11月5日(火) 9:30
定年退職に関する公的な手続きには、年金・雇用保険・健康保険・税金があります。それぞれの手続きの概要は以下の通りです。
年金を受け取る資格ができたら、受給のための手続きは自分で行う必要があります。「ねんきん定期便」で加入記録を確認しておきましょう。
年金支給開始年齢到達月の3ヶ月前に「年金請求書」が届きますので、必要事項を記載して返送します。添付書類については年金事務所や年金相談センターで確認し、年金手帳を会社が保管している場合は返却してもらいます。
定年退職後に再就職先がすぐに決まらず、一定の要件を満たした場合は、雇用保険の手続きを行うと失業手当(基本手当)を受け取りながら求職活動が可能です。
退職時に会社から「離職票」「雇用保険被保険者証」を受け取り、手続きは居住地を管轄するハローワークで行います。60歳以降の再就職では、要件を満たすと「高年齢雇用継続給付」「高年齢再就職給付金」といった制度の活用も可能のようです。
定年退職後に別の会社へ再就職する場合は、労働条件などによって健康保険に加入することがあり、75歳を過ぎると後期高齢者医療制度に加入します。仕事をリタイアする場合は、健康保険の資格を喪失するので「任意継続健康保険」「国民健康保険」「ご家族の健康保険(被扶養者)」のいずれかに加入する手続きが必要です。
会社員は勤務先で年末調整されているので、一般的に確定申告は必要ありませんが、退職時や退職後は場合によって所得税の確定申告が必要です。退職金を受け取る際は、退職所得申告を記入して会社に提出すると、確定申告は不要になります。
住民税については、退職後すぐに仕事が決まれば特別徴収で給料から天引きで納められますが、そうでなければ一括徴収または普通徴収で納めることになります。
退職する際は退職届の提出が必要ですが、定年退職の場合は就業規則に基づいて自動的に退職となるため、社員が退職届を用意する必要はありません。定年後も仕事を続けることを考えている場合は、現職で定年退職後に再雇用の制度が設けられているかを、労働条件などとともに確認しておくといいでしょう。
また、有給休暇が残っている場合も考えられます。業務の引き継ぎなどで退職間近は有給休暇を取得しづらくなることがあるため、計画的な消化を心がけるといいでしょう。有給休暇は退職後に消滅してしまう点に注意が必要です。
定年退職前後は、公的年金・雇用保険・健康保険・税金に関する手続きを自分で行う必要があります。定年後に仕事を続けるか否かなどによって、選択肢や方法が異なる場合もあるため、事前に確認しておくといいでしょう。
またそれぞれの手続きには期日がある点にも注意が必要です。今まではさまざまな手続きを会社が行ってくれていましたが、定年後は会社任せにできないため、そのときになって慌てることがないよう、事前に手続き内容を確認しておくことは大切です。
定年退職では社員が退職届を提出する必要はありませんが、再雇用の制度があれば確認しておくといいでしょう。また業務の引き継ぎなどで退職間近は忙しくなることが考えられるため、年次有給休暇が残っている場合は計画的に消化できるように調整する必要もあります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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