんなとなら今日もきっとステキな日』、2回目は『好きな色に着替えて』でした。そして、今年は『ぼくに僕からのプレゼント』。その時系列に沿って、1Aメロの最後に<ステキ>、1サビの最後に<色>、2サビの最後に<ぼくに僕からのプレゼント>というワードを入れています。これは絶対にやりたかったことなんです。ただ入っているだけじゃなくて、自分のストーリーや心情に合った入れ方ができました。気づいてくださるファンの方がいたらうれしいです。
■やっぱり歌うことが好きなんだなと再認識しました
――「プレゼント」というタイトルは最初から決めていましたか?
最初からなんとなく「このタイトルにしようかな」と考えていたのですが、制作していく中でだんだんと「これだ!」と思うようになりました。歌詞に<ただひとつの声を><ただひとつの声が>と「声」というワードがいっぱい入っているので、「ただひとつの声」というタイトルも考えたのですが、「歌詞ならいいけどタイトルとしてはちょっと違うかも」と思ったんです。今回はバースデーイベント開催記念の楽曲なので、この曲を自分にプレゼントするという意味もありますし、贈り物みたいなニュアンスにできたらいいなと思い、「プレゼント」というタイトルにしました。
――今回の楽曲制作を通して、自身の中で何か実感することはありますか?
自分の素直な気持ちや思っていることを歌にして表現することがとても楽しかったし、やっぱり歌うことが好きなんだなと再認識しました。あと、自分と向き合ったことは結構大きいですね。それにより、いろんな気付きや考えを整理できたことが、今後の活動においていい経験でした。
――オリジナル曲は現在配信中ですが、皆さんの反応が気になるところですね。
まだ恥ずかしい気持ちもありますが、待ってくれていた皆さんに私の楽曲を届けることができて、とてもうれしいです。作詞を担当した「プレゼント」は、いろんな人に共感してほしくて書いたというより、私の今までのことをただただ綴り、(私の)感情を最大限に詰め込みました。過去の心情、そして最後には「明日」という未来のことを歌っています。もやもやしたときに聴いていただくと、未来がちょっと明るく見えるような楽曲です。この楽曲を聴いたら、楽しかったバースデーイベントのことや、私との思い出をふと思い返してもらえたらうれしいです。
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