11月6日(水) 5:10
最初に「贈与税」について簡単に振り返っておきましょう。財務省は贈与税について以下のように説明しています。
「贈与税は、個人から贈与により財産を取得した個人に対して、その財産の取得の時における時価を課税価格として課される税で、相続税の補完税としての性格を持っています」
要約すると、第三者から財産をもらったときに、その価値に対してかかる税金が贈与税です。
贈与税の計算は、1月1日から12月31日までの1年間に第三者から受け取った財産の合計額から、基礎控除額である110万円を引いた額に贈与税率を掛けて行います。
結論からいうと、今回のケースのように親から車をもらう場合にも、贈与税がかかることがあります。
贈与税の対象となる「財産」は、現金だけではありません。以下のようなものも財産として見なされることがあります。
●自分が掛け金を負担しないのに、生命保険や損害保険の保険金を受け取った場合
●著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合
●対価を支払わないで、借金の免除をしてもらった場合
●対価を支払わないで、不動産や株券の名義を自分に変更してもらった場合
●返済能力もないのに、親兄弟などからあるとき払いの催促なしで多額の借金をした場合
金銭的価値があるものは贈与税の課税対象になるとイメージしておくといいでしょう。一般的に車の購入には数十~数百万円の支払いがかかるため、車の贈与税の対象になると考えることが自然です。
車の授受に贈与税がかからないパターンは、1年間で車の価値とほかにもらった財産が110万円を超えないケースです。先ほどご紹介したように、贈与税の基礎控除額は「110万円」です。贈与を受けても、110万円までは控除してもらえるため、年間110万円を超えなければ贈与税が発生しません。
では車の価値をどのように算定するかというと、買い取り価格を参照できます。買い取り業者に見積もりなどを取ってもらい、その価格を参考として、ほかの年内に贈与を受けたものと合算したときに110万円を超えなければ贈与税は発生しないでしょう。証拠として査定資料は手元に取っておくといいでしょう。
車を親からもらう場合、車とそのほかにもらった財産の価値が年間110万円を超える場合には贈与税の対象となります。まずは譲り受ける車の査定価格を調べ、年間110万円を超えるかどうか確かめることをおすすめします。
財務省 贈与税に関する資料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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