【写真】そこに愛はあるのか…?アガサとリオの死闘も展開
“稀代のヴィラン”アガサ・ハークネス(キャスリン・ハーン)が主人公のマーベル最新ドラマ「アガサ・オール・アロング」の第8話「続け友よ栄光の地へと」と最終話となる第9話「乙女母老婆」が10月31日に配信された。アガサら魔女団とビリー・マキシモフ(ジョー・ロック)の“魔女の道”の旅の結末…そして多くの伏線回収もあり、ついに物語が完結。配信日の10月31日といえばアメリカではMLBのワールドシリーズや、ハロウィン関連のワードが多く投稿されていたが、それらに負けじと「#AgathaAllAlong」もX(旧Twitter)のトレンドランキングに上位に食い込むなど、最終週まで大きな話題を集めた。(以下、ネタバレを含みます)
■ビリーが“死の世界”に連れ去られる…?
第8話「続け友よ栄光の地へと」では、前話で“死神”だと判明したリオ・ヴィダル(オーブリー・プラザ)は、ティーンがウィリアムという少年の体に入ったビリーだと知り、「彼は忌むべき存在。生と死の聖なるバランスを乱している」と考え、ビリーを死の世界に連れ去ることを決めた。ビリーは双子のトミーにも自分と同じように、誰かの体に入り込ませようとすると思い、それが行われる前にビリーを連れ去るとアガサに話した。
アガサは「好きにすれば」とリオの考えに反対することはなかったが、リオは浮かない顔をしている。その表情を見てアガサは察した。リオがビリーを連れ去るのは簡単ではないということを。つまり、もし強引に連れ去ろうとしたらウィリアムの体から離れて、別の体に転生されてしまう。連れ去るには、ビリー自らが“投降”するしか手段はない。アガサはそこに付け込んで、自分を見逃すことを交換条件に「魔女の道のゴール地点でビリーを引き渡す」と提案。リタは何か思うような表情をしたが、その提案を受諾した。
アガサは、ビリーと“ジェン”ことジェニファー・ケール(サシェア・ザマタ)に声をかけて意気揚々と最後の試練に向かおうとするが、魔女の道の入り口で脱いだ自分たちの靴につまずいて転んでしまった。つまり出発点に戻ったのだ。ビリーは「魔女の道は環状になっている」と考え、ここが“ゴール”だと分析。アガサは、もしここがゴールだとするとどうやったら元の世界に戻れるのか?と不安になり、少し取り乱す様子が見えた。ビリーが自分の靴に片足を入れると、別の場所へと移動した。
そこは遺体安置所のような場所で、3人はファスナーで閉じられた袋のようなものからそれぞれ出てきた。ジェンは欠けていたものを“道”から与えられ、姿を消した。
残ったのは、アガサとビリーの2人だけ。トミーのことを見つける手助けをするためにアガサはビリーに昔のことを思い出させようとする。精神統一し、息を整え、ビリーは感覚でトミーを探し始める。何かが見えたようだ。「怯えてる。器が見つからない。水の中、男の子、仲間がふざけて沈めた。溺れ死ぬ。誰からも愛されない。僕はトミーのためにこの子を殺そうとしてるの?」と錯乱状態になって、ビリーもそこから姿を消す。
アガサが亡くなった息子を思い感傷的な気持ちになったとき、その部屋が崩れ始め、なんとか外に出ることができたが、そこはウエストビューだった。魔女の道のゴール地点まで来たが、アガサの魔力は戻っていない。待ち構えていたリオに「ゴールの褒美は?」と聞くが、ビリーを投降させなかったから、失敗だと見なし、アガサを連れ去ることにしたと返ってきた。アガサとリオは闘うことになったが、アガサは一方的にやられっぱなしの状態に。
それを見かねたのか、ビリーが現れ、アガサの傷を癒やした。リオは「一人が私と来れば、もう一人は自由」と伝えると、魔力が戻ったアガサはリオと対等の戦いを繰り広げていく。それでもやはりアガサが劣勢で、「死には抗えない。私が行く」とビリーに伝えると、ビリーは「僕も行くよ。僕も連れてけ」とリオに伝えた。これこそがアガサの計画で、ビリーはまんまと罠にハマってしまったようだ。アガサを庇ってのビリーの言葉は、自ら“投降”したことを意味し、それによってリオはビリーを連れて行くことが可能となった。感動的なシーンだと思ったら、アガサお得意の裏切りのためのお芝居だったというわけだ。
■最終話を前にアガサの体が朽ち果て…
しかし、一つ計算違いなことが。ビリーはテレパシーを使ってアガサに「ニッキー(息子のニコラス・スクラッチ)もそうやって死んだの?」と問い掛けられ、アガサはそれで考えが変わったのか、リオにキスをして、自身が死の世界へと向かった。まだ最終話が残っているのに、アガサの体は朽ちて土へと還っていった…。
生き残ったビリーは、体の持ち主であるウィリアムの家へ。そしてウィリアムの部屋に入って気付いた。「ローラ・ウー 魔女の道のバラッド 一夜限りの公演」のポスター、緑の魔女の人形、“魔女の道”で見た大きな木のミニチュア模型などなど、魔女の道にあったものがこの部屋の中に存在していた。同時に「あんた、本当、母親そっくりね」といったアガサの言葉もいろいろと思い出してきた。そう、“魔女の道”はビリーが作ったものだった。
第8話のラストでまたも大どんでん返し的な展開になったが、第9話の前半は時間を遡って、アガサと息子のニコラスのことが描かれている。アガサは妊娠し、子どもが産まれようとしていた。森の中でひっそりと出産するが、そこに“死神”リオが現れた。リオは産まれる子どもを連れて行こうとするが、必死に懇願して猶予を与えられることに。その“猶予を与えた”ことは死神にとって“特別”なこと。死神リオはアガサのことが好きだったから、たった一度だけ「特別扱い」をしたことになる。
ニコラスは6歳になり、アガサと放浪の旅をしている。その道中でニコラスが歌った自作の歌が「魔女の道のバラッド」の元となる内容のものだった。アガサとニコラスの旅での経験が歌詞に盛り込まれていき、ついに歌詞を完成させた。しかし、猶予期間が切れて、ニコラスは亡くなってしまう。
「魔女の道のバラッド」を聞いた魔女が、アガサに近づいてきた。その歌がウワサで聞いた“魔女の道”のことを示しているのではないか、と。第2話と同じように、アガサは魔女団を結成。わざと自分を攻撃するように仕向けて、彼女たちの力を吸収していった…。そんなふうにして、第9話の前半はアガサの過去を振り返る重要な回想シーンで構成されている。
最終話の後半は時間が戻り、リオによって連れて行かれたアガサがゴーストになってビリーの前に現れた。体は半透明で、髪は白髪の姿で。ここから一気に伏線の回収といった流れになっていく――。
配信後、SNS上には「本当に楽しいドラマでした。オチもキレイで文句なしです」「予想外すぎるオチ。でもアガサはそれでいいんだと思う」「予想外の展開もあり、第1話から見返したくなるようなうまい伏線回収!」と最後の最後まで予想を超えてくる展開に対する絶賛の声が多く見られた。
全9話の中で、大きく話が二転三転し、第8話でタネ明かし的なものがあったと思ったら、第9話では気になっていたことの伏線が回収されるなど、まさに“見事”としか言いようのない最終話となった。
「アガサ・オール・アロング」はディズニープラスで全話独占配信中。
◆文=田中隆信
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