第37回東京国際映画祭のアニメーション部門で11月4日、ドリームワークス・アニメーションの新作「野生の島のロズ」が上映され、アナウンサーで俳優としても活動する宇垣美里が東京・TOHOシネマズ日比谷でのトークショーに出席した。
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本作は、野生の島で起動した最新型アシストロボット「ロズ」が、ひょんなことから愛情を持つようになり、動物たちと共に生き、島の危機を乗り越えていく感動の物語。原作は、アメリカの作家ピーター・ブラウンによる「野生のロボット」シリーズ。2016年に出版され、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで1位を獲得したほか、チルドレンズ・チョイス・アワードの年間最優秀イラストレーター賞や、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞等を含む数多くの文学賞を受賞した。
ドリームワークス史上最高傑作との呼び声も高い本作。宇垣は、作品の第一印象を「最初に驚いたのは、ロズが島の全容を初めて見る、ファーストカットでどういう島なのかを説明していくなかでの自然の奥行き。すべてがあまりにも美しくて、あまりにも広くて。海外の自然の描き方って日本とは少し違う印象でしたが、本作はある意味、私が見て育ってきた、例えばジブリ作品の森や自然の表現に似ているところを感じました。非常に奥行きがあって、そしてちょっと抽象画のような、夢のような美しさがあって、『すべてのシーンをポストカードにしてくれ!』と思いながら見ていました」と語った。
これに対し、同部門のプログラミング・アドバイザーの藤津亮太氏が「今回の美術スタッフは、背景を3Dで作っているのですが、そのリファレンスのもとが印象派のモネだったり、ディズニー作品の『バンビ』だったり、あとは『となりのトトロ』。スタジオジブリの自然の描き方をリファレンスして作ったそうなので、その印象は正しいなと思いました」と返すと、宇垣は「あとは『(天空の城)ラピュタ』のことも思い出しました。そういった意味で好きになるべくしてなった作品です」と納得していた。
さらに「心に残った物語の展開」を問われた宇垣は、「みんなで冬を過ごす展開」をあげ、「捕食者と逃げる側であるはずだけど『本能をこえて、一緒に生きることはできるはずだよ』というメッセージを感じた。あのシーンのピースフルな雰囲気がすごく好きでした」と告白する。そして最後に、改めて本作から感じ取ったメッセージやテーマを熱弁した。
「クマとキツネとネズミが一緒の場所で暮らすことはできない。それは夢。でも、できることがあるかもしれない。人間だったらできるかもしれない。例えば本能なのか、もしかしたら伝統なのか、文化なのかはわからないけれど、そういったものを超えて一緒に生きることはできるはずだよというメッセージを感じました」
「あとは成長とそれを見守る者。私はまだ親ではありませんが、親の目線で見るとぐっとくるものがあるでしょうし、私は巣立った娘として非常に心を揺さぶられるシーンがありました。そういった意味で、見送る、旅立つというメッセージも感じました」
「野生の島のロズ」は2025年2月7日より全国公開。第37回東京国際映画祭は、11月6日まで開催。
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