映画『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』の本編画像をアップデートした「特別版」第2弾の上映を記念した舞台挨拶が、11月1日(金)に東京・グランドシネマサンシャイン池袋で開催された。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、2000年代初頭に一大ブームを巻き起こしたTVアニメシリーズ『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DISTENY』の続編として制作された、『ガンダムSEED』シリーズ20年ぶりとなる完全新作劇場アニメ。2024年1月26日(金)より公開されるや観客動員数は288万人、興行収入は48.2億円超とガンダムシリーズ劇場公開作品の中で歴代ナンバーワンとなる大ヒットを記録。劇場の大スクリーンで古参から新規まで多くのファンを魅了し続けた後に、惜しまれながら5月23日(木)をもって全国規模での劇場上映は終了となった。
この映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のBlu-ray4K UHD-BD&DVDが12月25日に発売されるのに先駆け、500カット以上ものアップデートされた本編映像と第1弾、第2弾でそれぞれ異なるエピローグカットを追加した特別版の期間限定上映が決定。9月20日(金)より第1弾の上映がスタートするや公開直後から劇場には多くのファンが駆けつけ、9月26日(木)までに観客動員数300万、興行収入50億円の大台を突破。あまりの好評を受けて一部劇場で10月31日(木)までの上映延長が決まったほか、「『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』自動制御ペンライト演出付き 発声可能応援上映」の実施も決定するなど、その人気はいまだに衰えを見せないでいる。
そんな好評だった第1弾に続いて、エピローグカットが異なる特別版第2弾が11月1日(金)から11月14日(木)まで期間限定で上映予定。その公開初日に開催された今回の舞台挨拶では、イベント開始とともにスクリーンにTVアニメとも映画本編とも違う驚きの新規映像が上映されることに。30秒ほどの映像の最後に『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』の制作決定の文字が映し出されると、会場からは悲鳴のような大きな歓声と拍手が。そんな会場の興奮が覚めやらぬ中、キラ・ヤマト役の保志総一朗、福田己津央監督、仲寿和プロデューサーの三人がステージに登壇。
舞台開始の挨拶で福田監督は新作『ZERO』について「皆さんのおかげで先ほど見ていただいた映像ができるかなぁという感じになりました」と一言。微妙な言い回しに「え?」と不安がる保志に「僕の作業はほぼ終わってます。なぜかというと20年前に作ってたから(笑)」と意外な裏話を披露しつつ、「それがこういう場で発表できるようになったのは、皆さんの応援のおかげだと思っています」と感謝の言葉を口にしていた。
【関連画像】登壇イベントの様子や『ZERO』のタイトルロゴを見る(4枚)
トークでは、まず観客動員数300万、興行収入50億円突破の快挙を成し遂げたことについて。保志は「5月のフィナーレで一旦区切りがついたところではもう一押しみたいな感じでしたが、ようやくこの数字になりました。すごくホッとしたというか達成感があります」と率直な感想を。また仲プロデューサーも「このリバイバル上映も皆さまの支えがあったからこそ。お客さんのおかげというのはこういうことなんだと経験させてもらいました」とコメント。
福田監督も「良かった点はこの後も仕事もらえるだろうなっていうことかな(笑)。次の作品を作れるということは、ひとつの作品が成功するからであって、それは『FREEDOM』を皆さんと一緒に作り上げてきた結果だと思います。本当にありがとうございます」と感謝の想いを語ってくれた。ただどうしても『ZERO』のことが気になるらしく、トークの最中である保志に「出てた?」「アフレコやったもんね」「『ZERO』のキラって『DISTENY』の後だからさ」などチャチャを入れまくり。そんな『ZERO』について語りたくて仕方がないようすの監督を、「MCの進行があるんで」とたしなめる仲プロデューサーに会場は大きな笑い声につつまれた。
そして話題は特別上映で流れる新作カットのエピローグに。第1弾のエピローグカットについて「『FREEDAM』のアフレコではラクス(田中理恵)とのラブラブを一緒に録ることができなかったんです。ようやくこのエピローグで一緒に録れました」と嬉しそうに語る保志は、「監督もけっこう理恵ちゃんに演出されてましたよね」と収録の思い出を披露。それを聞いて監督も「キラには甘めにということは言ったような気がします」と当時のディレクションを語ってくれた。
