11月4日(月) 2:20
高校無償化の正式名称は「高等学校等就学支援金制度」と呼ばれるものです。高校等に通うための経済的負担を軽くする目的で、授業料に充てるための支援金を支給する制度です。
「高等学校等就学支援金」は、国公私立を問わず、要件を満たす世帯の生徒に対して支給されます。
受給資格は以下の2つです。
●日本に住んでいて、国内の高等学校等に在学する方
●世帯年収の要件を満たす方
世帯年収の要件については次で詳しく解説します。
対象となる世帯年収の判定基準は、次の式で計算します。
「保護者等の課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除の額」
ただし、政令指定都市の場合は、「調整控除の額」に4分の3を乗じて計算します。上記による計算により算出された金額が15万4500円未満(年収目安は590万円未満)であれば、最大39万6000円が支給され、15万4500円以上30万4200円未満(年収目安910万円未満)であれば、基準額である11万8800円が支給額となります。
なお、マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから自分の「課税標準額」と「調整控除額」を確認することができます。
参考となる年収目安を、表1にまとめました。
表1
子の人数 | 11万8800円の支給(月額9900円) | 39万6000円の支給(月額3万3000円) | |
---|---|---|---|
両親のうち一人が働いている場合 |
子1人
(高校生) |
~約910万円 | ~約590万円 |
子2人
(高校生・中学生以下) |
~約910万円 | ~約590万円 | |
子2人
(高校生・大学生) |
~約960万円 | ~約650万円 | |
両親共働きの場合 |
子1人
(高校生) |
~約1030万円 | ~約660万円 |
子2人
(高校生・中学生以下) |
~約1030万円 | ~約660万円 | |
子2人
(高校生・大学生) |
~約1090万円 | ~約740万円 |
※文部科学省「高校生等への就学支援 高等学校等就学支援金制度 年収目安」を基に筆者作成
年収についてはあくまでも、一つの目安です。子どもの人数や親の働き方によって、異なる場合があることを理解しておきましょう。
申請方法は、新入生は入学時の4月に、在校生は7月頃までに学校から案内があります。必ず確認しましょう。
申請方法は原則としてオンラインとなりますが、都道府県ごとに申請方法が異なるので学校への確認が必要です。なお、マイナンバーカードがあると手続きが簡単になるようです。
「家計急変支援制度」は、保護者が負傷や疾患による療養で勤務ができなくなり、これまで得ていた収入が得られなくなってしまった際に、授業料を支援する制度です。
対象となる主な要件には、「家計急変事由に該当すること」に加えて「世帯年収が約590万円未満相当まで減少してしまったこと」があります。なお、支給限度額は月額3万3000円、公立高校等は月額9900円となります。
家計が急変した場合は、速やかに学校に相談・申請しましょう。
「高等学校等就学支援金」の支給対象は、日本に住んでいて国内の高校等に在学している、年収の目安が約910万円未満の世帯であることです。ただし、子どもの人数や、両親の働き方など、状況により年収の目安は異なります。
判定基準となる金額は「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額」で求めることができるため、対象の世帯であるか知りたい場合は計算してみましょう。
申請については学校からの案内を確認し、原則としてオンラインで行います。学校からもらう案内を見落とさないよう注意してください。
また、「高等学校等就学支援金」は、授業料に充てるための支援金を給付するものです。授業料以外の費用は支払う必要があるので、教育費の貯蓄は忘れずに行いましょう。
文部科学省 高等学校等就学支援金制度 年収目安
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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