地球と太陽、誕生のひみつ。地球はいつ、どうやってできたのか?
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
■「世界一のろまなサメ」が長寿の脊椎動物である理由
これまで、もっとも長寿であることが確認された脊椎動物は、211歳のホッキョククジラだった。ところが、デンマークのコペンハーゲン大学などの研究チームが、推定392歳の脊椎動物を発見した。
その動物は、ニシオンデンザメ。北極海の深海が生息域なので日本人にはあまりなじみがないが、その特徴は"のろま"の一言に尽きる。体長は4~6メートルあり、一般的には大型の魚ほど泳ぎが速い傾向があるというのに、ニシオンデンザメは時速1キロ程度と人間の歩みより遅い。ふだんは海の底を「泳ぐ」というより「漂っている」のだが、尾びれを左右に1往復振るのに7秒もかかっている。
成長するのも遅く、1年に1センチメートル程度。これで体長4~6メートルにもなるのだから、さぞ長生きしているのだろうとかねてから考えられてはいた。しかし、サメには軟骨しかないため、従来の方法では年齢が測定できなかった。
そこで研究チームは、目の水晶体のタンパク質に含まれる放射性炭素から、28匹のニシオンデンザメの年齢を測定してみた。すると、なんと392歳の個体がいたのである。
ニシオンデンザメの長寿の秘訣は、低温の中であまり動かないため代謝が少ないこと。しかも、大きな体で海の底にいるので天敵がいない。その肉には毒があるといわれ、人間にも狙われることがない。
そんなにのろまでエサが獲れるのだろうかと心配になるが、ニシオンデンザメはエサを求めて浅瀬に上がると、口に入るものなら何でも食べる。のろまさゆえに、アザラシやホッキョクグマの新鮮な死骸をも食べていると思われる。
しかし、のろまさゆえの困ったこともある。メスが成熟するまで150年もかかるため、個体数が増えず、種の存続が危ぶまれているのだ。
長寿の秘密を探るためだけではなく、早急な保護が求められている。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
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