ただ保志は「ラクスとそういう幸せな雰囲気のアフレコをふたりでできたのは嬉しかった」と言いつつ、ファンからの声を聞いた感想としては「でも、ちょっとエッチだったのかなって」と苦笑気味の表情に。仲プロデューサーによるとあのエピローグについては「ちょっとエッチすぎるのではないか」とギリギリのラインを探ったようで、「監督には申し訳ないですけど、何回か相談させていただいてあそこに着地しました」と完成に至るまでの苦労のほどを語ってくれた。
福田監督もラクスの「エッチですわね」のセリフで客席の笑いを誘いつつ、「絵コンテはもうちょっとエロかったかもしれない」と回想。リテイクを加えただけでなく、尺的な問題もあって大幅に削ったそうで、「頭1分ぐらい切ったんですよ。お尻も4秒ぐらい切ったんです」と解説する福田監督に「あそこで終わりじゃなかったんですね」と保志も驚きをあげていた。
そんなエピローグだが収録ではカットされた部分も全部録っていたそうで、幻のシーンとなった4秒については「妄想してください」と保志がニヤリ。それを聞いて「それは生殺しだな……」と、さすがにファンの心情に心を痛めたのか福田監督の口からは「そのうちどっかでシナリオ出しちゃおうか」という嬉しい言葉が、その温情あふれる一言に観客からは大きな拍手がおくられていた。
そしてトークは冒頭の新作『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』についての話題に突入。「『FREEDOM』がヒットしなければ確実にお蔵入りしていた作品」だったという『ZERO』だが、シナリオまでは完全にできていたという。絵コンテも半分近くまで描かれていたそうで、「最古の絵コンテが20年前」と語る福田監督に会場からはざわめきが。映画の絵コンテよりも前に制作が進んでいたこともあって、ダガーやウィンダム、ジンが登場しての戦闘シーンやキラとラクスの砂浜のシーンなど映画『FREEDOM』に移植した部分も多々あったとのこと。企画としては映画をやるにあたって”MSV”的な展開で何かできないかとバンダイからオファーを受けた作品だったらしく、OVAとして制作が予定されていたそうだ。
特に『DISTENY』から『FREEDAM』へと繋る物語となっている関係上「ここはどうなっていたの?」という部分は大きく扱われていたという。また映画ありきの企画ということもあって「閑話休題じゃないですけど、一呼吸おくような話になっています」など福田監督の説明に観客たちは興味津々といったようす。現状の制作状況については「少し加筆しました」とコメント。展開される媒体についてはまだ未定としか言えない状況だと語ってくれた。
MCからの「20年待たなくていいのですか?」との鋭い質問が飛んだ際には、「何があるかわからないですからね」と顔を見合わせる保志と仲プロデューサーに対して、福田監督からは「いや、でももうアフレコ録っちゃいましたからね」といった制作順調を感じさせる証言も。キラについては「僕も少しは出ているんですよ」という保志に「映像は平和そうでしたね」と福田監督。実際この日に公開された特別映像でもラブラブな雰囲気を感じられたこともあって、保志は「ラクスとイチャイチャしてましたし、幸せそうでしたよ」と『ZERO』への期待感を漂わせながら嬉しそうに語ってくれた。
舞台挨拶の後半には今回参加できなかったシン・アスカ役の鈴村健一と、アスラン・ザラ役の石田彰からの手紙がサプライズで披露されることに。鈴村は映画公開後に連絡を取っていなかった友人や知人から「面白かった」「最高だった」といった熱すぎるメッセージが届いたそうで、「改めてこの作品の影響力を実感した」と嬉しそうな文面で報告。石田は10月29日がアスランの誕生日だったことに触れ「アスランおめでとう!あなたの一部として声優人生を歩めて良かったです」と感謝の想いを綴ってくれた。
最後に保志が「僕は出演者ですけど、どちらかというと気持ち的にはファンの代表として、これから『ガンダムSEED FREEDOM』、そして『ZERO』がどうなっていくのか皆さんとドキドキを共有しつつ、完成を楽しみに待ちたいと思います。20年後か30年後かわかりませんが(笑)。ぜひ自分の目で見たいですね。特別版第2弾の感想は、新しくなったエピローグが面白かったです。この意味は見ていただけたらよくわかるはず!ぜひ楽しみにしていてください!」とファンへ熱い想いを語りかけ、和気あいあいと進んでいった舞台挨拶は大きな拍手につつまれながら終了となった。
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