日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区にて開催中の、開催アジア最大級の映画の祭典、第37回東京国際映画祭もいよいよ11月6日(水)で閉幕。東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場と日比谷仲通りで10月28日に行われたレッドカーペットイベントでは、森田剛や三宅健、松坂桃李らが紳士的なエスコートを披露して会場を沸かせた。
【写真を見る】三宅健、マドンナ役の井上真央の手を取ってエスコート!
東京国際映画祭は世界中から優れた映画が集まる、アジア最大級の映画の祭典。今年の「コンペティション」部門には110の国と地域から2023本がエントリー。厳正な審査を経た15本が期間中に上映され、11月6日に行われるクロージングセレモニーで各賞が決定する。レッドカーペットイベントには会場に国内外から総勢228名のゲストが集まり、長さ165メートルに及ぶレッドカーペットを闊歩。ファンと交流を図った。
国際映画祭の華ともいえる「コンペティション」部門に選出された『雨の中の慾情』(11月29日公開)からは成田凌、中村映里子、森田剛、李杏が出席。長編映画デビュー作『岬の兄妹』(18)で日本映画界に衝撃を与えた片山慎三監督が、つげ義春の短編漫画を映画化した本作。2人の男と1人の女のせつなくも激しい性愛と情愛が入り交じる、独創性溢れる数奇なラブストーリーだ。
艶めかしい魅力を持つ福子を演じた中村は、全身シースルーのドレスにドラゴンが描かれた個性と美しさの際立つスタイル。
森田演じる自称小説家の男、伊守の妻役を務めた李杏は、デコルテと胸元を大胆に披露したブルーのオフショルダードレスで登場するなど、映画の雰囲気にもぴったりの魅惑的なドレスで観客の視線を奪った。ステージを降りる際には、ストライプのスーツで現れた森田が李杏の手を取ってしっかりとエスコートしていた。
日本公開前の国内外の話題作をプレミア上映する「ガラ・セレクション」部門で上映される『サンセット・サンライズ』(2025年1月17日公開)からは、岸善幸監督、菅田将暉、井上真央、三宅健がお目見え。都会から移住した釣り好きサラリーマンの西尾晋作(菅田)と、宮城県南三陸で生きる住民との交流を描く。町のマドンナ的存在でもある関野百香役を井上、百香への思いをこじらせる “モモちゃんの幸せを祈る会”の一員であるタケ(高森武)役を三宅が演じている。
井上はこの日、赤のミニドレスに赤のタイツ&靴を合わせた“レッドカーペットスタイル”。菅田と三宅は、シックなブラックスーツをセレクトしていた。菅田は「現場がとても楽しかったので、その楽しさが映像に残っている」と完成作に胸を張り、三宅は「世の中が少しずつ元気になってきた時なので、だからこそいまこの映画をみんなで観てもらいたいです」と笑顔。三宅が照れ笑いをのぞかせつつ“マドンナ”である井上をエスコートする場面もあり、メンバー全員で「劇場でまってっからー!!」と宮城弁で呼びかけるなどチーム一体となって映画をアピールしていた。
「ガラ・セレクション」部門『雪の花―ともに在りて―』(2025年1月24日公開)の松坂桃李、芳根京子、小泉堯史監督もレッドカーペットを歩いた。本作は、日本映画を代表する豪華キャストとスタッフが集まり、多くの人命を奪う疫病と闘った町医者の愛と感動の実話を描く本格時代劇。松坂はベロアのネイビーのジャケットに身を包み、根はクリーム色に艶やかな花柄模様が散りばめられた振袖姿だった。
劇中では、夫婦役を演じた松坂と芳根。松坂は「熱気がすごい」と会場を見渡し、「それだけ皆さんの熱量が感じられて、その熱量が日本の映画を支えていくんだなと思います」と感激しきり。芳根は「初めて登壇させていただいたんですが、すごく元気をもらいました!」と声を弾ませ、「明日からも頑張ろうという気持ちをもらって、とてもうれしいです」と喜びを語った。ステージ降壇時には、松坂が着物姿の芳根を気遣って手を取ると、芳根がはにかみ笑顔を見せるなど、“夫婦の絆”が伝わる姿を見せていた。
今年新たに加わった部門で、東京都と連携し女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする作品に焦点をあてた「ウィメンズ・エンパワーメント」部門の特別上映作品に選ばれた『劇場版ドクターX』からは、主演の米倉涼子と岸部一徳が参加。本作は、孤高のフリーランス外科医、大門未知子の活躍を描いた医療ドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」の劇場版。米倉演じる“絶対に失敗しない”外科医、未知子誕生の秘密を明らかにする本作をもって、12年続いたシリーズがファイナルを迎える。
劇中で師弟関係として名コンビを築いてきた2人が、エレガントな黒の装いで揃えてレッドカーペットに降臨。大人の魅力を漂わせつつ、楽しそうな彼らの姿に沿道からもたくさんの声援が上がった。腕を組んだ米倉と岸部は、大きな笑顔を見せ合うなど終始息ぴったりの様子。インスタグラムで米倉は「大好きな岸部一徳さんに素敵にエスコートしていただき、とても幸せな時間でした」と特別な時間になったことを伝えていた。
また大人の魅力といった意味では、コンペティション部門に選出された『敵』に出演する長塚京三と瀧内公美も抜群の存在感を発揮していた。筒井康隆の同名小説を吉田大八監督が映画化した本作。1974年にフランスで俳優デビューしてから実に50 年、名優として日本映画やドラマ、舞台の歴史に名を刻んできた長塚が2013年公開の『ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜』以来、12年ぶりの主演を務め、人生の最期に向かって生きる元大学教授の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現している。イベントに長塚は黒のタキシードにワインレッドの蝶ネクタイ、グレーのベストを合わせ、清楚にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子役を演じた瀧内は背中が大きく開いたブラックドレスで歓声を浴びていた。
第37回東京国際映画祭は、10月28日~11月6日(水)まで、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区にて開催。
取材・文/成田おり枝