【写真】「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督がビール片手に笑顔を見せる
ゴジラの生誕を祝うフェスイベント「ゴジラ・フェス 2024」が、1作目の公開日である11月3日“ゴジラの日”に“ゴジラの聖地”東京・日比谷で開催。「居酒屋ゴジラ」と「『ゴジラ 4Kデジタルリマスター版』ジャパンプレミア」に「ゴジラ-1.0」(2023年)の山崎貴監督が登壇した。
■盛りだくさんの内容で行われた10回目の「ゴジラ・フェス」
毎年恒例の「ゴジラ・フェス」は、番外編を含めて今回で10回目。今回はスマホゲーム「ゴジラバトルライン」の生配信番組「ゴジバトサミット出張版~ゴジラ・フェス2024 SP~」の開催、「メカゴジラ50スペシャルトークショー」や短編特撮映画「フェス・ゴジラ5 怪獣大決戦」の公開など、盛りだくさんの内容に。
また、「居酒屋ゴジラ」では1年ぶりにゲストとして登場した山崎監督が、公開後の今だから話せる裏話などを紹介。さらに、TOHOシネマズ日比谷で開催された「ゴジラ 4Kデジタルリマスター版」ジャパンプレミア上映では山崎監督に加え、初代ゴジラの造形助手・鈴木儀雄氏も登壇し、「ゴジラ」(1954年)の撮影秘話やゴジラの魅力に迫るトークを展開した。
■神木隆之介、浜辺美波からの質問に山崎貴監督が答える
第96回アカデミー賞視覚効果賞受賞作「ゴジラ-1.0」に次ぐ新作「ゴジラ」映画の製作が11月1日に発表されたばかりとあり、「居酒屋ゴジラ」に登場した山崎監督に会場からは拍手と「タカシ~!」の大合唱が巻き起こる。
シリーズ31作目となる新作の監督・脚本・VFXを続投する山崎監督は「『ゴジラ』新作を撮ることにしました!」とファンに直接報告。「ただ、『ゴジラ-1.0』がいろいろとうまくいってしまって…めっちゃハードルが高い!そのハードルに自分で臨むと思うと、貧乏クジだったなと」とジョークを飛ばしつつ、ファンの期待をあおる。
山崎監督は、2023年に続いての「ゴジラ・フェス」参加。「この盛り上がりはうれしい。特にお子さんがたくさんいらっしゃるのもうれしい。最近はゴジラが大人のものになってきていたので、お子さんが増えると次世代が増えるということ。それはゴジラの未来にとっては良いこと。新作『ゴジラ』を待ってくれている空気がビシバシと伝わってきてうれしい」と喜ぶ。
2024年、第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した「ゴジラ-1.0」。さまざまな企画や仕事のオファーがあったそうだが、「具体的には言えませんが、すごいのがたくさん来ました。でも、『ゴジラ』の新作映画を撮るから、血の涙を流しながら断りました」と「ゴジラ」愛をあらためて強調する。
イベント中盤には、「ゴジラ-1.0」で敷島浩一を演じた神木隆之介、大石典子を演じた浜辺美波からビデオレターで質問が寄せられた。神木は「世界のタカシ~!」と呼び掛けながら「船のシーンでは監督の船酔いが1番ひどかった。ちゃんと映像を見てOKを出したのか?」との疑問が。
これに山崎監督は「ちゃんと見ていました!」と笑いつつ、「体が揺れる中で画面は違う揺れ方なので、画面を見ると気持ち悪さが倍増。でも、本物の太陽と本物の海のおかげで力強いカットになった」と話す。
また、神木からの「現場見学にきた庵野秀明監督とはどんな話をしていたのか?」との質問には「庵野さんはちょいちょい『今のカットもっと長く…』と演出をし始めたので、『あんたの作品じゃない。自分のところでやって!』と。謝るけれど、また同じようなことを言ってくる」と苦笑い見せるが、「それが映画監督という性ですね」と理解を示す。
一方、浜辺は「渡米する際の飛行機などでは何を考えて、何をされているのか?」と質問。これには「脚本を書こうと思うけれど、面倒くさいなあと嫌になる中で眠るとぐっすり。脚本を書かなければいけないのに…と思う背徳感の中で寝るのが最高です」と笑わせる。
