11月5日(火) 5:20
子どもの教育費は大きな負担となるため、一般的にあまり教育費がかからない小学生のうちから準備するのがよいといわれています。では実際に、小学校ではどれくらいの教育費がかかるのでしょうか。
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、公立小学校でかかる教育費と内訳は以下のとおりです。
◆学習費総額(年間)……35万2566円
・学校教育費……6万5974円
・学校給食費……3万9010円
・学校外活動費……24万7582円
学習費総額で考えると毎月3万円ほどとなり、意外にかかるという印象を持つ人もいるかもしれません。しかし、高校・大学などと比較すればそれほど負担にはならないうえに、学校外活動費には習い事の費用も含まれています。
学習費総額のうち学校外活動費の金額がもっとも大きいですが、収入に合わせて調整可能な部分でもあるので、小学生の間に高校や大学のための資金を貯蓄するのは理にかなっています。
小学校でかかる教育費を把握したら、自分の収入の範囲内で将来の教育費のためにいくら貯蓄ができるのか、習い事にいくらお金をかけられるのかを検討しましょう。
まずは、習い事にかけるお金は一般的にどれくらいが平均なのかを知ることで、習い事の費用が適切なのかが判断できます。ただし、あくまでも自身の収入を基準とすることが重要です。
株式会社イオレ(東京都中央区)の「2023 年版 子どもの習い事に関するアンケート」(調査期間:2023年3月13日~4月1日、調査対象:「らくらく連絡網」を利用中の主婦・主夫409名)によると、小学生の習い事にかかる費用は、1万~1万5000円が多いという結果でした。この範囲内でも貯蓄する余裕がないのであれば、習い事費用が多すぎるという判断してもよいでしょう。
一方で、収入に対する習い事の費用は、月の手取り額の5%が適切といわれています。例えば、2人で月3万円の習い事であれば手取り額は月60万円必要です。手取り額が60万円に満たない場合は、習い事を見直すことを検討しましょう。
また、複数の習い事を掛け持ちしていると、子どもに体力的な負担がかかることもあります。本当に好きでやっているのか、嫌々やっているのかなどの見極めも必要です。
習い事の見直しによって経済的な余裕が生まれたら、その分を将来に備えた教育資金の積み立てに回しましょう。毎月一定金額を積み立てる方法としては以下のものがあります。
・貯蓄:金融機関の口座に毎月一定金額を預金する方法。利息による増額は期待できないがリスクがほとんどない。
・財形貯蓄:給与所得者であれば給与天引きによって毎月、ボーナス月に積み立てができる。一般財形貯蓄は制限が少なく利用しやすい。
・学資保険:保険として保障を受けながら毎月積み立てができる。途中で解約をすると損をするので続けやすい。
・NISA……少額から投資ができ、一定金額までは運用益や配当金が非課税(通常は20.315%)。貯蓄などに比べるとリスクはあるが、長期・分散運用することでリスクの軽減が可能。
小学校の教育費は、公立であれば学校に支払う金額自体は少ないものの、それ以外の学校外活動費の負担が大きいのが特徴です。学校外活動費には習い事も含まれているので、貯蓄に回す余裕がないときは習い事の見直しが必要です。
教育費は小学校卒業以降に負担が大きくなるので、小学生のうちから準備するのがよいといわれています。習い事が収入に見合っているかなどを見直して、将来に備えた貯蓄を行いましょう。
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
株式会社イオレ 2023 年版 子どもの習い事に関するアンケート
厚生労働省 財形貯蓄制度
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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