最後は、この日70歳を迎えたゴジラのために、バースデーケーキを用いて大祝福。「おめでとう!」の拍手喝采の中、山崎監督は「前作を乗り越えるような新作『ゴジラ』を作るために頑張ります!」とあらためて宣言。ファンからの「タカシ、頑張れ~!」コールに背中を押される形でイベントは幕を閉じた。
■初代ゴジラの暴露話に山崎貴監督が必死にフォロー
TOHOシネマズ 日比谷に場所を移して行われた「ゴジラ・フェス2024」と、第37回東京国際映画祭提携企画「ゴジラ 4Kデジタルリマスター版」のジャパンプレミア。
「ゴジラ 4Kデジタルリマスター版」は2024年2月に開催された第74回ベルリン国際映画祭クラシック部門で世界初上映され、ゴジラ70歳の誕生日のこの日、日本初お披露目されることになった。
上映前には、山崎貴監督と初代ゴジラの造型助手・鈴木氏がトークショーを実施。あと2年程で90歳を迎えるという鈴木氏が初代「ゴジラ」と関わったのは、東京・多摩美術大学彫刻科1年時、19歳のころだという。同級生に円谷英二の親戚がおり、「うちのおじさんが『ゴジラ』という怪獣を作るらしいから、お前どうだ?」と誘われ、東宝でアルバイトすることになったとのこと。
特撮シーン撮影過程での苦労点を聞かれた鈴木氏は「大変だったのは材料集めです。そもそもプラスチック材料がない時代だったので、プラスチック工場やお店を回って探して、さらにそれをどう使うのか。プラスチックを使ったことがないので、専門会社に来てもらったりして、何度も何度も試行錯誤しました」と回想。また、ゴジラの形を作るのには金網なども材料として使用したことも明かす。
完成したゴジラ第1号は重くて動かなかったという逸話もあり、鈴木氏は「重過ぎてスーツアクターの中島春雄さんが『こんなものを作りやがって。芝居が出来ないだろうが!』と怒った。しかも、それを偉い人には言えないので、私を捕まえて…」と当時の厳しさを暴露。山崎監督が「昔はね!70年前の話ですからね!」と必死にフォローする。
特撮怪獣映画という全てが初めての撮影だったため、「撮影スピードを4倍に上げるので、その分ライトはかなり当てる。かなり暑くて、スーツの足元には大量の汗が溜まるほどだった。すると、中島さんは『お前らがこんなスーツを作ったんだぞ?』と言ってくる」と続ける鈴木氏に、すかさず山崎監督が「で、1番下っ端の鈴木さんを…!?」とまたまたぶり返し、笑いを誘う。
映画で見ることのできる初代ゴジラは、鈴木氏曰く「何度も改良を重ねて作り直したもの」で、モノクロ作品ではあるが「現物の初代ゴジラの色はネズミ色。グレーです。もちろんネズミ色一色ではなく、銀、緑、茶色を使ってバランスを取った」と貴重な証言も飛び出す。
山崎監督は幼少のころ、テレビで初代「ゴジラ」を見たそうで、「怖かった。モノクロでウルトラマンは助けにこないし、街は壊すし、人はなすすべがないわけで」とゴジラの迫力に心底怯えた様子。
その初代に対するリスペクトは「ゴジラ-1.0」に色濃く反映されており、「その影響は大変なもので、かなりインスパイアされています。初代『ゴジラ』の好きなところは使わせてもらっています」と話す。
新作「ゴジラ」映画への続投が発表されたばかりで、山崎監督は「今はハリウッドでもゴジラが作られるようになり、和製ゴジラという言い方もある。しかし、僕らが作るものは、初代『ゴジラ』の精神を大事にしなければいけないと思っています。もちろん、いろいろなタイプのゴジラ映画があっていいと思うけど、僕は初代『ゴジラ』が持つ気持ちを大事にしていきたいと思っています」と鈴木氏に誓うように宣言。
最後は樋口真嗣監督も参加し、歴代「ゴジラ」関係者を交えた記念撮影が行われ、舞台あいさつは終了した。
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